ようやっと。

実のところ、青ちゃんについてはとても厳しい見方をしていて、視野が広いとか、パスが上手いとか世間で言われてても「まだまだ!」と思っていたのです、去年の夏まで。

これで行けるでしょ!と思ったのは、去年の代表のころで、やっと、周りのうまさを使えるようになったんだね、と思ったところからでした。

それまでは、自分がこうするからこうしろ、ということが多くて、それに合わないと相手が機能出来ないという、なんとも、あおちゃんが世界の中心のサンフレッチェだったのです。

そういうので代表に行っても上手く行く訳もなく、ぽいちになるまでは呼ばれてもなかなか試合に出られないでいましたしね。

なんでそんなに厳しくなったのかと言うと、洋介や洋次郎、服部さんやミカと比べたら視野の広さなんてそこそこで、パスだって寿人さんややまさんやミカが受けてくれるから上手く見えるだけで、ほかの選手だったらその選手を生かすことはできなかった訳ですから、いくら、「青山のパスが…」「青山の視野が…」と言われてても、そんなそんな、と思っていたのです。

でも、蓄積ってすごいんですよね。
青ちゃんの頭の中には膨大なシーンが録画されていて同じようなシーンが来るとそれを再生するようにパスを繰り出していくことが出来るようになったのではとおもうのです。

人間の勘、というのは、決して第六感の事ではなく、経験を積み重ねてその中から分析されたもので瞬時に判断することなのだそうです。
あおちゃんが無意識にやったことでも、じつはあおちゃんが積み重ねたものから生み出されたものなのです。

それだけ、あおちゃんは、いろんなことを見ていろんなことを吸収して、それを再現出来る感受性がとても豊かな人なのだと思います。
アスリートって繊細じゃないと出来ないよね、と思うのはそういうところです。
細かなところまで分析して、それがいい事なのか間違いなのか、答えを出すにあたり、大雑把な性格だとあんなパスは出せないですよね。

決して上手くない選手だった青ちゃんが代表キャプテンまでにのぼりつめるまでになった秘訣は、その豊かな感受性と、素直な心であったと思います。
やはり正しく受け取るというのは、とても大事な事ですよね。

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