ドライブインなみま|小説 中華そば編
魚の鱗が手の甲と腕にあった。それは透明な瘡蓋のようにピタリと皮膚へ貼り付いている。
「手の甲と腕に魚の鱗が付いてますよ。」
レジの前で僕がそう言うと老眼鏡を鼻の先へ乗せた由美子さんが
「え?どこよ?」
と、両腕をコサックダンスみたいにして目を凝らし、まじまじと手の甲や腕を見ているけれど見つけることが出来なかったので、僕は
「ほら、ここと、ここと、ここ。」
と、人差し指で示すと由美子さんは
「ああ、ほんまや。ありがとう。」
と、笑いながら鱗を剥がしていく。それは