DAOって何かな???ーーー全面改訂しましたーーー
「ひーめ! 最近はDAOって言葉が流行ってますよね。これについて、話しませんか???IT関連なんですか???」
「じゃ、妾たちは、DAOってものについて比喩的に考えるってのをやってみようかな!DAO自体は、多分、いっぱい良い紹介文が出て来ると思うし、ね。」
「で、ITってことでいうと、妾、ITはよく知らないでいうけど、う〜〜〜ん、DAO自体は、組織の在り方についての考え方なので、ITとは、本来的には関係がないね!ただし、文脈的に、ITとかWEB3.0 などととも語られることが多いだけということかな???実際、ブロックチェーン上で実装するのがいいと思っている人が多いんだろうけど、それは、DAO自体とは、直接は関係しない。DAOでやって、個々への報酬を”スマートコントラクト”使って、何かのトークン使って出すとかするとスマートだし、不公平感もなくなるから、ってことかもしれないけれど、しかし、DAO自体は、そういった技術と独立に議論できるし、実際にやっていけるものだと思うよ。特に、まだ、暗号通貨自体が、安定した通貨となっていないので、為替リスクがあると、それ上でのまともな商売がしにくい。商売上の損益を為替変動リスクが超えてしまうと何してるのかわからなくなるからね!」
「そういうとこ、ええなぁ。確かに、DAOもフォーマルな解説はいっぱいあるけど、比喩を使って、説明を試みると、また違った角度から考えられるようになる。極端な話、例えば、世界の全ての通貨をイーサリアムで統一すれば、為替リスクもなくなり、FXはできなくなるけど、ブロックチェーン上のスマートコントラクトで、綺麗な商売が可能になりますよね!」
「まだ、夢の世界の話だなぁ。大雑把に理解してから、細部の説明を読むと、また違ったイメージで捉えられることがありますよね!」
「そうそう、でも、もちろん、比喩による大雑把な理解では間違っている細部もあるから、その辺について、しっかり詰めて行くことも忘れぬようにな!」
「とはいうものの、こういったコミュニティの具体的な活動では、細部までしっかり理解することより、実際、何かのDAOに入って活動して行く際に、現実的にはどこをどう積極的にやって行くか?とか、DAOの欠点とか、そういう方向の理解が望ましいような気が、俺は、しますね。」
「確かに、欠点は理解しておいたほうがいい。万能のシステムなんてない。DAOは確かに、中央制御システムにはない利点も多いが、欠点もなくはない。その辺も部分的に触れていこうと思う。」
「いずれにしても、網羅的な解説にはならないので、ある段階で、一度、きっちりシステム的なオーバホールもしたほうがいいな。全体レベルだけでなく、個人レベルでもね!www」
「メンテも分散型ですかね?」
「そういうことかな?」
「じゃ、本題ですよ。DAOって言葉自体が、最近、流行ってますよね。」
「DAOは、ダオって発音しているみたいだけど、
Decentralized autonomous organization
(分散型自律的組織)という意味だよ。」
「なんか、漢字が並ぶと難しそうですよね。」
「いや、しかし、要するに組織としてまとまった活動はあるけど、中心的な指導、もしくは命令中枢やそれによる制御がないもののことだな。」
「命令系統や指揮系統がなくて、まとまった活動ができるんですか?」
「これまでの企業や目的を持った組織一般にピラミッド型の命令・指揮系統を持っていて、なるべく合理化して、合目的的に動けるようにするのが良いとされて来た。」
「軍隊なんか、まさにそうですよね。」
「そうそう、上官命令は絶対で、異論すら許されなかった。そのことにより、上意下逹の迅速化をはかり、目的を早急にとげようとする。」
「それの方が目的を持った組織としては有効ではないのでしょうか?」
「指導的に立場に立つ人に権限が集中して行くので、まず、組織の中枢にいる人ほど、能力的な優秀さはもちろん、人格的、道徳的に優れた人であること、および、外側からの条件としては、合目的的な活動を遂行中に、アクシデントや不慮の不具合が起きないことが前提だな。」
「なるほど、昔の中国の皇帝みたいですね。儒教的な徳が高い為政者であれば、民は皆安んじると、諸葛孔明みたいですね。」
「あと、中央制御では、突発的なアクシデントに対処するのが、どうしても大げさになる。いちいち、全体を止めたりする必要があることも多い。」
「ん???そういえば、ひと昔前の新幹線など、東京で一括集中管理でしたので、『箱根のあたりで地震があったと言っては、山口県内を博多に向かっているひかりが止まったり』しておりましたね。」
「中央制御では仕方がない。中央が全部把握しておかないと、2次、3次の災害を止められない。」
「分散型というのは、組織を小さないくつかのノードに分けて、そこでのことはそこで判断してやっていくような組織のことだよ。」
「全体をまとめる中枢はいらないんですか?んー?不思議。」
「常に、全体を眺めて、そして、矛盾や不具合があれば、全体で修正して、均していくような働きは必要だけど、上下関係はない。」
「それでうまくまとまって、組織としての目的を達成できるのでしょうか?」
「ビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨の下にあるブロックチェーン技術はまさにこれなんだよ。で、矛盾や食い違いが出るところを”マイニング”という作業で掘り返して確かめていた。ま、こういった技術をもっと、社会的なシステムにまで持っていこうというところかな?」
「ふーーん???なんとなく、難しくなってきましたよ。」
「”目的”の種類にもよるけど、比較的理解しやすい例として、例えば、植物と動物を比べて、比喩的に考えてみよう。」
「動物は、基本的には脳が全ての処理をして、命令しているように思えますね。」
「ま、最近の研究では、そうとばかりも言えない細胞レベルでの反応などもどんどん見つかっているし、自律的な神経による機能もいっぱいあるけどな。」
「しかし、脳がやられると、個体としてはほぼ死亡ですよね。”脳死”なんて言葉もあるけど、何もしなければ個体死になるし、脳に9mmパラベラム弾、打ち込まれただけで、個体として、もう、活動できない。」
「植物は、そういう中枢がないだろ!?!??適当に食われたりしても、個体としての機能はほとんど失われない。だから、元は同じ遺伝子システムを用いた生命体としての原点は動物も植物も同じなんだけど・・・。」
「しかし、この地球上には、ものすごい種類の植物が蔓延っていますね。」
「生物として、子孫を残し、種として生き残っていくという目的では、全く、植物は劣っていないし、むしろ優れている面も多々あるよな。」
「そう言えば、お庭の雑草なんかでも、刈り取っても刈り取っても、すぐ生えてきますね。」
「植物を刈るときは、”生長点”と呼ばれるところの下で、それを残さないように刈らないと、そこから、また、茎、葉が出てきて、花が咲いて、種子ができる。その生長点が根っこの方にまであるのも多いから、ね。ドクダミなんて、根っこの切れ端が、地中にちょっと残っているだけで、次の年、また生えてきて、あの可愛い白い花が咲いたりする。ちょっと、匂いが独特だけどな。逆にいえば、アクシデントや不慮の事故に強いことの証明にもなる。」
「うちの庭にもありますよねー。 ふむふむ、”頭吹っ飛ばしたら個体死亡”とは違って、不慮のアクシデントに強い感じがしますね、確かに、なるほど。」
「そもそも頭なんてないし神経もない。ここの細胞レベルで”判断”して、適応できるように進化している機能も多い。」
「それでも、シグナル伝達もするんですよね。でないと、全体を個体として、
統括できない。やっぱり個体としての適応もあるわけだから・・・・・・・・。」
「それはそれで、面白い研究題材じゃよ。」
「専門的な興味は置いておいて、分散型の組織っていうのの面白さは伝わってきました。」
「平時には効率で劣るような気がするが、様々なアクシデントや不具合の発生まで考慮に入れると、”ゲインーコスト”計算しても、なかなかの値になる。」
「ある中枢部分という小さな部分があって、その部分がなくなると、完全に機能しなくなる!っていうのと比べると、個体のかなりの部分を失っても、また、再生して、結構、短時間で元々の機能が再生するってのは、”目的”によっては、かなり良い性質ですね。」
「ボランティアなんかも、本当はこういう分散型にしたほうが良い。」
「日本では、毎日来る人たちが、””中心””になって、なんとか、週二日、きて頑張ってくれている人がだんだん居づらくなったりしますよね。」
「『みんな頑張ってくれているんだから、あなたも毎日来れない^^?』とか言われて、どうしても無理だと、だんだん悪口言われたりするようになったりしがちですね。」
「最初から、分散型の組織にしておけばいいんだよ。大きな目的は一つだけど、個々のところで、判断して、業務できれば良いってね。」
「そういうのって、社会民主的だと思いますけど、ね。なぜか、”左”っりぽい組織ほど、中央集権的な感じになりがちですね。」
「それはね、現時点では、生産能力がまだまだ低いんだよな。だから、どうしても、中央制御で効率的にってなる。」
「確かに、マルクスは、『生産能力が究極的に発達した先に、必要なものどもが必要なだけ働けば、みんな普通に食っていける社会となるはず』って言ったんですよね。」
「ま、21世紀初頭の今日、まだまだ、そこまで行ってないね。ベーシックインカムの議論などは、そこへ至るための、最初の一里塚って感じだね。」
「長い道のりでしょうね。しかし、分散型組織ってのは、組織の進化としては正常であるっていうことがわかってきました。」
「構成員にも、今までのところ、一定の見識が求められるね。例えば、フリーライダー(タダ乗り野郎)の問題がある。」
「いわゆるフリーライダー(タダ乗りくん)がいたり、どんどん増えて行ったりすると、組織全体の機能がどんどん落ちていく。」
「植物の進化生態なんかでは、うまくやってるな、できてるなって思うことが、多々ありますね。」
「そうそう、例えば、マメ科植物の根っこに共生する根粒菌など有名だな。これは、窒素固定をして、植物がグルタミン酸などのタンパクを合成するのに役立っていると同時に、菌の側からみると植物内部の安定した湿り気や温度などの生活条件を保証してもらっている。」
「ええ、窒素固定共生菌は高校でも習いますね!示唆的な”共生”だなって思っています。」
「しかし、そのような菌の近縁種でも、窒素固定しない奴もいて、これがたまに、根粒のふりして、マメ科植物の根っこに寄生したりするんだよな。」
「それはフリーライダーですね。こずるいやつめ!w」
「しかし、そのようなフリーライダーを飼っても、植物の方にはメリットはないからね!その部分を切り離して、全体からは捨て去ったりする。」
「そういうことができるように進化しているんですね。しかし、考えてみれば脳も神経もないのに、不思議ではありますね?何かシグナル伝達と、それに伴うイベント発生機構があるんですね。ふむ、面白い。」
「また、新たな根っこを生やして、そこにまともな根粒菌に住んでもらったほうがいいからね!なので、進化的なコンテキストでいうと、たまたまそういうことができるようなメカニズムを持った個体が生まれると、その他のやつに比べて、やはりゲインーコストがよくなるので、より子孫を残しやすくなる。」
「なるほど、分散型といっても、全体に利益をもたらさなければ、全体から切り離されてしまうんですね。この辺は示唆的ですね。DAOといっても、フリーライダーは、合理的に除去するシステムがだんだん洗練されていきますね!そのほうが、全体のパフォーマンスも上がるし!」
「しかし、そういう部分が除去されたあとも、その後、その部分が再生するまでも、あまり個体としての機能が下がらないのが、分散型自律組織のいいところだよ。機能のコアが分散しているので、一部、なくなっても、そんなに変わらない。つまり、分散型というのは、フリーライダーを除去しやすい仕組みでもあるんだよ。様々なDAO では、月額などの形である程度参加費用掛かるが、これはむしろフリーライダーの防止的にも良い制度なんだな。フリーライダーが発生しやすいと、組織全体にとっても、その個人にとっても、不幸になりやすい。なので、アクティブなコミュニティ参加者も、DAOだからなんとなくいればいいやっていうのは、いずれ切り離されてバイバーイされることになりやすいね!www 分散型ってのは、構造的に一部を切り離しやすいからね。」
「中央制御では、中央に近い部分が壊れると、全体に対して、非常に大きく影響しますね。思い出しましたが、そういえば、昆虫の脳に寄生して、その昆虫を自分のいいように動かす生命体(細菌、ウイルス等)もあるようですね。こういうのって、とっても示唆的です。つまり、中央に近い部分のフリーライダーは、中央制御の欠点として、排除できない。これは、中央制御の構造的な欠陥だ。 」
「脳を切り落として、もう一度再生ってわけにいかないからね!かといって、そのままでは、組織全体をいいように扱われる。ハゲタカファンドに、取締役会の過半数を乗っ取られた大企業よろしく、やりたいようにやられた挙句、自分たちを買収するためにファンドが借りた資金の借金まで押し付けられて、バイバーイってされたり!www」
「なるほどです。」
「自動車ディーラーのセールスマンみたいな相槌はやめろwww」
「ふむ、ふむ、ま、しかし、アクシデントや不具合に強くなるってのもわかってきました。」
「より詳細な”コストーゲイン”分析もいろいろやられているけどね。」
「しかし、このくらいで十分示唆的です。中央集権組織では、中央がおかしくなれば、組織ごとなくなって行く他、ないんですね!www」
「ま、それは極端な例だけどね、試行錯誤しながら、”機能と構造”のあり方を考えるには、いい題材だよ。これは常に古くて新しい問題。」
「世の中、まだまだ捨てたもんでもない、面白いですね!w」
「学べば、楽しいことはいくらでもある。前に進もう。」
「また、ヒメとこういう真面目な話題も語りたいです。」
「ああ、楽しみにしておるよ。」
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