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あきらめずに生きようとする木を見ていて、思わず

今、わが家の隣家は新築のために、古い建物を壊しています。

最近は効率重視で、戸建て住宅の敷地でも、大きめの重機を使ってどんどん壊していきます。

騒音や振動はかなりのものですが、それでも隣家とわが家の境界には、隣家所有の常緑樹の高い生け垣があります。

それらの木がずっと守ってくれていたおかげで、騒音や粉塵、心理的な圧迫感など、さまざまな影響が緩和されてきました。

樹木がいてくれる心強さを感じた日々です。

それらの樹木も、もうすぐ切られるとのことで、先日、少なくなっていた枝葉をさらにばっさりと切り取られました。

切り口は痛々しく、ほとんど棒きれが立っているような状況。

樹木が好きでなくとも、関心がある人だと、ちょっと目を背けたくなる感じの寒々しい光景です。

こうなってから、溜め息をつきつつ、あと何日の命だろう、と思いつつ、木々を見ていました。

で、今朝、外に出たついでに、これらの木々の様子に目が止まりました。

すると、もう、ほとんど枝葉のない厳しい状態なのに、まだ生きるのをあきらめずに、新しい葉を細々と出しています。

写真ではわかりにくいかもしれませんが、ところどころに少し、見られます。

私はもうだめだ、とすっかり諦めていました。

ですが、シラカシ、ヤマモモ、これらの木は、まだまだ、これからも生き続けられる可能性にかけて、残り少ないエネルギーをふり絞って、眠っていた芽を開き、小さな新しい葉を開いています。

どこまでいっても、生きための努力をやめないのが、樹木という生き物です。

今朝は久しぶりに、悔しくて涙が止まらなくなった。樹木の大切さを十分に理解していながら、なかなかそれを守りきれない。

経済や効率、安全の前には、あまりにもちっぽけな存在ですが、目の前の、生きるのを最後まで諦めない木々の姿を見つめ、きちんと心に刻んでおこうと思います。

今の気持ちを忘れることなく仕事を続けていくために。

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