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育て、と、願う。

昨年の後半戦、監督が代わりフォーメーションが変わったことでスタメン起用されることになりました。
J1残留がかかった日々、ピンチは、チャンスというのは、このことでした。
正直いうともっと身体が大きくなっていれば…というのは、今年に入ってハムストリングの肉離れをしてしまった時に思い返したことでした。
それは、ある程度予想された怪我であり、しかし、こればかりは、仕方ない。
あれだけのスプリントを毎試合、あのサッカー選手としては細身の身体で繰り返していたのですから。

彼は自分の身体を思った通りに動かすことができる才能と疲れが溜まりにくい特性を持っているのですが、それを支える筋肉をまだ兼ね備えてなかったのです。
ずっと、その事が気にかかっていました。

2月末、もうすぐ宮崎キャンプが終わるというころに見たのは歩くのもおぼつかない姿でした。
肉離れとはいえ、これは重傷、1ヶ月では帰れない。
当然、開幕は間に合わない。
4年かけて登ってきたレギュラーへの道は、一旦休止となりました。

さぞ、焦っていることと思ったのですが、リハビリを見ていると、コツコツと丁寧に進めていました。
見ている側としても安心できるリハビリ風景というのは、なかなか不思議なものでした。

そして、しばらく練習を見に行くことができない日が続き、久しぶりに前日練習で姿を見た時、去年から一回り大きくなった腰周りに驚きました。
あれだけトレーニングをしてもなかなかつかなかったところにしっかりと筋肉がついていたのです。
これくらい容量が増えれば、彼の思う動きを支えてくれるはず。
しかし、次に待ち構えているのは、この身体をどうコントロールするかということでないでしょうか。

キャプテンを何年か見ていると、いくら筋肉を付けてもそれがネガティブに作用することがあるということも。
当たりについては、相手のパワーを受ける筋力と重量が必要で、ボールにインパクトを与えることについても同様に力と重量が必要になります。
しかし、これまでの軽い身体で繰り出していたプレイを重量の増したパワーのある身体で同じことができるのか、ここからが自分との闘いであるかもしれません。

ネガティブなことを言えば、今までよりスピードが落ちるということもあります。
重くなったぶん、違うところに負荷がかかることもありますし、筋肉が関節の可動域を狭めることがあります。
身体のバランスが秀逸だったのでその部分が今どうなってるのか、注目したいところでもあります。

パスやフィードをあげる時、ブレがなくなり正確になったような。
大きい相手にも身体で負けないようにもなっています。
まだ、トップスピードで走っているのは、見ていないので、サイドの駆け上がりはわからないのですが。

キャプテンが怪我をして身体を大きくして、その後活躍しますが、年を重ねる事に体とプレイの関わり方を変えなくてはならなくなっていくのを見てきました。
高校生のような身体では、とてもプロではやっていけないので、今くらいの体付きには、なるのです。
しかし、その身体をどう使うのかは、また別の話、というのも、アスリートでない私からすると不思議なことですが、身体とそれを使うことが実は、必ずリンクしている訳ではないということを教えてもらいました。

それ故に若手の成長経過は、とても気になります。
いくら技術があっても、ということになりますからね。

中断明け、チームが全員揃います。
その中でせめてベンチ常連になれないかな、と、祈っています。


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