『キッチンHERO(ヒロ)』誕生まで。 #5

2020/8/16
今回は、起業の向けて準備してきた6W2Hのうち、Whoについてご紹介。

Whoは、イベントなどの主催や、事業で言う主体を明確に意識する。というコトだと理解しています。「そりゃそうでしょ」、と思われそうですが、要は、「責任をとるのは誰か」という点において非常に重要な要素です。

例えば、これまでも、イベント企画をやる、プロジェクトを進める、という
本当に、自分がWho(主催)するなら、適当なことはできませんし(もちろん、主催でなくても適当にはしませんが)、うまくいかなければ自身の責任、問題が起きても全責任は自分がとる、という意識で臨まなければいけません。責任をとる、と言うとネガティブなイメージですが、そういう意味だけでなく、そういう危機意識で臨まないと、成果も得られないと思っています。

今回のキッチンHERO(ヒロ)は、僕と、もう1人の代表、ヒロシ(義理の弟)と事業を行っています。よく、「事業は一人でやった方が良い」、「共同代表はうまくいかない」と聞きますが、基本的には、僕もそう思います。なので、前職から独立してからのプロジェクト、事業などは全て自分が代表となってやってきました。

ただ、今回はヒロシと二人三脚でやっていく、ということを選びました。
理由は2つ。

1つ目は、僕が「料理できないから。」苦笑。
僕は、前述のとおり「いつかは飲食業をやりたい」と思っていましたが、かといって、僕が料理を学んだり、修行したりすることも、全く考えていませんでした。
なぜなら、料理をつくるのは好きじゃないから。笑
学生時代の4年間はスポーツをやっていたこともあり、自炊も積極的に行っていましたが、結局、「焼く」、「炒める」くらいしかせず、確実に他の人がつくった方が美味しいのも間違いなかったので、料理をつくることには全く心動きませんでした。なので、大学でスポーツ引退後、社会人になってからは、一度も自炊はしてきませんでしたし。。。苦笑

一方、食べるのはすんごい好きです。なので、メニュー開発に関しても、僕は、お客さんの立場になって、口を出そうと決めていました。

そういう意味では、誰か料理ができる、僕が客として「旨い!」と言える料理をつくってくれるパートナーが必要でした。それが、ヒロシです。ヒロシは、7年間の飲食業界での修行経験もありましたし、開業までにメニュー開発で何度も料理を食べてきました。
試作品以外でも、夜のmtgでは、夜食をつくってくれて、どれを食べても旨く、そしてヒロシらしいご飯がススムメニュー、味付けがヒロシらしい特徴だったので、そういう面も「ヒロシとやりたい」と想いを加速させたと思います。

※メニュー開発(=What)の流れについては、また追って紹介していきます。

2つ目の理由は、「ヒロシが会社員を辞めて実家に帰ってきたタイミングだった」から。
コレは、単純に、仕事を辞めて体が空いたから、ということではなく、その背景も含めて、「今こそ一緒に事業をしよう。」と決意するキッカケがありました。

昨年、ヒロシのお母さん、僕にとっての義理の母が、ガンの闘病の末に亡くなりました。約3年前にガンが発覚し、約半年前に事実上の余命宣告をされた末に生涯を終えました。

結果的に、僕自身の死生観をより強めることにもなりました。
実は、僕が前職を辞める決意をしたのも、義理の母の病気でした。自分の事故もあり、母の病気もあり、「いまは家族と過ごすとき。仕事にこだわってる場合じゃないな。」と夫婦で話して、東京から神戸に戻ってきました。その後、約1年間、母を病院まで送り迎えして、助手席で世間話をする母を横目に、「この人の1日、1日はとてつもない濃さなんだろうな」と感じていました。
もちろん、死は悲しいことですが、ネガティブな意味以上に、「まだ人生が続く僕たちが、より強く生きていく糧にすべき。」と捉えて前進する強さに生きていると感じています。それが人生を終える人の最後の使命であり、残された人の使命でもあると信じるようになりました。

「より強く」というのは、「自分たちが『こうありたい!』と思う生き方」をし、人生の目標を先送りにしないことだと考えています。だからこそ、「今」行動しようと思っていました。

また、母の死を家族として、長男としてより重く受け止め、前に進もうと決意したに違いない(直接聞いたわけではなく僕がはたから見て感じた)ヒロシが、自身で決意したなら、それ以上強いパートナーはいないな、とも思っています。

後は、サッカーをやってきた共通項もあり、体育会的なノリである(不言実行タイプ)のも、踏み出す一因だったかな。ヒロシは口数は多い方ではないけど、行動で信頼をつくっていうタイプも一緒にやってみたいと思わせてくれました。

だから、開業の1年前の頃に、ヒロシと初めてサシで飲みに行って、「飲食業始めるなら今だと思う。ヒロシが本気でやるなら、二人で一緒にやらないか。」と切り出し、同じ立ち位置、責任も、成果も共有する並列な立場で事業を開始することを決め、次の日から開業の準備をしてきました。

役割分担は明確で、ヒロシが料理、メニューに関わる全てに責任を負い、僕がそれ以外の営業、販促を行う。当然、重なる部分もあるので、そこは対等な立場で議論し、方針・方向を決める。

冒頭に言ったように、責任は二人で負い、成果も二人で分ける。こうして、Whoは決まりました。

「覚悟はよいか。
すべてにおいて、覚悟はよいか。」ーby松下幸之助