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「ラ」が言えるようになった話。

わたしは十数年前、声優の養成所へ通っていました。
高卒のまま大学進学を希望していましたが、親からの大学進学の条件は「妹二人の大学卒業」で、でも妹は二人とも大学進学をしないままニートになったため、条件達成ならず。
それなら自分の給料で通える範囲で夢を目指そうと思った結果が、誰にも内緒で養成所に通うこと、でした。親に言えば間違いなく反対されますので。
あの頃はtwitterもまだ知らなかったですし、相談するような人もいなかったので、本当に一人で動いたんですよね。当時の自分にしてはよくやったと思います、仕事もパートで最低賃金すれすれでしたし。

元々やりたかったことは舞台俳優でしたが、あいにくと容姿が特殊すぎて人間の役が難しいため、声だけでなんにでもなれる声優に憧れての入所です。
もちろん簡単なことだとは思っていませんでした。が、思っていた以上にわたしには問題点が多すぎました。

特に目立って悪かった点。
①滑舌が悪い
②姿勢が悪い
③感情を抑制している
④呼吸が浅い
特に③④は衝撃でした。①②は知っていたので。
その中から、今回は①の滑舌のお話をします。

元々声は大きくて、家族にはずっと不快だと言われてきました。今でもしょっちゅう「声が大きい」と注意されます。
なのに養成所では「小さい」と言われました。
③に関わる話ですが、家の外だから無意識に小さくしているのか、通らない声なのか。
あまりにも問題だらけで先生に個別に注意されることもなかったので(視界に入れられてなかったと思う)未だに分かりませんが、数年前片耳の聴力を失った妹にはわたしの声だけがきちんと聞こえるそうなので、聞き取りやすくはあるようです。

そして本題の滑舌。昔から喋りにくいなとは思っていました。それが、具体的に口をどうしたらその音が出るか学ぶことで、「ラ行がまったく発音できない」ということが判明しました。
舌を動かす?
どういうこと?
と。わたしは喋るとき、ほとんど舌が動いてなかったんです。
ラは舌の位置がこの辺、リはこの辺、と言われても、そもそも舌が上顎につかないんです。なんなら下顎でおねんねした状態です。
舌をなるべく使うようにしても、つりそうになったり、その音を出すための動きとしてしっくり来なくて、通っていた3年間ではほとんど変化はありませんでした。
(他の部分に関してはマシにはなっていたと思います、当時は。きちんと意識して使っていたので)
歯並びがひどい上にしゃくれているので、滑舌はそのせいだろうと思ってもいました。実際それもあったと思います。

このことに関して、解明の糸口が見付かったのはつい最近です。
深夜にテレビを流しがら、趣味である手帳を書いていたときのことです。
見ていたのは、2023年1月10日放送の「カズレーザーと学ぶ。」でした。

途中からだったので見たのは後半だけのようなのですが、
最後の「マスクを外さない日本人 顔が激変する呼吸の仕方」というお話が目から鱗でした。

それは、マスクがどうのというよりも、日本人には口呼吸が多いという内容でした。
口呼吸では上下の圧力がかかりにくいので顔が伸びたような印象になる。
  「なってる……!」
他にも、上顎骨の成長に影響が出る、老け顔になる。
そして呼吸の改善により輪郭自体が変化して、まったく別人のようになった子の写真が出ました。
  「マジで!?」
脳にも酸素が足りなくなるそうです。わたしが頭悪いのってそれもあるの……?

まず、鼻で呼吸をしている人は、口が開いていたとしても上顎に舌先がついているそうです。
やってみると、確かに自然と呼吸が口から鼻に切り替わる……!
鼻で呼吸しようとしても苦しくて疲れて、すぐにやめてしまっていましたが、こうやって切り替えると案外大丈夫です。
舌は筋肉不足みたいな疲れ方をしますが、これは慣れだなと思ったので、常に意識するようにしました。
そうしたら、いつの間にか「ラ行」を発音するときに舌が上顎につくようになっていました。
舌先で弾くような動きもできるようになってきて、そこで「もしかしてわたしがラ行を発音できないのは口呼吸だったから?」と思い至りました。
専門家ではないので答えは知りません。(すみません!)
口呼吸を直せという大人も、滑舌を直せという講師の方も、その具体的な方法も因果関係もおっしゃっていませんでした。
まさか十年以上経って糸口が見付かるとは思いませんでした。

中年と呼ばれる年齢まで口呼吸で怠惰に過ごしてきましたので、人並みに呼吸できるようになるにはまだ長い時間が掛かると思います。
(もしかしたら、歯並び自体が口呼吸が原因かもしれないですよね、顎の成長を妨げるわけですし)
でも、喋る度にはっきりしなくてイライラしていた自分の口の中が少しすっきりしたことで、楽しくなってきました。
呼吸の浅さもこれで改善して、酸素が回るようになって頭もすっきりしないかなーと期待しています。
歌うときに「ららら~♪」って歌うこともできなくて結構なストレスでしたが、少し歌えるようになったのも楽しいです。
番組でお話していた歯科医師の山口和巳先生、ありがとうございました。

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