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番外編2 小野郷のお話を聞いてみた!

 こんにちは。北区盛り上げ隊です!
 今回は、番外編1のご縁から小野郷自治会の西会長様と阿部副会長様にお話を伺いました。

自治会の活動内容について教えて下さい。

 自治会として動くというのは、近年は、毎月何かがあるわけではなく、様々な行政との関わる部署があり代表者いますから、そこで個々に活動しているというのが実情ですね。特に、コロナが流行してから以降は、イベントも難しいことが現状ですが、町内会ごとで、色々な行事や活動をしているのはしています。例えば、季節ごとでイベントがあったりもします。コロナ前は、夏祭りを20年前から開催していました。コロナがあったからやめたわけではないですけど、この間、中止になりました。この夏祭りについては、開催時期がお盆ということもあり、主催側が負担だということを聞いていたのです。この時はまだ人材がいたから、継続できたのだろうと思いますけど…。過疎化が進み人口が多い時で600名、現在は、200名になり、若者と呼ばれる年代は70代になってしまいました。その結果、一番大きな行事である夏祭りが継続できなくなってしまったのです。また、自治会とか町内会という自治組織は、地域によって位置付けや役割も異なり、北区の中でも、街中と山間地域とでは役割が違うと思います。

町内会は住民であれば、皆入れるのですか。

 基本的には、町民や住人に入ってもらう組織です。ただ当然ながら加入は任意、且つ、小野郷を離れられた方でも、土地や建物があれば、加入することは可能だということです。地域に何かしら貢献したいとか、還元したいという思いがある方ならば誰でも入れますし、加入率は、街中に比べると圧倒的に高いです。また、町内会に入っていなくても、地域への帰属意識があり、自治会費のみを納めて下さる方もいらっしゃいます。

阿部様は何故小野郷に移住されたのですか。

 私は、文化人類学という学問の研究者でして、山間地域での暮らしそのものを研究していたので、元々、興味があったのですね。 そういう目で京都を眺めてみると、北部山間地域は、すごく魅力的に映りました。そこで、京都市が運営している、体験住宅で1年間住んでみて、色んな方に良くしてもらったという経緯でここに住もうと思いました。

学校が休校であるという現状ですが、再開することはあるのですか。

 結論からいうと、現状は難しいです。町の子ども達は、修学年齢になったら、右京区の高尾小学校、というところに行くのです。しかし、復活できたら良いなと思っています。だから、制度的にどうなっているかではなくて、就学年齢に達した時に、どういう希望があって、どういう人数で、どういう風に行政側が対応できるのか、色んな方策を考えて、希望を伝えて作っていくべきことかなと思っています。

自治会から見て小野郷はどのような地域で、他の地域との違いはありますか。

 高齢化率と過疎化の進展ですかね。市内から1番遠いのは小野郷で、国道から6キロあり、歩くと1時間30分程かかります。高齢になり免許を返納される方も増えており、外に出るハードルが上がってしまい、地理的に非常に厳しいと思います。そういう地域の課題を、山岳の会長が集まり今後どうするのか協議して、その提案を行政にあげて、現状を何とかして欲しいと声をあげていますが、行政も様々な事情で対応が難しいと思います。
 そのため、自治会でどうにかならないかと検討しており、この動きは、後継者の方に託したいと思っています。これまでに、自治会の役員の尽力の賜物として介護施設があり、自前で車を沢山保有していて、色々な人が実は移動しています。それらを精査すれば、小野郷にも可能性があるかもしれないですよね。これらあげた問題を達成するまでは色々課題があるけれども、達成したらそれが1つの魅力になるだろうなと思いますね。

阿部様が小野郷に移住されて元々のイメージとのギャップはありますか。

 みんな開放的な印象です。現在は、「よそ者」という考え方持っている人は多分いないと思います。小野郷に入って初めはビクビクしていたのですけども、本当に色々気を遣って、 受け入れてくれたなという実感はあります。

学生との関りや、今後、学生とどういった活動をしていきたいか、また、思い描くその理想などがあったら教えて下さい。

 佛教大学が「安心安全」というテーマで、地域に来られました。当然、受け入れするのは自治会が受け、事務局で話を聞かれ、今までそんな繋がりはありませんでしたけども、実際入ってきて、どんなことをするのかという問題点は地域にありますし、受け入れ体制もあります。その年度から、様々な福祉活動の提案をして、高齢者を集めてサロンなどを8年間やってきたのですけども、その活動は10年を区切りとして、終わってしまいました。実際は、学生を受け入れることが大変なのです。例えば、本音で学生と地域の役員が喋れないということがあったりしました。また、休校となった校舎が2つ残っているので、学生寮として貸し、利用価値が生まれるようにと色々検討したのですけども、これも実現に至らず、現在に至っています。地域のニーズと学生がどれだけ授業じゃない時間に小野郷に来たいと思うのかが重要になると思います。また、先輩学生が後輩学生に継承していき手助けをする。地域の方は、サポート係をするということを、色々紐解いていった時には、貴重な学びの場になるし、 楽しい経験ができる場には絶対なります。しかし、地域の人への負担面は考えていかないといけない問題です。

深刻化する高齢化を見据えて、何かしていきたいことや、やりたいこととかありますか。

 始めたてで躓いていますが、昨年から、買い物に困難をきたしている人のために、移動販売車を要請しまして、週に2回来てもらっています。また、沢山資料を読んでいて、これから、勉強会も開いて頑張っていくところです。高齢化問題が生じ、介護施設ができました。施設では、朝と夕方は利用者さんで車使っておられますけど、日中は空いているのです。 私は、資源を有効利用できないという視点に目を置き、施設の車を、買い物の足に使えたらなということで、声かけして、活動を一緒にやっていこうとスタートし始めたのです。また、利便性を高めて、イベントとか魅力発信みたいなものを仕掛けていくことで、学生連れてきて一時的に賑やかになることは、それもそれでいいのかもしれないけれども、それよりは、小野郷にゆかりのある方に、忘れず戻ってきてほしいと思っています。

地域コミュニティを深めたり、連携する上で大事なことはありますか。

 私だけの意見なので、 そういうやり方も選択肢の1つと捉えて下さい。
 特に意識しているものはないのですが、謙虚にあるべきでしょうね。人とのコミュニケーションは、目線を合わせて相手の話を聞いた上で、自分の言いたいこととのすり合わせを行うことです。なので、まずは意見聞くことからじゃないでしょうか。そこから、色々話が進む中で信頼関係や、その場の空気感の連帯感が生み出される中で意見活動に繋がっていくのではないのかなと思います。

移住されて1年半で副会長を任された時はどういう気持ちで、 そして、今後どうしていこうとかいうものはありますか。

 お話をいただいたときは、びっくりしましたし、 ちょっとそれは難しいんかなとも思いましたけども、そういう風に誘ってくださったことが、嬉しかったので覚悟を決めるしかないかなと思いました。なので、その時にはもう不安もないし、飛び込んでみようということですね。自治会の一員として色々関わらせていただくのと、住民として関わるとは、多分意味が異なるので、この地域のことについていろんな側面から知るという意味では、いい勉強の機会だと思っています。そんなに遠からず恩返ししなきゃいけないなと思います。


 高齢化に伴う過疎化や地形的にも、大変苦労されておられますが、地域のために尽力を注いでいらっしゃることや、小野郷に対する可能性について理解できました。
 先輩学生が後輩学生に継承していき、手助けをするという組織の仕組みづくりは、私たち盛り上げ隊にも必要なことで、このような仕組みを通じ長く活動できるように尽くしていきたいと思いました。

北区盛り上げ隊 栗本ほのか