近頃注目される競馬学校騎手課程27期生

6月20日に阪神競馬場にてG3マーメイドステークスが行われ、藤懸貴志騎手騎乗の単勝10番人気のシャムロックヒルが逃げ切り、重賞初制覇を果たしました。
騎乗していた藤懸騎手にとっても2011年のデビューから11年目での重賞初制覇となりました。

藤懸貴志(ふじかけたかし)騎手は、1993年2月25日生まれ、長野県木曽郡大桑村出身の28歳。
大桑村は長野県の南西部にある人口約3500人ほどの小さな村です。
2011年3月に栗東:平田修厩舎所属としてデビューし、同年8月20日の小倉6Rで初勝利を挙げました。
デビュー2年目の2012年のG3マーメイドステークスで、藤懸騎手はクリスマスキャロルに騎乗するも、勝ったグルヴェイグに2馬身差及ばず2着に終わり、重賞初制覇のチャンスを逃していました。
レースで勝利数が伸び悩む中、フリー転向で様々な厩舎の調教に騎乗するようになり、藤懸騎手の騎乗手腕への評価は皮肉にも上がっていきました。
そうした中で今年のマーメイドステークスで重賞初制覇を果たし、この勝利がJRA通算99勝目となり、通算100勝にリーチを掛けました。

上述の藤懸騎手の勝利から、2011年デビューの競馬学校騎手課程27期生の注目度が最近上がっているようにわたしは思いました。
例えば、横山和生騎手は弟の横山武史騎手の躍進に大いに刺激を受け、6月25日時点で関東リーディング2位に躍進しています。
森一馬騎手は、昨年2020年の中山大障害、今年2021年も中山グランドジャンプと、メイショウダッサイとのコンビでJG1を連勝しました。
嶋田純次騎手は、今年の皐月賞でアサマノイタズラに騎乗し、G1初騎乗を果たしています。

その27期生の活躍にあって忘れられがちになりますが、騎手引退後に障害者馬術に転向した高嶋活士選手も、最近取り沙汰されるようになってきました。
レース中の落馬事故によって右半身に障害が残ったことで騎手引退に追い込まれるも、障害者馬術に転向すると、海外遠征によって頭角を現し、先日は東京パラリンピックの馬術競技の日本代表に選出されました。
競馬関係者では他に元調教助手の宮地満英選手も東京パラリンピックの日本代表に選出されています。

27期生のデビューから間もない頃に東日本大震災が発生しており、競馬どころではなかった日々を送った者も多いと思います。
それにつれて27期生の存在が抜け落ちていたとしても無理はないでしょう。
それでも各々が自らの研鑽を経て、現在も現役であり続けていることをもっと評価してもいいのではないでしょうか。

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