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香のかうばしさぞ、この世の匂ひならず、あやしきまで、うち振る舞ひたまへるあたり、遠く隔たるほどの追風に、まことに百歩の外も薫りぬべき心地しける。 〜源氏物語 四十二帖 匂兵部卿 ♢♢♢ 甘い香りを漂わせ、秋の訪れを実感させてくれた金木犀の花も、いつのまにか見頃を過ぎてしまったようだ。街を歩いてもあの香りは感じない。 花の香り、匂いは芳しいけれど、人の匂いはどうだろうか。潔癖な日本人は匂いに敏感で体臭を嫌う傾向にあるという。源氏物語に登場する薫君は女性を引きつける強