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昨日もオープンカレッジ

数年前までは大学のキャンパスでオープンカレッジをしていました。今は、少し離れた場所に、講座用のお部屋ができて、そこでやっています。

昨日は環境植栽学 No.3 の2回目、テーマは「砂漠化と砂漠緑化」でした。

「砂漠」と聞いてイメージすることは、人それぞれだと思います。

が、実は遠い場所の他人のできごとでもなく、都市の緑を理解するのに、重要な情報が含まれています。

私が指導を受けてきた先生は、一時期、アフリカ、中国などで砂漠緑化に関わって来られました。

あるとき、あまり他の人がしないと思う視点で、街路樹の水分状態を説明しておられたので、疑問に思い、聞いてみたことがあります。

すると、かつて砂漠で苦労して緑化していた時期の知識や経験が、日本の都市の木々の生育条件を理解するのに、大いに役立っているとのこと。

自分で幅広く経験することの大切さを感じました。

昨日は、先生がアフリカで撮ってこられた沢山の写真を見せてもらいながらお話を聞きました。

他の人からは聞けないお話で、しかも理論的な説明もきちんとしてもらえるので、受講生さんは「今日も楽しかった」と笑顔で会場を後にされていました。

昨日、学んで印象に残ったことはたくさんありますが、いくつかあげると次のようなものです。

・「砂漠」と一言にいっても、もともと降水量が極度に少なくて「砂漠」となる場所と、過放牧、樹木の伐採、耕作などの人為的な理由で、「砂漠化」してしまった場所があること。その事例。

・同じ家畜の放牧でも、動物の種類によって(口の形や草の食い方が異なる)植生に与えるインパクトが異なること。

山羊やヒツジは根っこまで食うので、裸地化しやすく、砂漠化が進行しやすい。

一方、牛やウマは草を少し食い残すので、比較的草が再生しやすい。

・世界的な統計では、森林と定義されている土地も、日本人の感覚からすると、草原か疎林(まばらに木の立つ場所)な場所が含まれている。

・樹林の密度を決めるのは、降水量の多い日本だと「光条件」だが、アフリカでは「水分条件」で隣の樹木と50mも離れていたりすること。

ところ変われば、という言葉もありますが、自分に見えていない世界がある、というのを知るのにも、こういう講座で勉強するのはよいですね。

これも、多様性を知ろうとすることにつながると思います。

コロナの感染防止対策のため、終わってから、学生が机を念入りに清掃してくれました。

気をつけながらも、知る・学ぶことをあきらめないように、やっていきたいですね。

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