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第10回 コミュニティカフェ新大宮 片桐直哉さん

 皆さんこんにちは!北区盛り上げ隊です!
 今回は、新大宮商店街に店を構える「コミュニティカフェ新大宮」の片桐様にお話を伺いました!

 まずは、コミュニティカフェ新大宮とは何かという事についてお伺いしたいです。

 基本的には、カフェ兼レンタルスペースとして使用しています。日替わり店長という、お店を持つほどではないが少し店舗経営を挑戦してみたいといった方や自分の作った作品を売ってみたいといった方に対しての場所貸しをしています。でも、単に場所貸しというわけではなく活動をしていく中で街に関わる相談を気軽に出来る場所でありたい、そして横の繋がりを広げる一端を担えたら嬉しいです。
 コミュニティカフェ新大宮では、リアルに加えてzoomでの会議や映画鑑賞会お子様の誕生日会など様々な用途で使用されています。
大切にしている事としては、小さいお子様を連れてきやすい環境づくりを心がけています。商店街にはそういう場所が少ないので、チャイルドシートがあったりベビー服の交換スペースもあります。
 このような活動をしようと思ったきっかけは2つあります。
 1つ目は、2002~2003年くらいからある「そらたね祭」というものです。
こちらの祭りは、商店街で活動したい学生や若者と商店街の人、唯明寺の住職さんが協力して商店街地域に若い世代を呼び込み、若年層から年配層までの幅広い世代間の交流とコミュニティ形成を目的としています。
 このようなイベントをする学生や若者が集まれる場所を元々作りたいというのがあり、始めました。
 2つ目は、京都市未来まちづくり100人委員会というものです。フューチャーセンターを作るのが大切というところでスタートをさせました。2010年に「新大宮みんなの基地」というコミュニティスペース、シェアオフィスを始めました。
 このようなことを通じて感じた大切なことが、まちづくりには、すごい人が来て活性化させるような人任せなことではなく、自分事としてまちづくりに関わっていく人を増やすことが大切です。
 まちづくりは「まちづくりプレイヤー」と呼ばれるキラキラした人たちだけで盛り上がることがあるのですが、そうではなくもっとライトな層も関わっていけることが重要であると考えています。なので小さいお子様を連れてきやすいという今のスタンスを作りました。

 この施設を利用される年齢層はどのような層が多いですか。

 あまり固定はされていません。現在では、退職された先生が毎週金曜日にカレーを提供されているのですが、近所のママたちが集まったりしています。結構ふらっと入ってくる方は若い方が多いですね。

 存在意義としては、地域でふらっと立ち寄れる場所ですか。

 そうなのですが、大事なのは集える「空間」ではなく、「空間」に集う「人」だと思っています。コミュニティカフェ新大宮という空間ではなく、中の「人」が何をしているかということが大切であると考えています。そこで何をするかって言うと、子育ての居場所とかではなく、「地域内のコミュニケーションのハブ」になることと地域のカウンセラーをやりながら同時に持続可能な地域を作るために収益性の高い仕組みを作る必要があると考えています。コミュニティカフェにはその役目を担う必要があると考えています。

 学生が一日店長をしたりしますか。

 毎年使っていただいているのは、京都府立大学の和食文化研究学科の方達です。その他は学生団体がコロナ禍で作りにくい友達を作るため、集まる場として利用していただいています。

 意外な貸し出しスペースの使い方はありましたか。

 双子ママ10人子供20人が集まってパーティーをしていただいたことがありました。元々SNSで繋がっていた方達がリアルに集まったらしいです。大阪や滋賀県など県外からも来ていただいていました。
 このような場を通じて、見えなかった地域課題が可視化される。これがやりがいに繋がっています。

 新大宮商店街の課題や魅力についてお伺いしたいです。

 商店街の魅力として、色んな事を色んなプレイヤーが新大宮というフィールドでしてくれているので、何か面白い事をやっている場所として認知されています。自分事として取り組むプレイヤーが多いため、土地の力が身につく。土地の力が高まるからこそ外からの注目が集まるといったところが、ポテンシャルであり魅力であると考えています。
 逆に、組織全体として何かをする力が弱いことが課題だと感じています。その点を改善していくべきだなと考えています。

 片桐さんが考える商店街を活気づけるための施策はありますか。

 そもそも「活気づける」の定義が人それぞれ違うので一概には言えないのですが、商店街はただ物を販売するだけの場所として捉えているのなら、それは少し違うのではないかと考えています。商店街のそれぞれの店舗がどうすれば人に必要とされるかをちゃんと考えると、補助金をいただいて大きなイベントを開くよりも持続可能な商店街が出来るのではないかと考えています。自分の中の活性化の定義は、単に沢山の人が来るというものではなく、それぞれが自分事として受け止め動く人が商店街の中で増えていくというものだと考えています。
 「そらたね祭」をしていたのですが、その祭り自体、もちろん大切なのですが、祭りを実施する過程で人同士の関係性を作ることがとても大切であるとも考えています。

 地域との関わりについてお伺いしたいです。

 「コミュニティ=地域」という捉え方はあまりしない方が良いです。あまりに距離感が近すぎると悩みを相談できなかったりするので、近縁的なコミュニティとこのような活動を通じて繋がるコミュニティの機能は重なっている部分はあるが別になっていると思う。なのでコミュニティは重層的なものであると考えています。
 それこそ北区やコミュニティカフェにこだわる必要はないし、全てが紐付く必要もないと思います。先ほども申し上げましたが、「空間」ではなく、「人」が大切なので。

 片桐様が考える理想の商店街や北区はどのようなものですか。

 理想として、個々が自分事としてプレイヤー同士が繋がっていければ良い。また、プラットフォームは必要だがあるだけでは意味がなく、ニーズをつなぎ合わせるデザイナー的な人がほしいです。さらに言うと、繋がりを北区だけに絞る必要は全くなく区外とも繋がっていくことも大切ですね。

 今後学生としたいことはありますか。

 定期的に、商店街との繋がりをもてる何かをしたいです。商店街の色んな事業をする会をブラッシュアップする必要があるため、その辺にも学生に参加していただける仕組みを作っていきたいです。

 学生は、商店街に行こうということにはなりにくいとは思いますが、商店街に興味を持ってもらうにはどのような事をすべきだと考えておられますか。

 何をすれば良いか逆に教えてほしいくらいですが(笑)
 なにか「商店街」に興味があるから来るのではなく、「何かあるから(祭りやお酒)があるから「商店街」に来ませんか?」の方が、学生が訪れやすいのではないかと考えています。


 商店街の活性化については、今までの何か大きなイベントをして、集客をするという凝り固まった思考を一掃するような且つ他人任せではなく、自分事に捉える必要性があるということには非常に納得したと同時に一つの正解の形であると思いました。
 時間はかかると思いますが、持続可能な商店街を作るには一番必要な事なのかも知れません。

北区盛り上げ隊 真利 健斗