きのホ。の『コネクト』めっちゃ好き

友「きのホ。の曲の中でどれが一番好き?」
私「コネクトかな」
友「えっ?」
私「えっ?」

えっ?

これが一年前、2022年夏のTIFできのホ。に出会い、ぬるっと楽曲を聴いていた頃に、先にハマった友人(ご存知の方用の注釈:透子さん)と話していた時のこと。

先日、きのホ。の好きな楽曲投票があり、自分の好きな曲を3曲選ぶ機会があったので、改めて考えてみました。

1️⃣ DANGER!
2️⃣ コネクト
3️⃣ 泣きのPower

きのホ。好きな曲ランキング きたむら編

小清水美里さんのオタクすぎ。というかこの辺が好きだから美里ちゃんのオタクになってるまである。たとえ美里ちゃんが振り付けやってなかったとしてもコネクトと泣きのPowerのこと好きだと思う。

コネクト。リビングデッドアルバムより前で一番好きな曲です。

良い曲~~~!

言葉遊び的な歌詞も、追いかけていって重なるような声も、楽しい。
けどこの重なる感じが現場にハマらないのかもしれないな。クゥ~!

と思いつつ、現場で初コネクトを見まして。

良い曲すぎる!!!
現場との相性めたくた良いのですが~!? かわいいし掛け合いあるし、美里ちゃんの歌い出しめっちゃ気持ちいい。音源よりずっとうまくなってる~!

何より歌詞が好き。
寄せては返す諦観の念。

夢があって、日常に紛れて、やや諦めて、それでもやっぱり逃げきれない夢があって、それが繰り返し繰り返しやってくる。

夢を歌う曲も夢を諦める曲もこの世にはあるけど、それが日常のなかで深刻でなさそうな顔をして交互にくる感じがやけに実感に近くて、あまり出会ったことのないタイプの曲だなと思います。
ハンサムケンヤさんが一度メジャーで音楽やって、サラリーマンやって、その合間に曲作ってるという背景があると聞くとなんかそのリアルさを感じるのは間違っていない気がしている。

すごく好きな曲です。



【ここからオタクの話】

夜空に消えていった 私のデイドリーム
この世界 複雑で嫌気がさすよ

この歌詞を聞くと思い浮かべる景色があります。夜空。そりゃそう。ちゃんと言うと、終電で着いた最寄り駅から家までに見える星空。もっと言えば自分が23とか24歳の時に見上げた夜空。
もしかすると会社の送別会からの帰り道で見た3月の寒空。

無謀なことも、向いてないことも分かっていてそれでも飛び込んで、三年勤めてやっぱりダメだった映像会社の制作部の仕事。
映像をつくる上でクリエイターたちが専門職に専念出来るよう他のやらねばならないあらゆることをやる仕事。よく気がつきよく動き、人付き合いがよく根回しが得意で寝なくても平気な人に向いている仕事。
はっきり言って一つも適正がなかったけど、私はどうしても何かをつくる仕事がしたかった。ものづくりの場なら、自分が自分でい続けられるんじゃないかという希望みたいなものが多分あった。
映像を専門に勉強したわけでもない自分を拾ってくれた会社は、倫理観と清潔感が息をしてないところと情に厚く創造的なところを独特なバランスで持っていた会社で、目眩がするほど気持ち悪いこともあったけど、自分の送別会の挨拶で私は寂しくてちょっと泣いた。

明るい曲調にやるせなさが乗った歌詞を、美里ちゃんが伸びやかに歌い上げる曲の頭で、私はその頃の、潔癖さをちょっとずつ諦めながら歩いた夜空を思い出す。

会社を辞める時、映像の仕事からは離れようと決めた。映像をやるんなら辞めずに頑張ればいいのを、諦めるわけなので。
夢といえば夢だったので、挫折といえば挫折だったのかもしれない。

次の仕事は全く決まっていなくて、ぼんやりと、残業のない、趣味の時間をとれる仕事にすべきなんだろうなと考えていた。
「もう余生だな」と思いながら将来を考えていたので、後のパートの歌詞も笑ってしまうぐらい身に染みる。

綺麗なものに囲まれて
リタイアードライフ
その時々笑えればそれでいいや

余談だけど綺麗なものに囲まれた過ぎて、当時好きだった(今も好き)アクセサリーブランドの着彩のアルバイトを半年やるなどもした。

将来への漠然とした不安は仕事をしていた時も辞めてからもあって、けどそれについて四六時中考えていられるわけもなく、日常の中に散らされてうやむやになっていく。風呂に入って寝て忘れる。明るい思考停止。
私は寝て忘れるのが本当に得意なのでなおのこと日々をこなすのが上手くて、それで新人が2ヶ月で辞めていくような会社でも3年続いてたんだよなぁと思ったりもする。

揺るがないこのコネクト
忘れない感情コレクト
手に職を否アバウト
ストレスをもっとアウトプット
届かない想いをカット
八年は履いてるこのスウェット
どこまでいってもまだチャイルド
いつまでもまだなにも
背負いたくないよ

その後にくるこのサビの歌詞は、ちょっと涙腺にくる。これだけ虚しさとその場しのぎを歌った後に「揺るがないこのコネクト」を挟んでくるんだ。

結論、私は今、映像をつくる仕事をしてます。結局離れられなかった。ただ、制作職ではなくクリエイター職でやっていこうと一年専門に通って(学校法人ではないので肩書きはバリバリの無職)(ドデカ寄り道)、ようやく、なんとか、転職して今の会社に入って3年経とうとしています。
新卒の時とかはクレジットに名前が載りたいとか思っていたけど、今は目の前の仕事がちゃんと出来るようになりたい、と“夢”は揉まれて小さく現実的なものになりながら、それでも今も私がいたかった世界と私は「繋がってる」。

いわゆる“夢のある仕事”とかっていうのは、この世のあらゆる仕事と同様に結局は日常の積み重ねで、日々削れ、小さく丸くなり、それでもその中で、私は自分の仕事で得られた喜びを墓まで持っていく。けどそのありがたみを忘れて明日も仕事なのにダラダラ今AM5時まで起きてしまっている。日常。この繰り返し。

明日には(もう今日だけど)、出社して昨日書き出した連番のチェックをして、気になるところを修正したらミーティングの時間。データのパスを送ってFBをもらう。待ちの間に納会の抽選の景品の準備をしなくちゃいけない。あと3日働いたら冬期休暇。

仕事だ。普通に。クリエイターとかデザイナーとか音の響きはカッコいいかもしれんが、タスクがありスケジュールがあり雑務がある。
けど、いつかは私のつくったものが誰かに届く。
100年後には残らないだろうけど、まあそれでいい。生きてる間、私が覚えておけば。

そんな諦観の繰り返しの先、手放せなかった何かが、キラキラしているかもしれない未来に細く繋がっている。

そういう情景が、前後左右に跳ねるメンバーの合間から感じ取れたりも、する。
良い曲。歌詞全行刺さる。8年履いてたスウェット以外全部ある。めっちゃ好き。


いつか現場でコネクトで泣くオタクになってるかもしれん。嫌すぎる。
そして朝になっており、本当にマズイ。
10分後に目覚ましが鳴っちゃうよ。




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