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メルボルン戦


ずいぶんとまとまりが出てきたな、という印象です。
一番気になっていた最初の立ち位置に戻る速さというのが徹底されてきたので無意味にほかのポジションの仕事をすることなく重なってほかが空いてしまうということも防げていたのではと思います。

チームが出来上がっていないうちは、少しプレイ速度が落ちたとしても丁寧にサッカーをしていくことが大事だと改めて思いました。

 基盤ができていないのにそれ以上のことをしようとしていたところから外れてくれれば、とりあえず一安心です。
これでワンランク上のチームにいいサッカーができるようになればそれこそ自信も確信も出てくると思います。
選手によっては、どうしてもいままで自分が積み上げてきたものから一歩ひとより秀でたいのもあるでしょうが、できることならここは、ご自分をデチューンしていただき、周りに歩幅を合わせてほしいと思うのです。

 
世代交代を目指すのであれば、この試合のメンバー構成はこれからのお手本にしていいのでは、と思いました。
先ほども書いた「歩幅を合わせる」という部分でベテラン勢が若手の様子に合わせてくれていたと思うのです。

これがレギュラーメンバーになってくると「俺についてこい」てな感じになってくるのでレベル差がそのままチームのミスになってくると感じました。
それゆえに最初のリーグ戦がちぐはぐな試合運びであったのかもしれません。

 メルボルン戦の大きな違いは、キャプテンだったと思います。
航平くんのプレイスタイルは、確かに個人として抜きんでているとは言い難いですが試合全体の状況を見ながら自分が仕掛けられるところも見逃さないという印象です。
うまくいけばいいとこどりできますがチームが深刻な不全に陥った時になんとかするほどの力はもっていません。

ですが、若手の状況を見ながらサポートに回ったり全体が偏りかけたときに整えることができただけで、ついついサイドに引きこもりがちな和田君がなんとか真ん中でプレイできそのぶん、パトを無駄にトップ以外のところでプレイさせずにすんでいたというのはサンフレッチェとして大きな進歩であると思います。

 監督としては、戦術的にポジションレスにしたいんだと思うのですが、それは、あの2013年に優勝したチームくらいの成熟度があって初めて可能になってくるのですから、今のレベルのチームではダメになるだけでなにもいいことは、ないのです。

落ち着いて、自分のできることは、なになのか、何をすればチームとして自分を機能させることができるのか、というところを考えるきっかけになったと思います。

 この試合で森島君のポジショニングに注目していました。
セレッソ戦で交代出場したときにPAに入ったとき、いいタイミングで人から離れたスペースにいることができていたのです。
前線守備で迷うことも少なくなりましたし、なにより、一個よかったのにその次が続かないといわれていた彼のウィークポイントがなくなりつつあるように思いました。
これだけチャンスがなかったセレッソ戦より前と比べてあと少し!と言える位置にいることができるメンバーがいたでしょうか。

セレッソ戦はこけてしまって、メルボルン戦は、惜しくもGKにはじかれてしまいましたが彼の持ち味のボールを失わないドリブルも見せられましたし、なにより90分出場することができたという体力的な問題も克服しつつあり、これから彼の活躍が期待されることと思いました。

 それには、もんちゃん、航平君、パトさんの支えがあってこそでしょう。
井林くんの潔くカットして試合を止めるというところもリセットして布陣と整えるのに一役買っていると思います。

 しかし、まだまだ押し込まれることの多いチームです。
これまで戦ってきた相手が自分たちと同等、もしくは、ちょっと下レベルのチームだったからなんとかなりましたが和田君のように動きすぎて相手にギャップを作ってしまうようなことをしていては、とたんにPAまで持っていかれてリベロ一人で対応できない状態になります。

とにかく自分たちの位置関係をしっかりと把握して、自分が一人評価を上げようというようなプレイを一切やめて監督がそのワンプレイをどう見ていようが、目指す結果はここなんだろ?ピッチに立ったら俺に任せろよ!と言えるくらいになってくれたらと思うのです。

 私の主観ですが、どうもこの監督さん、選手のスタイルを自分が一番よく知っていると思っているのでは、と感じています。そのイメージに合わないと試合に出られないと選手も感じているのか、チームになった時に自分がしなければならないと思っているプレイを封印しているように思いました。
監督が思うプレイと自分が現場でやるべきプレイにかい離があるのは、ままあることです。

チームとしてうまくいけばそいういうところは、やるべきですがどうもこの監督さんは、その部分を許さないところがあるのかなと思うのです。
人ひとりが考えることなんて高が知れています。11人になにができるのか、すべて把握することもできませんし、まして試合をデザインすることも限りがあります。
自分の思いだけに終始すれば、その選手のプレイの幅が減ってしまい現場で迷うことが多くなると思うのです。
もう少し、今の選手のもっといろんな部分に焦点を当ててほしいと思っています。

しかしその反面、やたらとポジションを変えるのもどうかと思います。
航平君、森島君、この試合で3つのポジションをやることになっていました。
ポリバレントであることは、いいことだと思いますが90分で3つとなると、変わるたびに「試合の入り」状態になってしまうのではと思います。
やられたり、劣勢になるのは、特に中盤で守備的に効いていたメンバーを変えたときです。
今のチームで体幹になるのは、やはりボランチ。
ここを90分コントロールできれば、負けることは、ないと思います。
面白いは、さておきにしますから、しっかりとしたチームを作ってほしいですし、もしかするとそれができそうな気がする試合になったのでは、と思います。

このまま、松本戦で色気出さないようにお願いしますよ。監督さん。

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