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にっきそ 6/4

6/4(火)
突然ですが我々DDTプロレスリングは明日6月5日に新宿FACEで興行があります。
KING OF DDT一回戦で現役無差別級王者の上野に勝った髙木さん。
その後色々ありましてこの日二人がタイトルマッチを行います。
勝った方が今年の両国に王者としてメインイベントのリングに立ちます。
髙木さんにとっては初の両国メインが懸かった試合。
注目せざるを得ないでしょう。
そして久しぶりに結成されたスマイルスカッシュがDAMNATIONの持つ6人タッグ王座に挑戦。
CDKの5周年記念試合として大石旭と珠玉の一戦。
NOAHから小峠選手が参戦して秋山さん、松永さんとトリオを組みBURNINGと激突するちょっとピリつきそうな試合もあります。
そんな中、大変恐縮ではありますが私の14周年記念試合なるものも組まれております。
私にとっては初の記念試合。
って14周年ってなんでそんな中途半端な…と思う方もいらっしゃるかもしれません。
私もそう思っています。
いや、思っていました。
ちょっと今回はこの試合について筆を取らせて頂きたいと思います。

とある日の事務所。
会議室でミーティングをしていると隣の部屋でのミーティングから声が聞こえて来ました。
「木曽君のデビュー月だから記念試合とか組んでさぁ…」
私は直ぐに隣の部屋に駆け込み言いました。
『いや、そういうの自分本当にいいんで勘弁して下さいよ!』
今までその手の試合はやった事がないですし、もっと言えばドロップキックやスワンダイブのイベントも丁重にお断りしてきました。
なんというかそんなタイプの人間じゃないというか、極端に言えばそっとしておいて下さいと(笑)
前にも書いた気がしますが私の理想はお客様の心に残らないレフェリングというか。
良いも悪いも全く感じさせないレフェリングが理想だと思っている節があって。(あくまで個人の見解です)
もっと言えばこの先、記念興行やプロデュース興行をやるつもりも全く無いのです。
私はそういうんじゃないだろみたいな。
という面もありますし、そもそも大会のカードを考えるなんてきっと出来ないです。
そりゃ学生の頃は授業中ノートに敬称略で失礼しますが
・三沢vs武藤
・川田vs橋本
・田上vs蝶野
・小橋vs健介
・秋山vs馳
とか書いてましたけど(笑)
実際ファンの皆様が「観たい!」と思う様なかつ実現可能なカードを組むって相当難しいと思うんですよね。
私にはトラック運転したり若手とリング組んでる方が合ってます。
それはそれでまた難しく誇り高き仕事でもありますし。
って事で一度はお断りしたのですが。
「いやそんなに難しく考えないでさ、一試合だけだから。DDT以外の選手とか呼べば良いんだよ。他団体で仲良い選手とかいるでしょ?」
『まぁ一緒に野球観に行ったりとか…』
「それでいいじゃん!広島カープファンレスラー集めれば良いんだよ」
みたいな流れになりまして。
しかも冷静に考えれば私は社員なわけでして。
余程の事が無ければ上司に言われた仕事を断るって無い話だなとも。(あくまで個人の見解です)
まぁそんなこんなで14周年記念試合をやる事になったわけです。
なぜ15周年まで待たない?って話もありますが昨今のDDTでは割と記念試合と銘打たれる試合も多く。

実はやると決心したのにはもう一つ理由があります。
二月に大鷲さんの興行がありました。
「今やりたい試合はいつもう出来ない試合になるか分からない」
自らの負傷欠場を経てそう思った大鷲さんは「あの頃同じ夢を見て歯を食い縛った仲間達」と23年の年月を経て同じコーナーに立ち、かつての先輩たちとの試合をメインに興行を開催。
素晴らしいコンセプトの興行でしたがもう一つの注目カード、バラモン兄弟vs斉藤ブラザーズの試合は斉藤レイ選手の負傷によりカード変更。
しかし変更カードはバラモン兄弟vs青柳兄弟というこれもまた素晴らしいカードに。
ところが今度は青柳亮生選手の負傷によりカード変更!
僅か二週間弱の間に目玉カードが二つも実現不可能になってしまいました。
まさに「今やりたい試合はいつもう出来ない試合になるか分からない」のです。
そして昨年から赤井さん、坂口さん、NOSAWAさんと私に大きな影響を与えて下さった選手が続けて引退されました。
突然の事でしたしあまりに時の流れが早くてあっという間にその日は来てしまって。
赤井さんの時は無事に送り出せた気がしてホッとして。
坂口さんの時は試合の途中から涙が止まらなくて。
最後の時が近付くにつれて色々考えちゃうんですよね。
もっとこんな事がしたかった、あの時ああ言えば良かったとか。
NOSAWAさんの時は入場の時点で泣いていた気が。
引退発表された時、最後にもう一回だけでもレフェリー出来ないかなって思ったんです。
でもそんなに都合の良い事は起きなくて。
東京愚連隊、もう一回だけ同じリングに立ちたかった。
そう、「今やりたい試合はいつもう出来ない試合になるか分からない」んです。
足音もせずに突然やってくるかもしれない。
それを考えた時、これがきっかけなのかなと思いました。

さて、どんなカードにするか。
自分の自主興行でしたら私に関係のある選手を沢山集めるのも良いかもしれません。
でもDDTの興行の中の大事な一試合です。
ファンの皆様に喜んで頂ける事、そして会社の為になる事を考えました。
かつ私の周年っぽいカード。
とにかく色々考えました。
多分20個くらいは提出した気がします。
会社の為になるってどういうことか、何か恩返しが出来ないか。
そこでここはやはり若い子の糧になるような試合を組んであげたいと思いました。

辿り着いたのは石井&入江vsTo-Y&夢虹。
やっぱ自分がカードを組むとなって真っ先に浮かんだのが石井さんと入江さんでした。
私にとっての「あの頃同じ夢を見て歯を食い縛った仲間達」です。
レスラーとしては勿論のことタッグとしての実力も実績も言う事なし。
そして石井さんの色々なヤバさはもっと世に出るべきです(笑)
入江さんとは一緒に沖縄旅行に行ったかと思えば大久保の横断歩道の真ん中で胸ぐら掴み合って喧嘩した仲。
公私ともに本当にお世話になっています。
二人とも最高なんですよ。
プロレスラーとしては(笑)
あ、ガンプロが三月いっぱいで独立しました。
私は独立が決まった時点でサイバーに残る事、一旦ガンプロのレフェリーはしない事は決めていました。
最後の試合は上野でした。
私試合中にリング上で改めて思ったんです。
「石井さんの試合のレフェリーってこんなに楽しかったんだなぁ」と。

小嶋は…あえて小嶋と呼ばせてもらいますが。
可愛いんですよね、後輩として(笑)
二日酔いで設営に来てフラフラで全く役に立たなかったり。
そうそう、覆面Dの練習も毎回参加してくれました。
朝六時から道場で。
メンディーさんや武知さんにも気に入られてとても良い雰囲気で練習も撮影も進みました。
常に笑いの絶えない現場で。
武知さんにも「コジ」って呼ばれて可愛がられてたなぁ。
朝六時の練習に毎回嫌な顔一つせず来てくれたんですよ。
二日酔いの日でも!(二日酔いばっかりかい)
あと実は心の奥に秘めた闘志は熱い男です。
舐められたら行くよ的な。

夢虹はまだ高校二年生で成長過程、体重も軽いかもしれません。
でもとんでもない運動神経の持ち主じゃないですか。
ちょっと日本のプロレス界を見てもここまでの運動神経の持ち主いないんじゃないかってくらいの。
しかも2016年デビューでもうキャリア8年ですよ!
キャリア20年でもまだ29歳です(多分)
末恐ろしい!
高校時代に石井&入江と試合出来るってとんでもない経験になると思うんです。(多分)
そしてまぁ可愛いんですよ、後輩として(結局そこ)
少し突っ込んだ話をすると毎大会試合に出られるわけじゃない夢虹に舞台を用意してあげたかったというのもあります。

実はDDTの中には結構石井さん、入江さんと試合したいって選手がいて。
今となってはなかなかそのチャンスも少ないじゃないですか。
その経験をさせて上げる事で若い二人が何かを掴んでくれれば、それはいずれ会社にとってもプラスになると思ったのです。
また、若手通信が好きだったファンの方、あの頃のDDTが好きな方に喜んで頂きたい。
二人の試合を見たことがない新しいファンの方々に素晴らしいレスラーを紹介したい。
そんな思いもあります。

要するに大好きな先輩二人と可愛い後輩二人のタッグマッチ。
結局自分の為やないかい!って話です。
ちなみに夢虹には誕生日と英検二級合格祝いでスニーカーを買ってあげる約束をしたのですが。
私がグズグズしてて先送りになっていまして。
そんな中で先日巨人ファンになったという話を聞きました。
残念ながらあの話は白紙になったかもしれません…

それでは明日新宿で会いましょう。

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