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小さな生活の声 仕事と恋愛と承認欲求と (ななみん)

たわいない会話をひたすら載せる「小さな生活の声」。今回は学生時代の友人ななみんと。恋愛においては自由奔放だけど、仕事に対しては真面目すぎるほどに向き合う女の子。

「“女の子”だから口説いてる」みたいな人に出会いたい

ななみん:ねえ聞いて!マッチングアプリの人とデートしたの!

奈都樹:お!どうだった?

ななみん:飲みに行ったあと、ホテルに泊まったんだけど、何にもないまま終わっちゃったの。なんだこれ、って思って。

奈都樹:え、いいじゃん!(笑)ななみんは嫌なの?

ななみん:私はいいんだけど、「それでいいんですか……?」って思ってさ(笑)

奈都樹:なんでよ!(笑) デートは楽しかった?

ななみん:楽しかった! 初めてのデートだったのに友達みたいにしゃべれてさー。

奈都樹:へえ、相性良さそうじゃん!

ななみん:でも私はそれを求めてないんだよね。。

奈都樹:え? どういうこと?

ななみん:好きな人と出会いたいわけでもなくて。付き合いたいとも思ってないし……。なんか嫌な女って思われちゃうかもしれないけど、口説かれて自己肯定感を上げたいの。

奈都樹:なるほどね〜〜。でもさ、ななみんが気づいてないだけで、その相手はななみんのこと異性として見てたと思うよ。

ななみん:いや、ないでしょ〜。

奈都樹:じゃないとホテルなんて行かないよ!

ななみん:いや、絶対ないよ。楽しく喋れる異性の友達はたくさんいるけど、ドキドキする相手ってなかなか出会えないんだよな〜。「この人私のこと狙ってる……!」って思うようなことって久しくないんだよね。なんていうかなあ、私だから狙ってるんじゃなくて「女の子だから口説いてる」みたいな人に出会いたい。もっと雄っぽい感じっていうかな。そのマッチングアプリの彼は顔もタイプだし、めちゃくちゃいい人だし。でも「友達」なんだよなあ……。

奈都樹:その人には雄っぽさみたいなものがなかったんだ。マッチングアプリの彼とはこれからどうなっていきたいの? 

ななみん:その彼とはこれからも遊びたいし、純粋な友達のままでいたいんだけど、なかなかそうならないから難しいよね。「好き」であるかどうかは別として「異性」としてはみてるかもしれないし。そうなると友達ってわけにはいかなくなってくる。

奈都樹:ななみんは「この人、私のこと友達として見てないのかも」って思うタイミングっていつ?

ななみん:一線越えたあたりからかな……。何年も前から仲良かった男友達がいたんだけど、そういう関係になって。それからその人に異性として見られてることが急に嫌になっちゃって、「本当の意味での友達ではなくなっちゃうんだな」って気づいたんだよね。それまでも、友達としていい関係が築けてたのにって思うと、本当に後悔……。

奈都樹:うん。

ななみん:でも、やっぱり誰かにチヤホヤされたいって気持ちは強いんだよね。最近色んな人からチヤホヤしてもらえるようになったからか、「あ、楽しい…!」って気づいちゃってさ。誘ってもらったりすると自己肯定感が上がる。だからさ、こないだやってた、マッチングアプリのドラマ(『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』)の主人公の気持ちめっちゃわかる。


仕事を始めたことで生まれた承認欲求

奈都樹:ななみんはさ、私からみたら仕事もプライベートも充実してるように見えるけど、いつも何かを求めてる感じがするんだよね。その感じって、高校時代のななみんにはなかった気がする。

ななみん:仕事を始めたことが影響してるかも。それこそ承認欲求。例えば、仕事で「私がいなくても成り立つんだな」って思うことがあると落ち込んじゃうんだよね……そうすると男の人から口説かれたくなる(笑)。

奈都樹:ああ、わかるかも……。承認欲求って恋愛とか仕事とか全部イコールしてるんだよね。自己肯定感が低くなってるからかもしれないけど、自分の存在が誰かに必要とされてるってわかるとそれだけで生きる活力になるっていうかさ。逆にどっちかが上手くいかなくなっただけで、気持ちが不安的になってきたりして。どんな場所でも承認欲求みたいなものが生まれるなって。

ななみん:そうだね。新卒で入った会社でも、自分がやった仕事が認められてないってことがすごい辛かった。私がその仕事をやることで、マイナスにもプラスにもならない。だから、怒られもしないんだよね。その会社にとっての私の存在意義がわからなくてよく泣いてた。

奈都樹:あのとき辛そうだったよね。新卒で入った会社はどれくらいできついなって思ったの?

ななみん:もう半年もしないぐらいかな。あんまり新卒が入ったことがない部署だったから上司もどう扱ったらいいかわからない感じで。直属の上司は「まずは自分で考えろ」ってスタンスで。私もやってみるんだけど、上司からはそれに対するレスポンスがなくて。わたしも聞かなかったのが悪かったんだけどね。結局1年ぐらいで辞めちゃって。もし上司ともうまくやってたら、もっと長く働いてたかも。

奈都樹:ななみんも頑張ってたからこそ余計に辛かったんだろうね。無になって淡々とやる感じにはなれなかったんだ。

ななみん:そうできたら良かったんだけど、新卒で入った初めての会社だったからなんか役に立たなきゃって気持ちがあって。やりがいも見つけなきゃって無駄に責任を感じちゃったんだよね。

奈都樹:役に立ってないって思うと辛くなってくるよね。

ななみん:役に立とうと思って動いてみるんだけど、それが空回りしてた。何か提案したら、先輩たちは「やってみたら」って言ってくれるけどあんまり乗り気じゃない感じで。でも、入社一年目の自分だけではできないから、結局先輩たちに協力してもらわなきゃいけなくて。それに対して、自分も罪悪感があったしすごくしんどかった。今思えば、私みたいなペーペーが「こういうのやりたい!」って言ったところで、先輩たちが「いいね!やろ!」って言ってくれるなんて早々ないんだけど、当時の自分にはかなり心にきちゃって……。どうしたらいいのかわからなくなっちゃった。

奈都樹:その上司とはコミュニケーション取れてたの?

ななみん:全く。2人だけの部署だったのに、何してもメッセージで連絡がくる感じだった。話しかけるにも緊張しすぎて言うことをメモに書いてたぐらい。何に対しても「ななみんはどう思う?」って聞いてくる人だったの(笑)。私に考えさせたいからってことは十分わかるんだけど、新卒だから考える土台もなくて。聞かれたらわからないからテンパっちゃうし、何も出てこない自分にも落ち込んだ。そんな自分のことも嫌になっちゃって。だから、コミュニケーション取ることから逃げちゃった自分もいたんだよね。

奈都樹:それは辛いね。できない自分が不甲斐ないって思っちゃったりね。私も派遣先の会社で、まさに同じような境遇だったことがあって。ななみんと同じことを思ってた。でもさ、こういう悩みって理解されにくいよね。本人にとってはすごい辛いことでも、周りからは辞めるに相当しない悩みだって思われちゃうというか……ななみんも最初に入った会社だし、「最低三年は働かなきゃ!」って気持ちもあったと思うし。

ななみん:うん。「そんなことでやめるなんてもったいない」っていう人も結構いた。会社の人事からもめちゃくちゃ止められたし。両親にも理解してもらえなくて、すごく孤独に感じて。でも、やりたいことが見つかって、新しい道が明確に見つかったから、辞めるってはっきり決断ができた。

奈都樹:友達とか彼氏からはなんて言われてたの?

ななみん:みんな賛成してくれた。私がしんどそうにしてたからだろうね。これは私たち世代だからってこともあるだろうけど辞めることにあんまり懐疑的じゃない。あとは、辞めてから同期に転職のことをすっごい相談されるようになった。私は退職第一号だったから(笑)。ちょっと上からな言い方になっちゃうけど「怖がらずに行っちゃって大丈夫だよ!」って思う。辞めるまではしんどかったけど、次に進むって決めたら意外と上手くいくこともあったから。

奈都樹:そうだね。

ななみん:あとは、会社辞める時に、先輩から「人生って仕事だけじゃないから」って言われて。それがきっかけで、「土日はちゃんと休もう」って思えて気持ちが楽になった。今まで気合い入れすぎてたんだよね。今の仕事はしんどい時もあるけどすっごい楽しい。この道を選択をしてよかったなって思う。

恋愛のこと、仕事のこと、家族のことなんでもOKです。話したいことがある人、ご連絡お待ちしております。話を聞くだけなので、アドバイスは全くできません。なお、名前はすべて匿名とさせていただきます。

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