2023年資産運用成績

作成 2023/2/04
9月分更新


はじめに

私の運用成績を公開しています。
相対値で記述してなるべく比較・一般化しやすいようにしていますが、そもそも自分用の記録を転記しているだけで参考になるかは分かりません。
また商品・運用を推奨するものでもありません。
投資は自己責任です。
それでもよろしければご覧ください。

運用方針

投資家は誰でも推しの投資スタイルがある。
私にとってそれはインデックス投資を基礎としながらも、株を中心としたリスク資産と、現金などの無リスク資産の比率操作によるリスク制御である。
このインデックス投資は去年と同じだが、今年はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以降オルカンと表記)をよりメインにしたインデックス投資に少し変更した。
新ポートフォリオは、計20%の現金及び調整枠、60%の基盤枠としてオルカン、そして残り20%の挑戦枠は後述する。
これを基本ポートフォリオとしている。

そしてオルカン基準価額が20%下落するごとに現金枠の10%を調整枠に移してオルカンを追加購入する。こうすることでー40%の下落までオルカンを買い足して対応する。
-20%で買い足した調整枠は元値の+20%で、-40%まで買い足したときは+20%と+40%で売却する。
ちなみにこれら20%等の数字に根拠はない。雰囲気だ。私は雰囲気で投資をしている。
例外的に大幅な下落を予測したときにリスク割合を下げる事もあるが、余りしないようにしている。これは自分の市場予測を信じていないからだ。
次に挑戦枠について。これはオルカンをアウトパフォームするためだ。
20%現金を持っているのでこのままではどうしてもオルカンに対してアンダーパフォームしてしまう。それに機械的に動かす枠だけではなくもっと自分の好きに動かしたいという、いうなれば趣味枠だ。
ここでオルカンに対して20%以上アウトパフォームできれば全体の成績はオルカンに等しくなる。
ただし、このような小細工をせずに全額オルカンガチホが最良だと思う。
それでもこうするのは3つ理由がある。
1つ、下落したときにやるべきことがある方が落ち着いて対応できる。
2つ、基準価額が下落すればリスク割合が減少し、リスク過少になってしまう。
3つ、暇になると余計な売買をやりたくなるのでそれを防ぐために作業を用意している。

そして自身の成績評価として目標指標(オルカン)と年間損益率の差を算出している。
これが上回れば良い、逆なら悪いパフォーマンスと評価する。

運用成績

全期間成績


2020年、2021年の成績は-20%超と大負けだった。
2020年途中からインデックス運用を始めるまでレバレッジETFなどで損失を出していたことも大きい。
2021年は表面利益率に満足して全体から見ると低成績であることに気付かなかった。
2021年末頃からとある投資コミュニティーに出会い、それまでの書籍を使って学ぶ方法から時事ニュースなどを積極的に収集するようになった。
それによって機動性は上がったが、無駄なポトフォ変更で効率性は下がった気がする。言い換えると勝率は上がったがシャープレシオが下がった、かもしれない。
また2021年以前は下落を恐れてリスク割合が低すぎた。その反省からリスク割合を増やした新しいポートフォリオ、先述したものを組んだ。
2022年は投資環境の悪化によって赤字にこそなったものの運よく成績は上回ることができた。

2023年成績

1月感想
前回のポートフォリオから新しいポートフォリオへと移行した。それでも完ぺきではないがおおよそ誤差は大きくないと思う。
なぜか市場が強気一色で大きな上昇があった。
現在挑戦枠は米国債を保有しているが、こちらは横ばいだった。
そのためオルカンに対して成績は下回り、幸先悪い新年となってしまった。
ただ市場が思う年内利下げには懐疑的で、想定するシナリオとしては労働市場が崩れて経済が冷え込みリセッションを経て年末に回復するもの。或いは労働市場が崩れずに軽いリセッションを経て高金利環境で経済成長するものである。
このうちできれば労働市場が崩れて深刻なリセッションに陥った上で再成長をして欲しいと思う。
それが健全な経済の新陳代謝であり、しっかりと腰を落さずに高く飛べないのと同じ事だからだ。

2月感想
成績が-2%近く悪かった。
原因としては債権以外になく、金利高による下落が株高の足を引っ張った形だ。
経済指標が好調だったため、米国債金利が上昇した。それは損失とはなったが、むしろこのまま金利が上がって4.5%まで上がってくれればポートフォリオに反するが現金枠を減らして調整枠を広げる予定だ。
予想以上に経済指標が好調ではあったが、結果的にはインフレが急速に収束することはないというこれまでの予想に従った形に過ぎない。
インフレは市場が恐れるほど再加速をしないが、期待するほど減速もせずに徐々に上下にブレつつ収束するという予測はまだ維持している。
そして金利が下がるのが今年の後半であれば私の勝ちと言え、それ以降であれば機会損失となるため負けと言えるだろう。

3月感想
指標は若干下落したがそれ以上に下がった。
原因は銀行セクターのレバETFを現金枠10%で購入し損失2%程を出したからだ。
逆算すれば黒字になっていたと思う。
SVBから火がついた信用危機に対して、米国政府の国債を担保にした貸し付け支援策で収まると判断した。
緊急的に現金枠10%を使用した取り組みだったが結果は損切りラインに到達しての撤退という明確な失敗となってしまった。
振り返ればなにか売買しなければという発作的な行動だったことが大きな原因だったと思う。
3月は投資全般へのリソース投入が減り活動が低調だったため関心も低下していた時期だった。
そこで何故か沸いた半ば捨て鉢に似たなにか大きな売買をしなければという焦りが、不用意な売買という自覚を半ば感じていたにもかかわらず今回の行動を引き起こしたのだろう。
とりあえず神への懺悔を済ませて禊ぎは追えたので4月からは気を引き締めたいと思う。

4月感想
4月は株高となりオルカンは2.3%上昇、一方で米国債は横ばいだったため成績は下落した。
これによって四ヶ月連続負けである。
私が負けていると言うことは株が上がっていると言うことだが、これでもリセッションによる株価下落の意見に変わりはない。
実際経済指標を見ると物価は下がらず、雇用は緩和しつつも未だ逼迫と言える状況。
そして我慢できないマーケットが実態よりも早すぎる利下げを念頭に株高を作ったなら、利下げが遠い現実を認識すれば反動で下がりすぎるほど下落する、と思う。
とはいえインデックス投資は市場平均の追求であるから、上がろうが下がろうが何もすることはない。つまり予想が当たろうが外れようがなにも変わらない。
精々やることはリスクコントロールぐらいだろうか。

5月感想
先月以上の株高で年間成績は更に悪化、底なしである。
FF金利の下落時期は時間を経る毎に後退し今は12月にまでなったが、株高は続いている。
物価が下がらないことも失業率が上がらないこともまだ市場は評価していない。
2022年末から米国債10年利率が3.5%程度から下がらないことも注目されない。
私にはなぜ株が上がっているのか分からない。
インフレと高金利によって家計が力尽きれば需要も死んで利益も消える。
逆にこれまでのように家計が耐えればインフレと高金利はどこまでも続くだろう。
だがその構造は永続的ではないのだ。
低いところから落ちれば軽傷で済むだろう。傷が軽ければ再建も早い。
最近の私は経済が早く落ちるか、いっそこのまま何事もなくすんでほしいとすら祈っている。
そんなことは無いと思うが、もし万が一に何年も高金利とインフレを経た後に崩壊することになれば、それは全てに対してあまりにもひどすぎる。
いやこれはあまりにも悲観的で感傷的すぎる。私の予想はこれまでも度々外れてきた。ならきっとコレまでの私の予想が外れていて、米国経済はリセッションに陥らずにすむのだ。外れる予想をもとに心配するなどそれこそ杞憂というものだ。

6月感想
株高は続くよどこまでも。
今年前半戦を終了して半ば負けが決まってしまった気がする。
ここから勝つには後半戦で株価と金利の急激な下落が必要だが望みは薄い。
未だ弱気な展望を崩していないのでいずれ下がると思うがそれが間に合うのか、そもそも下がったとしてどこまで下がるのかに関しては年初より確信度は下がっている。
貯蓄率やPMIなど悪い経済指標がちらほら出ているがそれを市場がどう受け止めるか、今度もどう動くのかは全く予想できない。
私にはインフレの収束が全く見えてこないのだが市場はこの環境でも企業が高収益を上げられると考えているのだろうか。

7月感想
急騰一服というべきか株式の上昇は止まった。
債券は下落トレンドに変化無し。
米国経済は経済統計上悪化しているが表面的にはその気配を見せていない。
お陰で2ヶ月前ほど悲観的な気持ちはなくなり結構今は気持ちが楽だ。
米国が転べばそれは世界の自由と民主主義の脅威となりかねないと恐れていたのが、小さくなったのだから。

まだ総括には早すぎるが今年の成績を引き下げた主因である債券投資は失敗したと判断していいだろう。
今年後半にリセッションを想定していたが、その可能性は今は驚くほど低い。
つまり金利が下がる気配は今年は無いと言うことだ。
仮にリセッションにならないなら、金利は緩やかに下がることになり、来年再来年に底になることになる。
そして期待年率の差からそれだけ時間がかかると株式にパフォーマンスは劣ることになる。
債券への投資分がいずれ黒字になること、そしてその利益率が期待通りであることに全く不安はないが、投資行動としては間違ったと言うべきだろう。

ただそもそもポートフォリオには現金債券といった低リスク資産を20%組み込むことは想定していた。
これは現在の保有率とも合致している。つまり想定してはいなかったがポートフォリオ上誤った構成にはなっていないということだ。
以前、債券ではなく現金を選択していたのは低金利過ぎて期待リターンが低すぎたこと、それに対して現金と比較し流動性が劣ったことが理由だった。
だがおそらく平均で3%程度の金利があるなら現金の代替としては最低限リターンを出せるかもしれない。
いや本音を言うともっと欲しい。3%では現金の流動性を失う事に対してはリターンが低すぎると感じる。
だがまあつまり、現状は悪くないのかもしれないと言うことだ。

思ったよりも現状は悪くないと気付いた上で、ここ最近の悩みは米国債が仮に4.5%に行ったら買うべきかどうかだ。
もともと平均3.5%になるように買い進めるはずだったのに判断ミスで平均3%にしてしまった。
だが4.5%で買えれば最初の想定通りの利率にすることが出来る。
だがそうなると、30%ほどを債券が占めることになり、株式に劣る可能性が高いと考える米国債に現金枠以上の割当を許すべきかという問題だ。
最近ずっと考えているが米国経済を見通すことはかなり難しくなってしまった。
ならルール通りに運用するのが正しい、とは思うのだが。

9月感想
8月君どこいった?
指標もマイナスだが、債券安が大きく成績はまたもや下落した。
-10%を超えてしまった以上今年は失敗であり、その要因が債券の早期買いであることは間違いない。
今から思えば、過去の動きに囚われずにFRBの金利引き上げ停止サインまでは買付を待てば良かったのだろう。
反省はここまでにして、今月の動き。
金利が4.5%になり悩んだ末に債権枠を引き上げた。
市場は金利高止まりが長引くので債券安は続くとみているが私はそれを信じていない。
基本シナリオには同意するが重要なのは経済悪化による金利急低下という事件を事前に予想し得ないという点だ。
なのであくまでも現金代替として平均3.5%なら良いかという判断にもとずく。
もっと言えば賢く買えば4.0%も十分可能だった点は反省点の一つ。
株式が下落しているが、私の立場からするとこのまま落ちて不景気になって金利の0にするのが最善だが、株価に吊られずに経済指標は未だに手堅く金融緩和に転換させる材料は殆ど無い。

10月感想
株はまだ下げているものの、債券はかろうじて下げ止まり。
ここから反転するかは神のみぞ知る。
しかし債券が反発したため成績は僅かとは言え黒字に浮上した。なんと今年初の月間成績勝利である。
今年は一つの白星もないと思っていたので少しは慰められる。
特に書くべき事は無い。
私の予想に変化も無く、市場に変化もないだろう。

各項目の説明

当月損益率
当月損益 ÷ 先月評価額

年間損益率
当年損益 ÷ 昨年評価額

累計損益率
(当月評価額 ÷ 当月運用元本) ー 1

指標月間損益率
(当月指標評価額 ー 先月指標評価額) ÷ 先月指標評価額

指標年間損益率
当月指標評価額 ÷ 昨年末指標評価額

月間成績
当月損益率 ー 月間年間損益率

年間成績
年間損益率 ー 指標年間損益率

さいごに

目標としてはオルカンを上回る成績を出すことだ。
それも単年ではなく全運用期間を含めて。
ただ2021年以前から大負けしているので勝利どころか、逆転すら出来るのは何年後のことかは分からない。

総括


特に書きたいことも無く11月12月は過ぎていった。
今年中旬から感じていたとおり成績は-10.97%となり悪い結果となった。
これでも年末の米金利低下によって幾らかは低減されていたのがささやかな慰めである。
既に語り尽くした事ではあるが今年の統括として債券投資の失敗は避けられないだろう。これは3つの項目がある。
まず、事前に定めた購入時期を破り、結果として想定よりも高い価格で購入したこと。
金利の頂点を予想するのが難しいのは事実としても、まだ利上げ議論が盛んな時期から一年間かけて買うほど分散する意味は無く、利上げ停止が議論され始めてから分散購入しても大丈夫であったこと。
そもそもの想定していた2023年中の景気後退(リセッション)がなく、全くの判断ミスであった。これに関しては当時の状況を考えれば、というか今でもリセッションという判断自体は妥当だと考えている。私はなぜ景気後退が起らないのかまだ理解できていないのだ。
年末こそ金利低下になったが2024年果たしてどこまで金利が下がるのかは見通せない。リセッションが起らないなら金利を下げる意味も薄く、言うならば好景気では無く景気後退でも無く、それでいて物価が下がるという限定された条件を満たす必要があるからだ。
今のところ物価低下に関しては条件を満たしていないと思う。
なので今年の債券のパフォーマンスが良くなるかは今は殆ど期待していない。

次はマーケットタイマーの難しさを再認識した点だ。
先に述べたとおり債券投資に失敗したわけだが、そもそも年後半の高騰も想定してなかった、恐らく底を逃していただろうし更に言えばコロナショックを逃げ切れたとも思わない。
しかし相場の騰落に関係なく保有を続けた結果、株高騰の恩恵を全てを受けることが出来た。
残念ながら自身の投資能力が市場に負けていると言うことを再認識したわけだが、これまで通り趣味としてポートフォリオの一定範囲内での自己運用は変わらずに続けていくつもりである。

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