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藤原英昭厩舎と福永祐一騎手の特別な関係

5月30日に東京競馬場で行われたG1第88回東京優駿(日本ダービー)で、福永祐一騎手が騎乗したシャフリヤールが優勝しました。
この馬を管理する藤原英昭調教師は、2010年のエイシンフラッシュ以来2度目の日本ダービー優勝です。

藤原英昭調教師は1965年6月29日生まれ、滋賀県出身の55歳。
同志社大学在学中は馬術部に所属し、卒業後に競馬界に入り、1989年から2000年2月まで栗東:星川薫厩舎の調教助手を経て、2000年に調教師免許を取得。
翌年2001年3月に35歳で厩舎を開業し、管理馬の初出走で初勝利を挙げました。
2001年のG2京都新聞杯をテンザンセイザで優勝したのが厩舎の重賞初制覇で、2008年のヴィクトリアマイルのエイジアンウインズでG1初制覇。
2010年の日本ダービーをエイシンフラッシュで優勝し、当時44歳でダービートレーナーとなりました。
岩田康誠騎手の次男の岩田望来騎手を弟子として迎え入れ、望来騎手の厩舎実習期間中には、管理馬の海外遠征にも同行させていました。
望来騎手のデビュー後も、師の馬術の経験を基にしたトレーニングを課しています。

藤原英昭厩舎について、パフォーマプロミスやストレイトガールに代表されるように、競走馬としてのキャリアが長い馬を管理していることが多い印象を受けます。
各々の馬の発育を阻害しないように、無理にローテーションを詰めることをせず、狙い澄ましたレースに向けて調整していくことも、この厩舎の特徴です。
今年の日本ダービーを優勝したシャフリヤールは、兄のアルアインと同じく毎日杯を優勝し、皐月賞に臨むことも不可能ではありませんでしたが、皐月賞を回避して日本ダービーに照準を絞ってきました。
ダービーに向けて逆算した計画を立てていたのだろうと思います。

福永騎手と藤原師には特別な関係性が諸々あります。
藤原師の弟が、福永騎手が1996年のデビュー時から2006年まで所属していた北橋修二厩舎の調教助手だった関係で、福永騎手は藤原英昭厩舎の調教に携わるようになりました。
福永騎手が藤原師の管理馬で初めて重賞を優勝したのが、2009年のG3フェアリーステークスでのジェルミナルでした。
以後、福永騎手と藤原師のタッグでの重賞制覇は、今年の日本ダービーで12勝目。
2019年の高松宮記念をミスターメロディで優勝したのが、このタッグでの初めてのG1制覇でした。
また、福永騎手が2018年にワグネリアンに騎乗し、19度目の挑戦で日本ダービー初制覇を果たした際、2着に敗れたエポカドーロを管理していた藤原師が福永騎手を真っ先に祝福していました。

今回のシャフリヤールでも、新馬戦を勝利した際に福永騎手は「この馬でダービーに向かいたい」と思った程だそうです。
ワグネリアンの友道康夫厩舎、コントレイルの矢作芳人厩舎とも福永騎手は深い関係がありますが、藤原英昭厩舎とのタッグでの日本ダービー制覇はまた格別なものとなったに違いありません。
福永騎手は、武豊騎手の5勝に続く日本ダービー歴代2位の3勝目をこの4年の内に挙げたことになります。
今後のシャフリヤールの動向と共に、福永騎手と藤原師のタッグにも益々注目が注がれるでしょう。

(※写真は2006年の京都新聞杯優勝時の藤原英昭調教師)

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