🌸5/17(水)NY市場は大反落【ハイテク株はしっかり、NYダウ 33012-336、NASDAQ 12343-22、SP500 4109-26。136円39-49。WTI原油70.86-0.25

ダウ平均は反落 IT・ハイテク株には買い=米国株後半

NY株式
ダウ平均   33012-336
ナスダック  12343-22
CME日経平均先物 29870円+30

 NY時間の終盤に入ってダウ平均は300ドル超の下げが続いている。きょうのNY株式市場でダウ平均は反落。取引開始前に発表になったホーム・デポ <HD> の決算が嫌気されているほか、中国の鉱工業生産が予想を大きく下回ったことも雰囲気を圧迫している。消費関連株やエネルギー株が下げを先導。ホーム・デポは既存店売上高の減収が予想以上に膨らみ、通期の既存店売上高のガイダンスも下方修正した。

 一方、IT・ハイテク株は堅調に推移しており、ナスダックは小幅ながらもプラス圏で推移。景気の先行き不透明感が根強い中で、FRBの利上げ停止への期待も高まる中、次第に物色の矛先は循環株からIT・ハイテク株へ向かっている。

 ただ、全体的には様子見気分が強い相場に変化はない。米債務上限問題に関する議論を監視し、中国の景気回復が勢いを失っていることを示すデータと、FOMC委員からの金融政策に関するコメントを比較検討する中、市場は次のきっかけを待っているようだ。市場の警戒感を示すVIX指数は18を下回る水準での推移が続いており、懸念が多い割には市場は落ち着いた雰囲気となっている。

 ただ、米株式市場の上昇は5月に入って失速し、投資家は粘り強い高インフレと金利上昇による成長への影響を懸念している。市場からは、「FRBは当面、景気動向を見ながら利上げ停止すると思われるが、厳しい景気後退やインフレが2%に戻らない限り、年内の利下げまでは考えにくい」との声や、「マクロの数値は弱くなっているものの、崖から落ちているわけではない。いまのところ、減速はあるだろうが、世間で警戒されているような厳しいものにはならない」といった声も出ている。

 「成長鈍化と消費低迷を背景に、米国株のリスク・リワードは魅力的ではない。ソフトランディングのシナリオでは、S&P500は年末までに4400まで上昇する可能性があるが、景気後退に転じた場合は3300まで下落する可能性がある」との見方も聞かれた。

 米債務上限問題については、バイデン大統領とマッカーシー下院議長(共和)ら議会指導者らが本日再度会談する予定。市場では妥協点を見い出せるのではとの楽観的な雰囲気が広がっている。マッカーシー議長は何も進展がないと強硬姿勢を堅持しているものの、バイデン大統領からは楽観的な発言も聞かれる。ただ、本日の会談で完全解決とはならず、ぎりぎりまで攻防戦は繰り広げられるであろうが、市場は比較的楽観的かつ慎重に動向を注視している状況。

 なお、本日は4月の米小売売上高が発表になり、ガソリンと自動車を除いたコア指数が予想を上回り、堅調な個人消費を示した。ただ、小売売上高はインフレ調整はされていない。

 医薬品のホライズン・セラピューティクス <HZNP> が大幅安。同社はアムジェン <AM> による買収で合意しているが、それに対して米連邦取引委員会(FTC)が買収を阻止するために訴訟を提起する見込みだと伝わった。

 米地銀のキャピタル・ワン・ファイナンシャル <COF> が上昇。バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ <BRK.B> が第1四半期に同銀株をポートフォリオに加えた。米証券取引委員会(SEC)への提出文書で明らかとなった。

 太陽光発電のビーム・グローバル <BEEM> が上昇。前日引け後に1-3月期決算(第1四半期)を発表し、売上高が予想を上回ったほか、1株損益の赤字も予想ほど膨らまなかった。

 航空部品のデュコマン <D> が大幅安。増資計画を発表し、1株40ドルで200万株を発行する。

 次世代データセンター運営のアプライド・デジタル <APLD> が急伸。24カ月間で1億8000万ドル相当の大口契約を獲得したと発表した。

 エッツィ <ETSY> が下落。同社は美術・工芸品や画材、日用品をオンラインで販売する。アナリストが目標株価を従来の79ドルから74ドルに引き下げた。

 医療機器のGEヘルスケア <GEHC> が上昇。アナリストが投資判断を「買い」でカバレッジを開始した。

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