大騒動の果てに

「あー、今年、「親育て子育て」だった」
「え! 困る! 今年忙しいじゃん」
「そう言ってもこれ義務だし…」
「むしろ、早めに済ませられない? 後半の方がやばいから」
「そうだなあ。休みの時期は避けるとすると…6月?」
「近いなー」
「保健所がいけるかな?」
「それは調整してもらわないと」

「今度、子ども来るんですって?」
「ええ、大変」
「気をつけてね。保健所の子供、親がいる子もいるけど、試験管の子もいるから」
「そうなんですか?」
「お金とかいろいろ隠しておいて、届かないようにしないと」
「あ、やっぱり。そちらも…?」
「ううん、うちはなかったんだけど、あそこはやられたって」

「静かだね」
「うん。思ったより全然静か。良かった」
「躾けられてるんだよね。保健所で」
「物とかは…?」
「大丈夫ぽい。誓約書も持たされてたし」
「それは安心」
「明日、どうする」
「なんか、連れてかなきゃだめなんでしょ?」
「めんどいね」
「人形劇でも見せといたらいいんじゃない?」

「やっと認定通知来たわ」
「でも、それ、受入ができるってことなんでしょ? 困るよ」
「ネット見たら、年更新でずっとバツ付けてたら大丈夫だって」
「ならいいんだけど。結局、お金、渡された分だけじゃ足りなかったからね」
「詐欺だよな」
「こんなことにお金使わせないで欲しい」
「自分たちで稼げよなあ」

havoc/大惨事

※一応、書いておきますが、作品は作者の意見の反映ではなく、作者の見た世界の反映です。2050年代のどこかの国の様子を脳内で想像して書いた物です。

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