一生懸命真面目にふざける
僕が勝手に恩師だと思っている、桑原貞雄さんから養成所時代に教わった言葉。
一生懸命真面目にふざけましょう。
この言葉を胸に、23才でこの世界に飛び込んでから14年、ずっと真面目にふざけ続けています。
先日、サンシャイン池崎単独ギャラクシー第七撃「サンシャイン・ラプソディ」が終演しました。
年に一度の単独ギャラクシー(めんどくさいので、以後単独ライブと書きます)も今年で7回目。
7年連続で、一生懸命真面目にふざけきった自信があります。ライブタイトルからフライヤーからネタの中身からカーテンコールから、終演のナレーションから、何から何までふざけました。全てです。
一番好きなフライヤーは、今回のサンシャイン・ラプソディでしょうか。アウトイケザキも好きですね。登場人物全員池崎。そりゃそうです。単独ライブですから。
一番好きなタイトルは、池崎の名は。です。
池崎の名は池崎です。
今回のギャラクシーにおいては、こんなことがありました。
台風で日本中が家で大人しくしていた日の朝9時、電話がきました。電話の主がこう言いました。
四谷着いたぜ!
前日に打ち合わせしようと言ってはいたものの、ニュースなどから判断して、中止の電話だと思った僕はびっくりしました。
こいつまじで来たな・・・誰もいない四谷の街に立つ男を観てそう思いました。
とにかくどこの店も閉店。嵐の中おっさん二人でびちょぬれになりながら、彷徨うもどこも入れず。結局、駐車場に停めてある黄色い車の中で37と38のおっさんが自販機で買ったコーヒー片手にネタ作り。
その時にできたコントのタイトルが『屁こき糞太郎のオーナライトニッポン』
実は、去年の単独から屁とオナラだけでネタを一本作ろうと話していたのですが、納得いくネタにならずに持ち越していたオナラネタ。台風の日に完成しました。
ラジオDJの屁こき糞太郎がケツナーの相談に乗るコーナー。
そのセリフが
私は16歳の女子高生です。先日、吹奏楽部の部長とデートに行くことができました。私は、部長との距離を縮めたいと思って、初デートでへをこく事を決意していました。
デート当日。待ち合わせ場所に現れた部長に思いっきりへをかましました。するとその時です。勢い余って実が出ました。バレたかなと思って部長の方を見ると、、
その時です。年上で大人の部長が、今のはレの音だったね。と優しい冗談を言ってくれたのですが・・・
私は、いえ!今のは実の音です!と自白してしまいました。すると彼は、ミの音だったんだ!いえ!実の音です!と念押ししてしまいました。
糞太郎さん。相手との距離を縮めたい時は、初デートのどのタイミングでへをこいたらいいのでしょうか・・・?
このくだりを暴風雨の中おっさん二人で考えて、腹がよじれるほど笑い、満足して彼は本格的に台風が来る前に帰って行きました。
単独ライブにおいてここ2年では45分を超える演劇的なコントをやっています。僕らはなんとなくですが、池崎劇団と呼んでいます。
この池崎劇団がとにかく、面白くて仕方がありません。僕なんて唯一稽古を正面から見ている人間ですが、何十回見ても腹筋が吊るほど笑ってしまいます。
この劇団の現場では人生でもう二度と言わないであろうフレーズが飛び交います。
「お盆とマグマが戦って、最終的にマグマが勝った感じでお盆を吹き飛ばしてください!」
「鎌鼬が見えてるから、死ぬ気で鎌鼬隠して!」
「ジャイロボーラーステューデントいいねぇ。」
「クールポコの撃ち合いも良かったですね。」
「ボールボーイが内臓から取り出したボールはゆっくり見せようか!それ以外は素早く!」
などなど
世間では35を超えたら管理職です。そんな状態のおっさんが、20代の若手を集めてコロコロコミックみたいなことを真剣にやっている。それをサポートしている自分。そんな素敵な人生を送れていることに大満足です。
適当にふざけても何も面白くありません。その適当さはお客さんに絶対に伝わります。
逆に、一生懸命真面目に頑張ってふざけたものも、絶対にお客さんに伝わると思っています。
僕は単独ギャラクシーを文化祭だと思っています。準備は大変で辛いけど、それも楽しくて仕方ない。
稽古場にいた後輩たち(僕からしたら元生徒たち)が、「こいつら、目を真っ赤にして寝不足になりながら、何してるんだろう?でもなんかいいな。」
そんな風に思ってくれてたら、嬉しいです。
来年も楽しみです。
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