工事代払わない? それなら裁判だ。

タイトルの通り。
工事代を払ってもらえずどうしたものか、と悩んだ小さな小さな建設会社の代表です。
工事代は税込みで60万円にも満たない金額。
「それくらい」とか「うちなんて家が建てられるくらい引っ掛かってますよ」なんて話してくれた社長さんもいましたが、うちは小さな小さな会社です。
小さな金額かもしれないけれど大きなダメージなんです。
どうしたものか…

という感じで書き始めましたが、書きたかった事は私の気持ちとか相手に対しての恨みとかではないんです。
途中で少しは出てきちゃうと思いますが。
初めてnoteというものに書き込みますし勉強してこなかった私です。
使い方が違ったり誤字脱字があるかもしれませんがそこはお許し下さい。
ここに残したかったのは工事代金を回収するためにやった裁判について。
先に結果を書きますと裁判を起こして約一年掛けてほぼ全額回収しました。
裁判を起こす決めたものの何をどうしたら良いのかさっぱりわからず、インターネットで調べたりしましたが言葉の意味も分からずなかなか難しい。
自分なんかでもわかるように書いてある経験談みたいなのがないかなぁ、と思っておりました。
なので書いて残してみます。
少しでも困っている誰かの参考になれば、と。

そもそもなぜ裁判になったのか。
工事代の未払いがあったという事は、うちの会社は仕事を頼まれて仕事をしたんです。
うちみたいな小さな会社はホームページがあるわけでもなく、チラシを作ってポストに投函しているわけでもなく、知り合いだったり知り合いの知り合いだったり。
そんな狭い環境で仕事をしているので「お互いに知ってるし」「知っている人からの紹介だし大丈夫でしょ」と多少まとまった金額の工事でも契約書を交わす事をしておりませんでした。

今回の取引先は別の仕事関係で知り合ったA社の代表者Ⅰ氏。
過去に何回か工事を頼まれまして、工事完了後に言われた住所に請求書を送ったら届かず戻ってきちゃったり、約束した日に入金されずこちらから連絡すると振り込まれる等の問題はありましたが結果としては全部払ってくれていました。
当たり前といえば当たり前の事なんですけど。
と言いますか書いていて思いましたが前の事例も酷いですね。(苦笑

それが今回は
「うち(A社)は(A社の)取引銀行に振込手続きをして既に(A社の)口座から引き落とされているのに、(A社の)取引銀行が(私の会社の取引銀行に)入金手続きをしないんだ」
と言い始めました。
そんなのいくら私でもあり得ないと思いました。
「しかもこの様な事は実は今回が初めてではない!(Ⅰ氏)」
とまで言い始めました。
後日、Ⅰ氏から
「(A社の)取引銀行を相手に裁判を起こす! うち(A社)の名誉を守る!」くらいのことを言われます。(呆

工事が終わってから最初の入金があるまでずっとそんな話を聞いておりました。
Ⅰ氏の話しを聞きながら、なだめ、同情し、時に「会社とは」「信用とは」「社長とは」等の話をし諭しながら。
「いいからとにかく振り込んでくれ」という一心で、毎日毎日「今日も銀行から振り込まれてないよ」と連絡を入れていました。
一応知り合いだったからなるべく大事(おおごと)にしたくなかったもので。

三ヶ月ほど経ったある日、工事代のうちの10万円が振り込まれました。
そこから数か月間ちょこちょこと細かく振り込まれて
「お、これは何とか全額回収出来るかな?」
と思った残り約16万円のところで音信不通になってしまいました。
連絡しても既読が付かない。
既読が付かないから返信がない。
電話は掛けても出ないのは分かっている。
少しだけ待ってみよう、と連絡の付かないまま一ヶ月待ちましたが入金されず連絡来ず。
「知り合いだから」と思っていた私でしたが、さすがに相手の不誠実な対応に我慢が出来なくなりました。
地元の商工会に入会していた私は、以前から送られてくる封書に同封されていた「無料弁護士相談」という機会を使ってみようと思いました。
とにかく少しでもいいから話しを前に進めたかったんです。

弁護士さんと相談当日、予想はしてましたが
「回収する工事代の金額が少なくて(私が)損します」と言われます。
やっぱりな、と思いましたがその後に弁護士さんが
「なので自分で裁判を起こしてみたらどうですか?」と。

私「何もわからない素人の私でも出来ますか?」
弁「出来ると思います。裁判所に行って相談してみてください。因みにこういったケースは淡々と事を進めた方がいいです」

自分で裁判か…
独立する前に同じ会社で働いていた仲間が、住宅を退去する際に管理会社を相手に退去費用の件で裁判を起こした話しをしていた事を思い出しました。
そうか、あの人がやれたなら自分もやれるかもしれない。
でも裁判所と言ってもどこの裁判所に行ったらよいのか。
すると弁護士さんが「簡易裁判所」を教えてくれました。

「簡易裁判所」
恥ずかしながら初めて聞いた名前でしたのでどこにあるのかもわからず。
今回の場合、原告(私)が住んでいる住所を管轄している裁判所に訴えることになるらしく、弁護士さんが隣りの街にある事を教えてくれました。
「なるほど。裁判所もわかったし、ならば実際に訴えるまでもう少しだけ待ってみるか」といつもの私ならなったのかもしれませんが今回は既に十分待ちました。
教えてもらった翌日か翌々日には簡易裁判所に行ったと思います。

さて、裁判所に行ったはいいが何をどうしたものか。
受付で聞いてみます。
「工事代を払ってもらえず弁護士さんに相談したところこちらだと。裁判所から督促状を送って貰うとか少額訴訟という制度とかがあるらしいのですが云々」
と窓口の担当者さんに伝えます。
話を聞いてくれていた担当者さん、
「少額訴訟ですと相手側(被告 今回だとA社Ⅰ氏)が反論すると次は通常裁判になります。なので最初から通常裁判で進めた方が良いのでは」
と教えてくれました。
少額訴訟でも難しそうだな、と思っていたので通常裁判と聞いてハードルが一段上がった感じ。
弁護士さんに話した時同様に
「何もわからない素人の私でも出来ますか?」
担当者さん
「出来ると思います」

裁判を起こすまでの手続きを色々と教えてくれました。

・訴訟の申し込み、いわゆる「訴状」を作成し提出すること。
(当事者の表示(自分と相手の事)、請求の趣旨(幾ら払ってないから遅延金含めて幾ら払って)、請求の原因(裁判をする理由)、取引一覧(〇月に〇工事費〇万円、△月に△工事費△万円)等の添付書類あり)
・訴えるために必要な証拠を作成する。
・その証拠を秘書官さんが確認して裁判になるかならないか判断する様になる。

ザクッと書くとそんな感じだったと思います。
なるほど… やはり難しそうだ…

確か訴えを起こす前月の半ばだったと思います。
ちょっとビビった私は
「今月末に入金があるかもしれないから少し待ってみます」
と伝えて裁判所を出ました。

当たり前ですが今まで待って連絡も入金も無かったのだから今回も当然もありません。
待つだけ無駄な時間なんですね、こういう時間。
気持ちはモヤモヤするし、相手の事を思い出すと腹が立つ。
精神的にもよい状態ではない。
自分にそう言い聞かせて翌月再び簡易裁判所へ。

「お忙しいところすみません。以前に話を聞いていただいて裁判の手続きをしようと思うのですが…」
と訪ねて行った私を対応してくれたのは前回の担当者さんではなく、その人の上司(先輩?)みたいな人。
ちょっと苦手な感じがするな、と前回行った時に思っていた人だったのですが、話し方はとりあえず具体的な手続きの話をサクサクと教えてくれます。
「訴状は作りましたか?」
「作ってないなら雛形があるからそれを見ながら書いてください」
と丸印やアンダーラインを書いて教えてくれました。
もちろんそれでもわからないことだらけですが、とりあえず話は進みます。「提出時に間違いがあるといけないからボールペン等ではなく消せる鉛筆で記入するとよいと思います」
なるほど。
その日は訴状の雛形を貰って帰りました。

次は証拠集め。
証拠集めといっても私の場合、被告Ⅰ氏との会話のやりとりがメインになります。
過去のメールやLINEのやりとりで取引に関わるところを印刷。
たまたまですがⅠ氏に送っていた施工後の写真や資料、申請に提出した書類等がこの時に役に立ちました。
見積書、請求書、写真、資料、申請書類。
それにⅠ氏とのやりとりの中で「銀行を訴えるために作ってくれ!」と言われて作ったA社側に送った催促状に督促状。
その辺のやり取りと書類も全て証拠にしました。

契約書がないため、I氏から私の会社に工事を依頼する意思があったという事を証明するのが重要な気がした私は、過去のLINEの会話を含めて全部で50近くの証拠(書類、写真、LINEでのやり取り)を作成。
それを持って再び簡易裁判所に行きました。

証拠には空欄部(私は右上)に「甲第〇号証」(※〇の中は数字)の文字を一枚一枚に書き込みます。
(※後から気が付いたのですが、裁判所に「甲第 号証」というスタンプが置いてあってみたいです)
中には「あぁ、これは前のやつとの繋がりがある書類だな。これを途中に入れて後ろの番号変えるの大変だな」という証拠があるかと思います。
その際には「甲第〇号証ー1」「甲第〇号証ー2」と途中に入れたり出来ました。

いざ裁判所に訴状、その他書類を提出、の前に当然裁判費用等が必要となります。
これは切手と収入印紙で納める様になると思います。
金額は訴える時に金額の変更があるかもしれませんので裁判所で確認してみるのがよいかと思います。
訴額(被害額)によって費用も変わってくるはずです。
でも10万円とかそんな金額には簡易裁判所で対応してくれる事案ではならないはず。
その辺も全部裁判所で教えてくれます。
裁判の相手(被告)の証明書が必要になると思いますが、これは相手が法人であれば法務局に行って法人番号を伝えれば(書き込めば)発行してくれます。(※相手が個人や個人事業主だとまた別だと思います)

さて、訴状、その他書類、それに費用を揃えて提出。
訴状関係は一部を作成、控えはコピーで大丈夫だったと思います。
そのため、ある程度書類が出来上がったら担当者さんに見てもらって、OKを貰ってからコピーを取った方がコピー代は掛からないかもしれないです。
判子を押してしまうとコピーして使用出来ないと思うので判子は提出時に教わりながら押しました。
証拠関係は裁判所用、被告に送る用の二部が必要になると思います。
私は私の控えとしてもう一部、全部で三部作ったと思います。

提出すると受付票と期日請書という書類をもらいます。
受付票は「今回の事件は「令和〇年(〇)第〇〇〇号」」と書かれた書類。
この番号で今後、裁判所に問い合わせたりすることになります。
期日請書は、秘書官さんが判断して裁判になると決まった場合に「裁判ですが〇月〇日〇時でどうですか?」と連絡をくれます。
その連絡でOKだった場合にこちらから裁判所に書面でOK連絡を提出するための書類になります。

提出後、一週間から十日くらい経った頃でしょうか。
裁判所から「裁判の日程はこの日でどうですか?」と連絡がありました。
当たり前ですが突然電話で掛かってきますので裁判所の電話番号を登録しておくと便利かもしれません。
また「登録しておいてください」と言われた気がします。
この電話がくるタイミングはネットで調べてみますと、裁判所の忙しさによって変わるとの事。
空いていれば早く、混んでいれば遅く、という事だと思います。
電話で返答後、期日請書に記入をして裁判所にFAXを送ります。

因みに裁判の日程ですが、これまたネットで調べたところ、被告側にもそれなりに準備や言い訳期間が必要でしょう、という事からかちょっと先の日程になるそうです。
実際、私は裁判所から連絡を貰った一ヶ月後くらいの日程でした。
被告に「あなた、訴えられましたよ」と連絡が行って二週間くらいが準備期間になるそうです。
そこで被告から言い訳書等が提出されなければそのまま裁判に。
言い書が出て秘書官さんが諸々判断した場合は裁判が無くなったり、延期になったりするのでしょうか。
また、その間に「やばい」と思って入金をする被告もいるらしく。
訴状を出すときに「被告が入金してきたら裁判はどうなるんですか?」と質問したところ、「裁判所としてはそれが一番望ましい解決方法です」と。
そうですよね。争い事なんてない方がみんないいんですよね。

さて、私のケースですが予想通り。
言い訳期間中に被告から私に対して何も音沙汰は無く。
裁判所に対しても何も無く。
更には裁判当日も出廷せずでした。
何となく予想はしておりましたが。

ですがこれは言葉は聞いた事がある「欠席裁判」という形になるようで。
裁判長の言葉を聞いておりますと「(準備、言い訳)期間中に対応なく、裁判にも欠席のため被告は争う事(反論)が無いと判断し、原告の勝訴」と。
「争う事がないから出廷しないのでしょう、だから原告が言った事で全部合ってますね?」という判断になるようです。
実際はその日から一週間後くらいでしょうか。
判決言い渡しがありましてそこで確定する事になります。(たぶん)
でもその日は出廷しなくて大丈夫ですよ、と裁判長に言われました。
行ってみたかった気もしましたが仕事がありましたので行きませんでした。

無事、勝訴となり一件落着と思いますがそうではない。
実際はここからなんだと思います。
払わない、連絡しない、裁判出ない会社や人からどうやって工事代を回収するか。
裁判所から判決文が届けば少しは変わるかと思ったけどやはり音沙汰無く。
出ないとわかっている電話をして更に嫌な気持ちになるのも嫌だった私は差し押さえの手続きに入ります。
ところがこれが大変。
私のケースですと相手のA社はここから遠く離れた県に所在し、代表者I氏の住民票もその県にある。
でも実はI氏は私の隣りの県で生活しており、その事は裁判所もわかってはいる。
それでも差し押さえの手続きは相手(A社)の所在地で行う事となる、という事なのです。

決まっている事なので仕方がない。
遠く離れた、今度は地方裁判所に電話連絡を入れてこれまでの経緯を話します。
少々面倒くさそうに話す方が今回の担当者さんでした。
少し嫌な気持ちにもなりましたがそれでも回収しなければならない。
モゴモゴと教えてくれますがいまいちわからない。
どうやったらいいんだろう…

差し押さえの手続きに際して、知り合いに行政書士さんを紹介して貰いました。
弁護士さんより費用を抑える事が出来るみたいですし、なんといってもプロですから。
でも行政書士さんによって得意不得意があること、もう少し言うと「そういう案件はやったことない」というパターン。
最初に相談した行政書士さんからそちら関係に慣れている行政書士さんを紹介して貰いましたが、
「弁護士さんほどの費用は掛からないまでもやはり数万円は掛かります。総額で16万円ですと費用が締める割合がそれなりになるのでは?」
との事。
そしてやはり
「ご自分でやってみては如何でしょう?」と。
「素人ですが…」
「大丈夫だと思います」
そうか。ここまで来たならやってみるか。
そう思って以前、簡易裁判所から教えてもらったサイトを見ながら書類を作る事に。

『民事裁判 21』
で検索すると出てきますが、手続きに使用する書類の雛形がここに掲載されています。
『差し押さえ』で検索すると差し押さえ時に必要な書類が出てきます。
ですがここで問題。
相手の何を差し押さえるかで諸々と手続きやら書類やらが変わるようです。
私の場合、今回のⅠ氏とのやり取りの中でⅠ氏のA社取引銀行口座を知っていた。
また別の口座も過去の振込遅れの話の流れでⅠ氏本人から
「〇〇銀行の〇〇支店の口座から振り込んだ」と写真で送られてきていた事が幸いし特定出来ていたわけです。
これが仮に車や建物、その他物品とかですと、それが本当にA社の持ち物なのか証明しないと手続きに入れないらしく。
個人が相手の車の名義や土地建物の名義を調べるのは難しいですよね。
たぶん出来ないのではないかな、と思います。
この辺は弁護士さんの出番なのかもしれませんが、訴えた金額の大きさ次第になってしまうのだろうなぁ…と痛感した部分でした。

そしてここでまた問題。
「Ⅰ氏個人の物(口座)だったら差し押さえる事は出来ますか?」
と聞いてみましたが、あくまで被告が対象。
今回ですとⅠ氏ではなくⅠ氏の会社A社が被告のため個人名義の口座は差し押さえの対象にはなりませんでした。
幾つか口座を知っていたため、その口座から合計して全額回収するつもりだった私の計画はそこで断念。
A社の口座一つに賭ける事になります。
しかもその口座にお金がなかった場合は空振りとなり、その後、くり返し手続きは出来るがその都度、書類を送ったりする必要があるという事。
これがなかなか現実では厳しいかもしれないです。

通常の会社であれば口座を差し押さえされてしまえばとても困る、はず。
でもA社の場合は果たしてどうなのか。
色々と考えましたがここまで来たら最後までやってやろうと。
前回の簡易裁判所の判決が出ると被告に対して
「こんな判決が出ました」
と裁判所から判決文か送達通知が送られるようです。(たぶん)
この送達通知と判決文。
これを差し押さえる裁判所に送ります。
そのため、簡易裁判所に行ってその書類を出して貰う手続きをし書類を入手します。
簡易裁判所から貰った判決文、送達証明書。
差し押さえをお願いする裁判所に提出する書類。
そして手続き費用を送る事になります。
差し押さえをする相手が増えればその分、費用も増えたと思いますが、増えてもその費用は請求権目録の中の差し押さえ費用に入れられると思います。

今回、口座差し押さえ手続きをするのに私が地方裁判所に送った書類は

・債権差押命令申立書(差し押さえる命令を出して下さい)
・当事者目録書(債権者は私、債務者はA社、差し押さえ対象は第三債務者 △銀行の△支店)
・請求債権目録(差し押さえる元の金額は〇〇円、それに対する損害金が〇〇円、この差し押さえに掛かる費用は〇〇円、だから全部で〇〇円)
・差押債権目録(全部で〇〇円を△銀行にこの順番で差し押さえしてください)

以上を裁判所、被告、差し押さえをする口座がある銀行分の三部を作りました。
この時、差し押さえをする先が増えれば書類もその分必要になると思います。
それと債務者(A社)の証明書、差し押さえをする相手(第三債務者 △銀行)の証明書が必要になります。
これはまた法務局に行って法人番号から発行してもらいます。
返信用に使う、自分への宛先を書いた封筒も必要です。

また事前に先に差し押さえを掛ける銀行に連絡をして、こういったケースの場合はどの部署に送ったらよいのか確認もしました。
当然、差し押さえを掛ける相手の名前は言いませんし聞かれません。

最終的な費用に関してはやはり裁判所に確認するのがよいかと思います。
それでも前回の裁判と同様、そこまでの高額にはならないと思います。(16万円くらいの場合)

さすがに今回は遠く離れた県にある裁判所のため、自ら提出をしに行くわけにもいかず、書類は全部郵便局からレターパックで送りました。
追跡が出来て、担当部署に手渡しという事でしたのでレターパックにしましたが、少しでも安くしたい方は普通の郵便でも大丈夫だそうです。

これから先は私の場合、です。
提出してから数日後、差し押さえ口座がある銀行から封書(陳述書)が届きました。
さてどうか…と思いながら開封しましたが、結果は「差し押さえ出来ません」
理由「債務者の預金残高0円のため」
という予想をしていた様な、でも普通そんな事ある?みたいな結果。
つまりA社が普通の会社じゃない、って事なんでしょうけれども。

債務者のA社 Ⅰ氏のところには地方裁判所からの「債権差押命令」が送達されたらしく、私の手元に「債権差押命令」と「送達通知書」が届きました。
銀行からの「陳述書」は債務者のとことに届いているのかは私にはわかりません。

ん~。この書類がⅠ氏に届いても音沙汰無しか。流石に積んだかな…
と思い数日が過ぎました。
工事した箇所を弁護士、警察に確認した後に撤去に行くか、等考えながら通帳記帳をしに銀行へ行ったところ、なんと数日前に工事費がA社から振り込まれていました。
ついにやった!とは思いましたが振り込まれたのは工事費だけ。
先ほど書きました差し押さえ手続き費用が含まれておりません。
損害金、手数料の合計金額が書かれていたのになぜ?と思いましたが今更そんな事を詫びの一言も無く入金してくる人間に問うても仕方がない。
「手続き費用を払え」と書いた督促状を作成し、A社、そしてⅠ氏が住んでいる住所に送りました。
結果、届いた翌日に差し押さえ費用も振り込まれました。

これにて全額回収完了!と思いましたが待て待て。
最初の裁判の費用は?と思います。
実はこれ、地方裁判所に書類を送る前に簡易裁判所に確認をしに行っております。
その時に秘書官さんに
「債務者にお金がない場合、「裁判費用を払え」書類を作って送ってもまた無視されて、それを回収するのにまた別に地方裁判所に差し押さえ手続きを取る必要になるでしょう。それなら先に工事費等を差し押さえ出来てからの方がよいのでは?」
と言われました。
なるほどそうだよなぁ…と思った私は裁判費用は後回しにしておりました。
ですがここまで時間と手間を掛けて回収した工事代金。
それと同じ作業を再びやるのか?
裁判に掛かった費用(裁判に出廷した費用等も請求出来るはず)一万数千円だったと思いますが、最終的には腰が上がりませんでした。
費用対効果というものとは違うと思うのですが、時間と手間を考えると悔しいですが諦めというか、負け惜しみではないですが「勘弁してやる」という感じでした。

後日、地方裁判所に「取下願」と「債務者名義等還付申請書」という書類と、私の宛先を書いた返信用封筒、返信用切手を同封して送りました。

・取下願(差し押さえの手続きを取り下げます(回収したので))
・債務者名義等還付申請書(地方裁判所に送った判決文等をこちらに返却してください)

数日後に地方裁判所から判決文が書留で戻ってきました。
何とか年内に片付けたかったのでこれにて一応完了。
大変疲れた経験にはなりましたが、結果としては工事代、損害金、差し押さえ手続きに掛かった費用の回収は出来ました。
契約書があったら最初の裁判の証拠作りの際に良かったかな、とか思う事は多々ありました。
ただ… もうやりたくないですね、こんな事は。
払わない相手が悪いのですが、苦労をして回収して、もちろん回収出来た事は自分で自分を褒めてあげたいと思いますが、まぁ大変。
取引相手が途中から豹変した、なんて話も聞いた事がありましたが、取引相手には十分注意をして、面倒でも契約書等の何かしらの種類は交わすべきだな、と今回思いました。

きちんと仕事をしたのに代金が払われず苦労している方、泣き寝入りした方が沢山いらっしゃると思います。
本当に悔しい思いでいっぱいになります。
そんなまともな業者さんが苦しまずに、払わない相手が苦しみますように。
最後の締めは恨みのような形になってしまいましたが、この駄文が少しでも誰かの何かのチカラになりますように。

長文駄文、失礼致しました。



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