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「う」の付く食べ物

 うにとうなぎが苦手である。

 一般的に人気の食べ物だし、ご馳走だとは知っている。ただ、どうも得意になれない。

 というわけで自分から選んで食べることはないので、食べるとしたら誰かにご馳走になるシチュエーションとなる。

 うなぎやうにのようなものをご馳走になる場面では、そのおすすめを断りづらい、と思う。他のオプションもない場合、目を白黒させながら食べることになる。「おいしかったですごちそうさまでした」とは言えても、実はうにとかうなぎ苦手なんですよーとは言いづらい。いや言えない。

 アレルギーではないので食べることはできる。それでは、体に合わなくて困るときは断れて、苦手な場合はなぜ断れないんだ、というと答えもうまく出せない。好き嫌いはない方が良いという価値観が自分の中に入っているからだろうか。
 しかし、どんなに頑張っても苦手なものは、どこまで頑張って「好き嫌いをなくす」べきなのだろうか。食べるものは自分で選んでもいいじゃないか。他のタンパク源でもいいじゃないか。だんだん開き直ってくる。

 食べ物の好き嫌いはいちいち人に言えない、と思ってきたが、逆に苦手だとどんどん公言したら、食べる羽目に陥らないで済むかもしれない。
 ・・・いや、ここの店なら美味しい!とかこの料理方法ならきっと!となってしまうのだ。前門の虎後門の狼。

 食べ物をご馳走になる時の人間関係はちょっと難しい。送られたものは受け取らないといけない、それが礼儀だと思っている。可能な範囲で受け取りたいけど、そのコントロールがうまくないんだな、とは思う。

 人間関係は難しい。善意からの行動だった時、自分をすり減らして対応するのをやめたい。

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