氏と姓、名前の話!www
「今、お役所なんかに行くと、書類の名前を書く欄には、”姓名”と書いてある時と、”氏名”と書いてある時があるよな。しかし、これ、中国人には、ちょっと混乱する書き方なんじゃよね。」
「姓と氏って違うものだということですか?」
「もともと違うものじゃな。で、中国や韓国では、いまでも微妙に違う。」
「日本人は、氏も姓も、”苗字”のことだと思っていますよね。」
「う〜〜〜ん、そこなんじゃよね、それが混乱の元なんじゃ。」
「??? よくわかりません。」
「古代、と言っても、ものすごく古い!上古の頃、紀元前5000年といった頃じゃな。その頃から、部族の別を区別するため、”姓”を用いたんじゃ。」
「上古八大姓っていうやつですか?」
「あ、そうそうよく知っておるな。中国のその八大姓というのは、
姜・姫・姚・嬴・姒・妘・嬀・姞
のことを言うんじゃ。いまでも、元を正すと、この8個しか無い。」
「秦の始皇帝、秦王政、が、嬴姓であり、その姓名が、嬴政であると言うのは、そう言う意味なんですね。なるほど。」
「周の王族は、”姫”姓であり、その軍師、太公望の家は、”姜”姓じゃよ。」
「そして、この姓というのは、母系の集団、部族の名前と考えられる。その、古代では、母が子を産み、そして一緒に暮らして、だんだんと集団が大きくなるけど、父親というのは、どこか別の集団からのもの(で、で、どっか行ってしまうことも多かったの)だったと考えて行くと分かり易い。」
「八大姓というのは、たぶん、もともと、黄帝、神農、尭、舜、禹と言った3皇5帝の時代の子孫としての部族ですね。母系集団なのもわかります。」
「それは、もっと遡ると、西の方から、中国大陸まで旅してきて定住するようになったリーダーと付き従ったものたちの主だったものに由来しているのだと思う。妻が8人?」
「現生人類(ホモ・サピエンス)って、2、3万年、せいぜい長くて5万年ほどの歴史ですから、神話ってのも、結構、上古のそのまた、昔からの自分たちの来歴を反映した物語になっているんでしょうねぇ。」
「すごく遡れば、人類は400万年とか、500万年くらい前にアフリカで生まれて、出アフリカ、出エジプトしたものたちの子孫であるというのが定説だしな。」
「シナイ半島を通って、パレスチナから、ヨーロッパやアジア方面に動いた大きな集団は、だいたいで、3回くらいあったと言われているそうですね。」
「ま、そこまで遡れないにしても、何か、西から辛苦艱難乗り越えて、アジアの中国大陸、中原、に住み着いた連中とか、その周辺の部族とか、居たんじゃろうな。」
「”姓”というのは、だから、上古のものは、女偏なんですね。」
「それに対して、”氏”というのは、土地の名前なんじゃよね。」
「男の兄弟が多くて、次男、三男など、別の土地を与えられたり、移住、開墾したりすると、その土地の名前を名乗ったのが、”氏”の始まりと言える。」
「なるほど、熊谷の次郎、直実なら、熊谷地方の次郎であり、諱は、直実というわけですね。」
「日本の氏姓制度は、中国の真似をして、導入したんじゃ。有名なのは、聖徳太子や天智天皇、天武天皇の頃じゃな。」
「なるほど、熊谷次郎直実(くまがいのじろうなおざね)であれば、姓は源、氏は熊谷というわけか・・・。」
「ん!!だから、本当は、源氏ではなくて、源姓というべきなんじゃよね。」
「日本の姓は、真似だから、あんまり数がないんですってね。」
「源・平・藤原・橘の4つのみ、あと豊臣というのがあるが、これは、豊臣秀吉の一家だけで、もう、絶えておる。」
「足利なども、今の栃木県のある一帯の土地名じゃな、3代義満など、中国(当時は明)向けの正式な文書には、源義満と書いている。」
「現代日本は、特に、関東では土地がアイデンティティの坂東武者のそれが強く、父系社会なんで、苗字というと氏ということになってきているな。」
「そのうえ、もう、遺伝的には父系と母系をその”血の濃さ”的な意味で区別する意味がないですよね。」
「古代では、やはり、子は母から生まれるので、母子の結びつきの方がなんとなく強く感じられたりもしたんじゃろうね。」
「古代では、父親なんて、ちゃんとはわからないことは多かったとも思いますしね」
「特に、日本でも西の方は母系社会で、夜這い婚が普通だった。それも、年頃の娘には普通、複数名の男が通うのでな、父親ははっきりとはしない。しかし、いざ結婚となると、娘の側に指名権があったんじゃよね。夜這い婚というのは、そういう割とワイ雑だけど、遺伝的には結構、賢いシステムなんじゃよね」
「生まれた子は、村全体で慈しむというわけですね。そして、指名された男は、まず、拒否しない。というか、村で暮らして行きたければ、拒否はできない。」
「『通うだけ通って、いざとなったら逃げたヤツ』と死ぬまで、というか、死んも、言われ続けますね。昔は、社交範囲、狭いしな。」
「関東はな、土地を開墾して、その土地に根付いた武者社会なのでな、そのような母系集団の結婚とは、また、元々の風習が違ったんじゃな。」
「嫁をきちんと取る、土地に根付く、というわけですね。」
「なので、豪族クラスだと、一夫多妻が普通じゃが、村の農民、まあ、国人・地侍クラスでも、だいたい一夫一婦になる。」
「”鎌倉殿”でも、京都風の頼朝さん(大泉洋)は節操がないけど、伊豆の国人の義時さま(小栗旬)は結構、硬い!」
「ま、妾なら、小栗旬さんと大泉洋さんなら、比べるまでもないけどな!wwwww」
「あ、ゆーたらいかんのになっっw」
「まあ、氏は土地で、男系、姓は母系の集団名、って覚えれば間違いない。」
「なるほど、中国や韓国では、”異姓養わず、同姓娶らず”と言われてきたのは、そういうことなんですね。」
「姓が同じなら、遡ればどこかで母親が同じなので、結婚は避けましょう、姓が違う人は赤の他人なので、養子にしてはいけません、ってことだよね。」
「遺伝的には、賢い考え方でもありますね。」
「動物、頭で考えて避けるからなぁ。。。」
「植物は違うんですか?」
「植物には脳がないからね!その代わり、両全花(同一の花に、おしべも雌しべもあるヤツ)を備えていても、受精、発生の仕組み、システムとして、自分の花粉がくっついても、妊娠を避けるような工夫が進化の中から生まれてきたやつもある。」
「へー!植物の方が、システムの仕組み、より抽象的な構造からその機能を調べるとか、逆にその機能を十全に発揮するにはどのような(抽象的なシステムとしての)構造がより適しているか?という風な研究するには、面白く感じられますね!っw」
「そこは、主観じゃけどな、妾、植物の方が好きじゃな。」
「脳があると、脳でなんでも覚えたり、判断したりしているんじゃないか?って思うと、システムとしての全体の構造とかなんとかどうとかとか、なくてもいいような気がしてくるもんね。」
「脳自体が、システムとして面白いのかもしれんが、複雑すぎて、よくわからん!wwwwwwww」
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