木々に守られてきた生活は、今では…
身の回りにある木々の効用、というとどんなことが思い浮かばれるでしょうか?
私はいま、それを身にしみて感じて暮らしています。
古い住宅街に住んでいると、最近では、いたる所で建て替え工事が行われているはず。
わが家のお隣には、常緑樹の生け垣があったので、長年、それらの木々と共に、季節感を感じつつ、暮らしてきました。
上の写真は、まだ庭木が健在だった、今年1月の写真。下は、最近(4月下旬)の様子です。
ご近所では、ここ5年くらいでしょうか、連続して、常にどこかの敷地で建て替え工事が続いていました。その多くは、お庭に樹木がありました。
ですが、隣家が壊され、お庭の木々がすべてなくなると、その景観や環境の変化は、少し離れた場所での工事とは比べものにならないくらいの著しさでした。
樹木医として仕事をし、大学では、「樹木・生け垣の機能や効用」などという話をしてきましたが、実体験してみると、テキストに書いてあるレベルの話ではありません。
夜は煌々と明るい光が室内の奥にまで差し込み、騒音振動、すべて筒抜け。粉塵もかなりのもの。
もちろん、目隠しの樹木がなければ、視覚的にも丸見えです。
生け垣なので、長年強い剪定を受け続けて、かなり傷んでいた木々でしたが、あの木たちが私の生活をどれだけ守ってくれていたか、ひしひしと感じるこの頃です。
効率や経済性は、もちろん大切です。
ですが、土や樹木などの環境も、やはり大切。
それが普通に実行できる世の中に早くなって欲しい。いえ、そうなるように何かできることを探さなくては、と思います。
失ってますますよくわかる、住環境の緑の大切さでした。
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