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くろ谷、金戒光明寺。


「姫は、平安末期から鎌倉初期の頃はどうしていましたか?」

「京都でね、女御をしておったけど、付いておった中宮様が宿下がりされた時、一緒に、黒谷のご実家へ下がって、お世話しておったよの。」

「ふ〜〜〜ん、俺、ぜんっっぜん、覚えてないわー!」

「源平合戦の時は、義仲殿がきた時はびっくりしたものじゃよ。大猿が蓑笠つけて暴れおるかと、評判じゃったものじゃ!w」

「そうそう、そういうとこありますよね、姫。」

「何が言いたいんじゃ!?」

「いえ、こっちのことです。」

「黒谷というと、金戒光明寺さんはもうありましたか???」


「ああ、法然さまがな、よく覚えておる。」

「あそこは、上まで登ると、京都の街が一望ですよね。」

「ああ、良い景色じゃ!」

「熊谷次郎直実どのは、如何な??直接お見かけされたりもおありでしたか?」

「覚えておるよ、もちろん。大の男が大泣きで、金戒光明寺さんへ現れてなぁ・・・。」

「伝では、法然さまが直接な、お話なされて、次郎殿は、その後ずっと念仏をお唱えになっておられたよ。」

「有名ですよね、平敦盛(あつもり)様との決闘!」

「敦盛殿は年の頃まだ、12、3というところの美童でな。関東でも聞こえた武者の次郎殿が相手では、決闘というより、お手討ちに近いものだったようじゃよ。」

「一ノ谷の名シーンですよね。今回の大河では、主役は北条さまなので、そこをやるかどうか、わかりませんけどね!?」

「ああ、熊谷次郎直実は、しかし、平敦盛のことより、熊谷郷の所領のことで、負けて領地を取り上げられて、いやんなったっていう方が本当らしいがのう!」

「一所に命を懸けるのが関東武士ですからねぇ!w」

「浄土宗というのは、そういう時、便利でもありますよね!」

「ああ、南無阿弥陀仏と唱えさえすれば、OK!  なんでもこい!って解釈も成り立つ。」

「親鸞さまに至っては、悪人正機ですからねー!」

「まあ、難しく言うているようだが、結局、悪人も善人も、生きとし生けるものは全て、これ死に至る!ってことじゃよな。」

「極楽浄土も地獄の業火も、これもまた、脳みその中でのこと、あると思えばあるし、ないと思えばない!w」

「金戒光明寺には、様々、お墓もありますよね。」

「ああ、あと、会津藩士の墓たちとかね、それらもある。」

「ああ、そういえば、金戒光明寺には、京都守護職で、会津中将と言われた松平容保公の本営があり、初期の新撰組の屯所もここでしたね!」

「歴史に何度か登場するな、この寺は。」

「土地的に黒谷の小山の上にあり、浄土宗の開祖、法然上人の草庵が出発点のお寺さまですものね。殺伐とした時代の一方の本営を置くにはうってつけではある。」

「いっぱい人が死にますものね。最初からわかってたんですね・・・・。」

「幕府は、それこれコミコミで、ここに、京都守護職の本営をおかせたんじゃろうなあ・・・・・・。」

「会津藩士たちの心の淀んだ重さが少しでも晴れればと、祈るような気持ちがわかるようです。」

「会津と新撰組は、京都の町衆には人気がのうてな、桂小五郎ののちの正妻、松子夫人は、元々は京都の芸妓:いく松で、彼女たちは、元から大の長州びいきじゃったなぁ・・・。」

「今では、木屋町のちょっと入ったとこに、いく松、晩年の棲み家の跡がお店として残ってましたよね。」

「このコロナでお店は畳まれたみたいじゃがな。跡は見に行けばわかるぞ。」

「松子夫人は、桂というか、木戸孝允侯爵の没後は、京都に帰って、昔の友人たちと京都で気楽に過ごされたそうですね。」

「もともと町屋衆の娘だからな、旦那の死後まで、肩の凝る侯爵夫人として、東京にいるのはつまらなかったんじゃろうよ。」

「維新の元勲の奥様で、侯爵といえば、公・侯・伯・子・男で、二番めの爵位ですものね!何かと面倒なことも多いんでしょうね!www」

「この木戸さまっていうのは、幕末は、桂小五郎っていって、斎藤弥九郎によって開かれた、神道無念流の練兵館で免許皆伝。長州に呼び戻されるまでの5年間は、塾頭も務めた剣豪であることは現在ではあまり知られていないよな。」



「なかなかのイケメンで、腕も立つし、弁も回る。半端なくモテたと言いますね。」

「維新後は、大久保や西郷のような目立つこともなく、どちらかというと、『なんでこんなことになったんじゃ』とばかりに、女々しい感じに描かれることが多くてな、剣豪の面影がないなあ、ドラマなどでは。」

「そういえば、”せごどん”の時も、こないだの”渋沢さんの話”の時も、なんか、いつもブツブツ文句ばっかり言うてる感じでしたね!」

「幕末は”逃げの小五郎”ってあだ名でもあってな、剣豪だけに、その時々、置かれた状況で、剣で1人で立ち向かって勝てるか勝てないかはよくわかっておったんじゃろう!?、本当に命のやり取りをする中で、ヒリヒリしながら、カンイッパツ逃げ回っていた時の方が生きてる実感あったようじゃよの。」

「若い頃の勝新さんみたいじゃろ???」


「イケメンっぷりがっぱねーすねー!w」

「どっちがじゃい!?!?」

「どっちもですよ、勝新さんも、桂も!」

「”銀魂”では、『ヅラじゃない、カツラだ!』とか言わされてましたけどねー!」

「本当は、本当にカッケー野郎じゃったんじゃよ。妾でも、惚れるわい!」

「惚れるなよ、もう、姫はお茶目なんだからー!」

「いや、ガチで、マジカッケー!」

「・・・・・」

「ん?」

「もう、寝ます。おやすみなさい・・・・・・・・。」

「ああ、どうした??? ん?いいけど、ん?おやすみなーーー。」

「。。。。。。。。。。」

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