就学男児は女湯に入れないと知って初めて離婚の弊害を感じたりそうでもなかったり
離婚して初めて子どもたちと旅行へ行った。
さてお風呂の時間となり、いつもなら下の子はわたしと上の子はお父さんと入るのが常であった。
そのお父さんがいない旅。
1年生を1人で男湯に入らせるのは親として色んな意味で不安があった。
本人の意思を確認したら「1人で入ってみる」とのこと。部屋風呂ですべてを済ませてから大きなお風呂に浸かりに男湯の暖簾の前に行った。
「お母さんここで待ってるから」
声を出さずにうなづいた子どもは前をしっかり見て暖簾をくぐった。
3分もしないうちに誇らしそうな笑みを浮かべて暖簾から飛び出して戻ってきた。
「入ったの?」
「うん、中のお風呂も外のお風呂も全部入ってきた!!!」
その速さからパッと入っては次のお風呂へ行きまたパッと入ってを繰り返したのだろう。
よくがんばった。こうして父親がいる家庭とはちょっと違う経験を少しずつ積んでいくのだろう。
*
次の学年に上がった年。保育園時代からの仲良し家族たちと旅行へ行った。
そこではパパ友たちが子どもと男湯へ。
元夫を知っているパパたちもこの離婚騒動を経て思うところがあったのか。
お風呂から出てパパたちにお礼を言った。
女児のパパは「なんか分からなかったけど頭洗ってあげたよ、シャワーを上からかけたけど大丈夫だったかな??」と目を細めてくれた。
別のパパは「本当はダメだよ、けどね写真撮ってきたよ」と言って、五右衛門風呂に入る子どもたちの弾けた笑顔の写真を見せてくれた。
みんな本当にありがとう。
後部座席で寝てしまった子どもたちをバックミラー越しに見ながら、帰りの車で感謝の気持ちからわたしは泣いた。
感謝の気持ちと、ほんの少しだけ子どもたちに「ごめんね」の気持ちが入り混じった感情。
いつもいつも支えられて助けられて、わたしだけじゃない、子どもたちもそうやって生きていけばいい。
助けてもらった分、何かの時に手を差し伸べて、別の形で感謝の気持ちを表しながら、楽しく過ごしていけばいい。
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