『俺の家の話』の話 第四十三試合

さて昨日の続きを。
念には念を入れて石井さんのスケジュールを抑えた収録。
当初セコンドだけとの話でしたがスタッフさんからの電話があり。
『実は対戦相手を石井さんに出来ないかと言う話がありまして…』
試合中に二階席との掛け合いがあったからだろうか、プリティではなく石井さんが急遽世阿弥マシンの対戦相手に!
いや本当に石井さん呼んでおいて良かった!

そして一度だけあった練習日。
長瀬さんの希望でタックルで倒される→跳ね起き→カウンタードロップキックと言う難しいシーンがあったのですが。
長瀬さんから動画を見せられていた私は石井さんに
『分かりますかね?川田さんとハヤブサさんであった攻防なんですけど…』
と動画を見せようとすると。
「あ、97年の最強タッグですね。分かりますよ。最後は18分くらいで川田さんがパワーボムで人生さん」
出た!
脅威の記憶力!
動画も見せるまでもなくどの試合か、どのシーンか分かってしまいました。
恐ろしい!

そして何度か練習してあの一連の流れが完成したのですが。
ティヘラもムーンサルトも割とあっさりこなした長瀬さんが唯一苦手だったのがドロップキック。
人を強く蹴る事にやはり躊躇があった様で。
優しさの塊りみたいなとこありますから!
なかなか上手く出来ずに『やりたくない』と言ってた事もあったのですが。
放送を見たら分かる通り完璧に出来る様になってます。
それも蹴ったあと横回転ではなく限りなく縦回転に近い形になって!
あれは長瀬さんの大好きなハヤブサさんの形に近付いていました。
収録ではカットが掛かった後に思わず拍手が起きたくらいです。

そして練習の時に『僕は絶対大丈夫なんで思い切り蹴ってください』『もっと強くて大丈夫です』と何度もドロップキックを食らった石井さんの強靭さ。

色んなパターンを考え長瀬さんのやりやすい形を提案しつつ分かりやすく根気強く指導を続け、時には悔しがせたり、時には褒めたりモチベーションを保たせ続けた勝村さん。

そして何もせずにただただ見ているだけの私。

その場にいた私以外の全員の力が合わさって出来たのがあのシーンなのです!
一番凄いのは長瀬さんのセンスと努力の結晶ですが。
他にも振り向きクロスボディの話、スワンダイブの話、何故あのドロップキックが綺麗に決まるのかなど話したい事は沢山ありますがそれまたの機会に。

そんな俺の家の話の話。

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