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誠実さは、他人の甘やかしになるのか。

目の前の人に影響を与えることとは、その一番の方法は………、やるべきことをし、規範を守り、率先して他人を助け、質問には応え、他人を尊重する。そういう誠実な(人間として好ましい尊敬できる)姿でいることだと思っていた。

見た人のお手本となり、感化し、ひいては、その誠実さが他人にも受け継がれ、全体で誠実になる。好ましい集団や組織になる。そんな風に考えていた。集団や組織をよくするには、まずは自分が誰より、誠実たれ!と思っていた。結論から書くと、大誤りオオバカだった。

まぁ、人にとやかく言うのは苦手で億劫だし、ルールで縛るのもなんか違うとそう思う方だし。見て感じて学んで、わからなかったら聞いてくれとも言うスタンスやらも、上記方法論を肯定する後押しになっていたと思う。(ルールについては、ルールの必要性に関しての記事参照のこと)

しかし今更ながら、誠実さを貫いてもしょうがないと気づいたので、ここにかいておくこととする。




孔子と韓非

孔子や韓非も、この辺の話をしている。孔子は冒頭の私よりの考えである。徳で人を管理従える、促すみたいな話だ。一方韓非は、それに反対であり、法の支配を説く。

他人を叱責したり罰やルールで管理強制しない分、これ幸いとばかりに相手は怠け、手を抜き続ける。抜き始める。周りから助けられる分、やることが減って楽になったと相手は満足する。もっと手を抜いてさらに楽しようとする。というわけで、誠実さを貫いても自分の負担が増え続けることになるし、相手を堕落させることになる。だから、法の支配、ルールを説く。




どちらも正解で、本質はその人の興味関心や態度にある

あなたは孔子と韓非どちらに賛成だろうか。少し例を出そう。

例えば、あなたの家の家事をしてくれている母親や奥さんや旦那の振る舞いを見て、あなたは彼彼女を尊敬しお手本にして、自分も自然と家事をやるようになっていっただろうか。感化されただろうか。

例えば、休み時間や通勤通学中、熱心に小難しい本を読む人を見て、あなたは私も頑張らねばと感化されただろうか。

例えば、学校の掃除で、てを抜かずにそれどころか工夫して少しでも綺麗にしようとする姿を見て、その工夫はたしかに良い!とその姿勢や技を真似るだろうか。


見出しで答えを書いてしまっていたけれども、孔子も韓非もどちらも正しく、またどちらも誤りである。答えは、その人の関心や興味のある分野や主義、実利に、彼彼女が同じくのっとっているなら、感化され参考にするし。そうでない場合は、気にも留めないか。反対の価値観ならばバカにしたり見下しさえするのだ。

ダメンズ製造器とか、ヒモ製造女とかそんなのも一緒の原理の話だ。あるいは親が子供のことを何でも先回りしてやってあげることで、子供が自分のみの回りのことをできなくなるのも一緒である。





感化影響されることの整理

興味あるスポーツの分野で、選手の言葉やトレーニングやらを真似る。感化される。環境は大事にすべきという思想を共通して持つ人の話を知って、新しい知見を得る。というように自分が興味関心を持つ分野(仲間や同志と思える分野)では、感化されるという現象は起きる。しかし、家事なんてどうでもいいー。勉強なんてどうでもいいー。仕事?言われたことだけやって金もらえればいいー。楽しターイという人には上記の例の答のように、なんの感化も起きない。

また因果が逆のようでもあるが、自分が仲間や友達、ライバル等、同列に見ている相手がなにかをしていると仲間意識や競争意識や、そういう意識の結果として、その行動に感化されることがある。友達が勉強していると、自分もしなきゃと思うわけだ。これも感化されている。付き合う友達は重要である。

最後は実利であり、生存適応の場合だ。アルバイトの初日、新入社員等。うだうだ考えたりいうよりも、とにかく新しい環境に適応して生き延びるために、誰彼の言うことや所作を身につけようとしている時だ。有無を言えない状況だ。




誠実さ問題の現実的整理

では、現実的に我々はどう振る舞うべきなのか。まず、例外的で特殊な三番目は考慮しない。

結論を書くと、興味や関心や価値観が一緒の人であるかどうかをまずの判断基準におくことだ。同じであるならば、ルールを用いるよりも誠実さを用いて互いに良い影響を与えあおう。

もし、価値観がちがうとなれば最低限の共生や秩序のために、その組織や集団やらの方向性と継続期間を見据えて、ルールを決める必要がある。

例えば、同じ部活であったとしてもレベルも違うし。練習方法も皆で話し合うべきとか。目指す目標とか。休みの日までするのか(練習量や熱量)。上下関係のあり方、様々な価値観やら方向性がある。いつかわかってくれるはずだ。話せば理解できるみたいな落とし込みは厳禁である。感化されないままいつか不満がたまった側が爆発する。破綻する。





ルールの決め方について

初対面の男女が無人島につれてこられた(無秩序状態)とかそういう漫画でのお決まりシーンがあると思う。あういうときこそ、ルールを決めなければならない。価値観やらが違うことは自明なのだから。


ルールの決め方、中身。

・その集団の目的を遂行するためのもの。

・その集団の目的遂行までの秩序や、生活基盤を守るもの。

つまり、どこに向かうのかと、向かうために必要なこと、しなければいけないことを明確義務化することと、その向かう道中を安心安全に、いさかいなく進むためのものだ、後は、ルールの性質上、信賞必罰で、誰にでもわかる明確でシンプルな内容がよい。

部活の例ならば、どこを目標にしていてその目標達成のために皆ですることがあるならば、練習時間のノルマを課したり、途中報告会を設けたり。わからないことやらを解決する流れや手順を作ったりだ。

サバイバルの例ならば、生存を目的とした場合、手に入ったものを私有しないとか。男女の痴情のもつれでトラブルになるのだから恋愛禁止とか。寝床を分けて、緊急を除き近づくことすらアウトにするとか。まぁ様々考えられる。




終わりに

ルールは必要ないと心から思っていたのは、あまちゃんだったと思う。ルールがいらない状態がベストであるが、そればかりを目指せるものではないとわかった。

なお、目の前の人に限定しない場合、影響力とは、法(ルール秩序)、お金メリット実利、力(武力)、社会的組織的立場地位、技能技術知識差、カリスマ性、人望人徳人柄、弱み弱点等になる。もっと狡猾的に包括的に狙ったように人を動かそうとするならば、その辺もあわせて戦略立てると良い。また詳しくは別記事で。


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