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小さな生活の声 社会人5年目っていろいろ見えてくる (ロネちゃん)

かなり唐突ですが、友人との話を「小さな生活の声」というマガジンにまとめていきます。本当にたわいない会話をここに載せていきます。1回目は某ベンチャー企業で働く友人・ロネちゃん。

社会人は「大人」なのか

奈都樹:私たちって仕事の話をすることが多くなったけどさ、そうなったのって入社してから結構経ってからだったよね。それまではあんまり仕事の話するって感じでもなかったから、ロネちゃんが初めて話してくれた時びっくりした。

ロネ:社員旅行のやつからかな。超大型台風が上陸するっていうのに、無理矢理行かされたやつ。

奈都樹:ああ、そうそう!

ロネ:窓ガラスが割れるレベルの巨大台風が来るって言われてたタイミングでさ。ほとんどの会社が自宅で仕事させてるなかで、社長は半分意地になって「絶対旅行に行く!」って感じで。なんで私たちはこんな危険に晒されながら旅行に行かなきゃいけないんだろうって思って……キツかったな。しかも、社長としてはさ「自分は社員にこんなにしてあげた」って気持ちもあるから、その見返りが合わないと怒ったりするし。

奈都樹:今聞いてもそれは辛い……。そういえば、こないだ有給取れなくなったって連絡あったけど、あれは何だったの?

ロネ:社長と社員のトラブルで会社の雰囲気が悪くなっちゃって。

奈都樹:ん?

ロネ:社長のことを嫌ってた元社員と、社長と仲が良かった社員がプライベートで会ってたみたいなの。それを知った社長が「あいつも俺の悪口言ってるんだ」って不機嫌になっちゃってさ。これで私が有給取るとか言ったら、私もなんて思われるかわからないから言えなくてさー。

奈都樹:なるほどね。その社長の機嫌を伺うの大変だね。

ロネ:こういうことが何回もあるからね。あの旅行の一件まではさ、悪口言わないように意識してたんだよ。言い始めると止まらないじゃん。余計に嫌いになってくし。口に出すと自分がそう思ってたってことを明確に自覚しちゃって、拒否反応を示す気がしてさ。でもその旅行に行きながら思ったんだよね。「これはさすがにネタにするしかないわ!」って。

奈都樹:ロネちゃんはさ、ヘビーな話題も明るく跳ね返すところが頼もしいよ。。誰も別に嫌いになりたいわけじゃないよね。なんなら好きになりたいぐらいで。しかも、ネガティブな話って誰かに言い出したら溢れ出しちゃうもんだよね。

ロネ:うん。会社には社長を嫌いな派閥もあるんだけどそこにも入りたくなくて。結局私たちはその人の下で働いてるわけだし、愚痴言ってたらどんどん辛くなるじゃん。だからもう割り切ることにしたな。会社の人とも仕事以上に深く関わらないほうが、上手くやっていけるって思う。

奈都樹:うん。その社長も言われるようなことをしてる自覚があるからこそ気にしてるのかな。

ロネ:そうなのかもね。でもね、仕事面では社長のこと全然嫌ではないんだよ!社長の指摘してること自体はわからなくもなくて。だから仕事してて強く違和感を抱くことはあんまりないんだよね。

奈都樹:そうなんだ。

ロネ:本当にそれ以外の面がね……。まあでも、ご時世的に忘年会とかやりずらくなったし、それもあってか去年は辞める人が少なかった気がする(笑)。

奈都樹:なんかさこういう話するのも、遊びまくってた大学時代からは考えられないよね。大学時代と仕事をしてる今、比べてどう思う? 

ロネ:仕事は仲のいい友達だけじゃないからね。世代も育ってきた環境もぜんぜん違う人と関わるから、人として成長した気がする。

奈都樹:そっか。てか私たちって社会人になってからもう5年目に入ってるんだよね……。

ロネ:毎回それ話してるよね(笑)。働くようになってからの心境の変化ってすごいよね。なかにはちゃんと自立した大学生もいると思うけど、大体は社会人になってから“仕事”ってこういうものなんだって初めて気づいたりするじゃん。さっきも言ったけど、好き嫌い関係なくいろんな人と関わっていかなきゃいけないし。

奈都樹:うん。あと、自立するってことがいかに大変かって気づくよね。一人暮らし始めて思うけど、やっぱ普通の生活を送るって大変だなって。友達と外食しにいく予定ができたら、その日に向けて一生懸命節約したりするし。そういうことって、自分が学生の時には気づかなかったことだね。

ロネ:そうだよね。働く事でいろんなことに気付かされる。それでもうひとつ気づいたのが、大学時代に合コンした人たちが、いかに当時の私たちを本気の相手として見てなかったかってこと!

奈都樹:確かに……。なぜか30代の男の人と合コンすること多かったよね。ロネちゃんはそういう男の人が近寄ってきても懐疑的に見てたけど、私はさビシッとスーツ着てる姿見て「かっこいい〜」ってなってた(笑)。なんか輝いて見えるんだよね、何なんだろうあれは。余裕があるように見えるというか。同級生にはない雰囲気が刺激的だったのかな。

ロネ:実際その人たちが「余裕がある大人」なのかはわかんないんだよね。果たしてそういう人が大学生と合コンするのかっていう。

奈都樹:あの人たちの中で「大学生の女の子と遊ぶ」ってことに意味があったんだろうな。私もどこかで自分の若さを自信にしてた気がする。もっと自信にするべきところは他にあったはずなのにね。でさ、実際デートすると「遊び」って感覚ではなくなってきちゃうし、やっぱ相手のことを信じたくなってくるわけなんだよね。それも相手は気づいてるはずで。それで、面倒になってくると距離置いてきたりしてね。

ロネ:そういう大人たちは、大学生の子を下に見てる気がする。もちろん全員がってわけじゃないけど、でもやっぱり“本気で付き合う相手ではない”ってことを前提に接してる人がほとんどだったよね。仕事をするようになって社会が少しずつわかるようになってきて、改めてそのヤバさに気付かされる。

会社でうまくやっていくコツってなに

奈都樹:会社の話に戻るけど、ロネちゃんは何で今の会社続けてこれたと思う? 私たち世代は、良くも悪くも「会社を辞める」ことに対してハードルが低くなってるじゃん。ロネちゃんも辞めたい時もあったと思うし、会社の同期で辞めていった人もいたと思うんだけど。それでも続けていられてるって、なんでなんだと思う?

ロネ:確かに今までバイトは全然続かなかったんだけど、この会社は唯一続けてられてるね。なんだろう……部署が変わったりして、仕事の内容が変わると飽きないし楽しいんだよね。仕事も切羽詰まりそうだと調整してくれたりするし。与えられてもできなそうな仕事は断ったりもしやすくて、「その人ができる以上のことはやらせない」みたいなスタンスが私にはすごく合うんだと思う。あとは、出社時間も遅いし、定時で大体上がれるし、会社全体がゆるい感じもいいんだよね。

奈都樹:そうなんだ。でもさ、仕事を断ったりするのって不安にならない? 

ロネ:うーん……でも考えてみると、自分ができることしかしないから長く働けてるのかもしれない。いい意味で気を抜こうって思ったり、そういうバランスは重要かも。

奈都樹:それはまさにそうだね。一生懸命やりすぎると、何か指摘されたり、認められなかったりしたときにモチベーションが下がったりするしね。

ロネ:びっくりするぐらい、日々やらなきゃいけないことって変わるじゃん。例えば、これを最優先でやってって言われたことが、1週間後には優先事項じゃなくなってたりする。会社のルールが周りの雰囲気次第で自然と変わっていくこともある。矛盾してるなって思うこともあるけど、その変化に柔軟に合わせていけるとストレスが溜まりにくくなるのかも。私の会社は、午前中にやれって言われたことが、午後には変わってたりするんだけど(笑)。 それに違和感持つ人はすぐ辞めていっちゃうね。

奈都樹:うん。私もそういう頑固なところあるから、辞めて行っちゃう人の気持ちもなんとなくわかるなあ。

ロネ:あとはやっぱ人間関係だよね。私の会社でいう“やばい人”っていうのが社長じゃなくて上司だったら辞めてたかも。その人の指示を受けて仕事したくないなとか思ってたかもしれない。

奈都樹:なるほどね。

ロネ:今の会社はわりとみんな年齢が近いこともよくて。上司といえど30代とかだし。リーダーから高圧的に言われることもない。やっぱり仕事の内容が好きだってことも大事だけど、周りにいる同僚とか上司がすごくいい人ってことが仕事を続けられる大前提にあるんだと思う。


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