2020年度のJRA賞競走馬部門の行方を左右する年末の3つのG1レース

コロナ禍でも休みなく開催されてきた2020年の中央競馬もいよいよ残り2日の開催を残すのみです。

今年2020年は牝馬が顕著な活躍をしており、牡馬混合の芝G1で牝馬が過去最多の8勝を挙げました。
高松宮記念:モズスーパーフレア
大阪杯:ラッキーライラック
安田記念:グランアレグリア
宝塚記念:クロノジェネシス
スプリンターズステークス:グランアレグリア
天皇賞(秋):アーモンドアイ
マイルチャンピオンシップ:グランアレグリア
ジャパンカップ:アーモンドアイ

そんな中で、12月27日にはG1有馬記念が中山競馬場で行われます。

牝馬の活躍は目覚ましい一方で、割を食ってしまう形となったのが4歳以上の牡馬勢です。
これはJRA賞最優秀4歳以上牡馬の選考にも影響しています。
果たして、今年の有馬記念が最優秀4歳以上牡馬を決めるレースとなり得るのでしょうか。
今年の牡馬勢の有力馬であるフィエールマンは、天皇賞(春)で連覇を果たし、天皇賞(秋)は距離不足が懸念されながら2着。
今回の有馬記念で優勝すれば、最優秀4歳以上牡馬の座は確実となるでしょう。

しかし、もしフィエールマンが敗れた場合はどうなるのでしょうか。
フィエールマン以外の4歳以上牡馬が優勝すれば、最優秀4歳以上牡馬の投票が更に割れることは確実でしょう。

牝馬が強さを見せた今年を象徴するように、今回の有馬記念も牝馬が仮に優勝したら?
ラッキーライラックが優勝すれば、大阪杯、エリザベス女王杯と合わせ年間G1・3勝となりますが、最優秀4歳以上牝馬の選考において、同じく年間G1・3勝のアーモンドアイの勝利のインパクトの前に霞んでしまうかもしれません。
ファン投票1位のクロノジェネシスが優勝すれば、宝塚記念に続く春秋グランプリ制覇となりますが、それでもアーモンドアイに最優秀4歳以上牝馬の投票で後塵を拝すかもしれません。

また、JRA賞競走馬部門の選考に大きく影響しそうなレースが、有馬記念前日の12月26日に2レース行われます。

JG1の中山大障害は、オジュウチョウサンの回避により、最優秀障害馬争いが混沌とする中で行われます。
今年のJG1中山グランドジャンプでオジュウチョウサンの2着だったメイショウダッサイと、前走のJG3阪神ジャンプステークスでオジュウチョウサンを破って優勝したタガノエスプレッソの2頭が有力となっています。
今回の中山大障害を優勝した馬が最優秀障害馬に近付くのではないでしょうか。

2歳の芝2000mのG1ホープフルステークスは、最優秀2歳牡馬の選考を大きく左右するレースとなるでしょう。
このレースには、G3東京スポーツ杯2歳ステークスを優勝したダノンザキッドが出走予定で、もし優勝すれば、重賞2勝が決め手となり、最優秀2歳牡馬に大きく近付くでしょう。
しかし、重賞未勝利馬が優勝すれば、レース内容に左右されることになり、この場合ではG1朝日杯フューチュリティステークス優勝のグレナディアガーズの受賞の可能性も残ります。

JRA賞競走馬部門を占う意味でも、(レース発走時刻順に)中山大障害、ホープフルステークス、有馬記念の3つのG1レースは見逃せません。

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