2022/8/28 ジャクソンホール パウエル発言への感想

強気派の自信が問われるか

SP500が-3.37%となったが、これは意外な結果だった。
パウエルさんのスピーチ自体は予想報道と大筋変わらず、これまでの方針の繰り返しに留まり、インフレ退治の過程で経済に痛みがあること、そのために大幅利上げが現状可能性が高いこと、金利を上げた後も確実なインフレ退治の兆しがあるまでその水準を維持する必要があることを述べたに留まり、ポジネガ共にサプライズはなかった。
次回0.75%利上げを主張したわけでも、来年も大きく金利が上昇する可能性を言及したわけでもない。それでも市場は3%を超える下げで答えた。
これが一時的な下げで来週から上昇するのでなければ、市場の予想はこのパウエル発言と異なっていたということだ。
パウエルさんが政策転換を宣言し、インフレピークを過ぎればFRBは直ちに利下げに入り来年には元の低金利と殆ど同じ状況が戻ってくるという期待が今回は否定された。
面白いのは事前にこの発言内容は多数の報道機関で予想されていた内の、しかも可能性の高いと言われているシナリオに沿っていたことだ。もちろん当時の市場予想は強気弱気ともに同じぐらいの支持があり、予想報道も両方が同じ程度の数が合った。だがつまり市場はどちらのシナリオも既知のものではあったのだ。
(参考1,2)
故に私はサプライズ性がないことからジャクソンホール後は大して下落せず次のFOMCまでの様子見相場かなと予想していたのだが間違いだったようだ。
正直サプライズのないニュースで下がりすぎだと思うが、逆説的にこの下げが強気派の自信の強さを示しているならば、彼らの自信に傷がついた今、より下落する可能性が上がっていると思う。
その意味で来週は彼らの自信と根拠が改めて問われる事になりそうだ。

参考記事

1,
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-22/RH0UTTT0G1KX01
2,
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-21/RGZDA3T1UM0W01
その他参考記事
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-26/RH86WMT0AFB401
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-27/RH8VN0T0AFB401
https://jp.wsj.com/articles/feds-tough-talk-could-be-transitory-11661542286

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