お手本。

2016年の終わりころのようなチーム状態であると感じています。
負けがこんでいるのは、その結果が出始めたということで、中断明けから、どうにも技術力が落ちてきました。

体力についても選手によってばらつきが出てきましたし、レギュラーで90分出続けるために試合中、セーブする選手も出てきました。
練習は、うそをつかないと言いますが、やればよくなるし、やらなければ下手になります。
高校時分、どうしてもサボりたくて1日サボってしまうと翌日からまったく身体が動かない。
高校生の有り余る体力と体の柔軟さがあったとしても一度強度を緩めてしまうと、動かなくなるのが人間の身体なのだ、ということを思い出しました。
(それで頑張りすぎるとオバトレになるという弊害もありますが)

ですが、夏に練習強度を落とした、というところから、あまり変わってないように思います。森保さんが監督だったときにも同じことが起こっていて、それが選手のクオリティを落としてしまって、思うようなサッカーができなくなっていたのですが、今回は、夏の練習で落としたものがもろに結果として現れてしまっていると感じます。
もちろん疲労からくる怪我に注意は、必要ですからどんな小さな異変も申告してもらいチームでコンディション調整をするのでなく、個人でできないものかと、思ったりもしました。
しかし、選手は、試合に出場したいですから、そこそこ痛いだろうと思われる状況でも隠すことがあると聞きました。
ひどくなってからでは、おそいんだ、と思いますが、怪我で外れてそのままポジションを奪われる方がもっと怖いわけです。

カープファンの人の話を教えてもらったのですが、今回、丸選手がFAでロッテに行くかもしれないという話について、主力選手が出ていくと困るんじゃないか、と問うたところ、だって、仕方ないじゃん、そういうチームだからと、言うのですが、そのあとに「だって若手がそだってきてるから」と言われたそうです。丸がいなくなって、菊池も田中もいなくなるかもしれない、でも、若手がどんどんでてくるからそれがカープだから、と。

そういえば、入院中に貸してもらった本にカープの根本さんというスカウトの本があって読んでは、ないけど、友人が言うに、根本さんは、昔、ある大ベテランの選手が来年も選手を続けると言ったとき、「お前がいると若手が試合にでれんから今年でやめてくれ」とその選手を引退させたのです。

結局、いくらいい選手であっても未来がどれだけあるかと考えたときに決断しなければならない時があるということです。
今のカープの3連覇もそういう育成のもと成し遂げられた偉業であり、地方球団の広島カープが生き残る唯一の道でもあるというのです。

先日、カズさんがトレマで試合にでました。

感動的なことなのですが、コメントにやはりすごい、という言葉が多々あるのに違和感を感じました。
カズさんがすごいのは、誰しも認めるところです。
しかし、今いるメンバーのだれもカズさんのような才能を持ち合わせてはいないのです。

32歳組のあおちゃん、もんちゃん、ちばちゃんがカズさんがいなくなったチームでカズさんを探し続けた2016年に気付いたと思うのです。

「おれたちには、あのサッカーは、できない」と。

でも、できないからダメというわけでは、ありません。

あのサッカーができるのは、日本で森崎和幸しかいないのですから、これからは、新しいサンフレッチェを作っていかなくてはならないのです。
松本くんをカズのようにと推したい気持ちもわからなくもないですが、松本君は、松本君でいいんです。
まっちゃんがモリシがヨッシーがサンフレッチェを作ってくれたらそれが一番応援できる未来のサンフレッチェであると思うのです。

いわんや、所詮ベテランは、ベテラン、若手のようにはいかないということも視野に入れて、ここで、シフトすることを恐れていては、ならんと思うのです。
でないと駿を磐田から呼び戻した意味がない。

彼が中村俊介ありきの選手であったことは、明白ですが、それでも彼には、才能があるのですから、それを計算できるベテランと比べて押し込んでしまっては、いけない。
それを思ったのが森保ジャパンでのあおちゃんの使いかたであると思うのです。

森保さんがカタールに連れていくボランチの大本命は、柴崎君だと思います。
その相棒がだれになるか、それも今のU23の中から選ぶと思います。

じゃあ、あおちゃんは、なんのために呼ばれているのか?

こういっては、なんですがカタールのときあおちゃん36才、体力的にも落ちてますし怪我もでてくると思います。
サンフレッチェでもどういうプレイができているかわかりません。

ですが、あおちゃんは、今の日本の理想のボランチ像なのです。

かつて伊東輝悦がそうであったように、前にも出られる、アンカーもできる、センターのスペースを網羅できるプレイヤーであり、なおかつ森保さんのサッカーを熟知し体にしみこませている唯一の選手であるのです。

森保さんがあおちゃんに託したミッションのというのは、この代表チームのお手本になってもらうことだと思うのです。
各ポジションで呼ばれたベテラン選手、長友、槙野、吉田の3名も同じようにカタールに向かう次世代のチームの「先生役」では、ないかと思うのです。

ようは、山本五十六のあれですよ。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

ただ頭にたたきこむだけでは、短期間でチームを作ることは、できないじゃないですか。
動くお手本があってこそ、このキリンカップの3勝であると思うのです。
ここまでで感じたのは、いくらベテランが今うまくやれていたとしてもサンフレッチェでいうところの32才オーバーの選手には、そろそろ先生の役割をお願いしたいということです。

彼らを主にしていれば目先の結果は、でるかもしれない。
でも、一寸先は、闇なのだよ、ということを2016年に学んだはずなのに、同じことを繰り返そうとしていることを問いたいと私は、思っています。

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