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要介護3で出来る事

介護認定で『要介護3』が出た事によって、介護サービスを増やせる事が分かった。

実際のとこ、認定日に同席してくれたケアマネージャーの肌感では『要介護1』くらいだったらしい。
でも認定が出る1ヶ月弱の間にもどんどん症状が進んで、
「若年性認知症でこんなに進行の早いのってねえ…」と驚いていた。
多分、『主治医の意見書』で病気の特殊性を説明してくれたのかな、と思う。

ヤコブ病の患者には、進行が早すぎて介護認定を受ける事すら出来ない人が沢山いる。
ケアマネージャーにびっくりされるくらい進行が早くても、この病気の中ではゆっくりなのだ。


主人はと言えば独り言が増えて来て、多少せん妄も入っているようで、一人で怒っている事も多くなって来ていた。

かと思うと何故かルンバに執着し、両手でもったまま歩いているかと思うと、知らないうちにどこかに隠してしまう。
2階のリビングで充電中だったルンバが、3階の押し入れで発見された事も一度や二度ではない。

でもルンバを持っている時の主人は、どことなく嬉しそうでもあったので、何か
「可愛い物」という認識だったのかも知れない。
相変わらず黄菜子(猫)の事は大好きで追いかけてたけど、すぐ逃げられてたから。

可哀想にしょっちゅう充電器から外されて、たびたび長い事放置されるようになったルンバは、動かなくなってしまったけど。


忘れられない事があった。
一度夜中に殴られて起きた。
主人の顔が、完全に何か違うものを見てて、グーの手のまま
「この野郎」「あほんだら」を繰り返す。
ヘロヘロパンチだったので大して痛くは無かったけど、精神的なダメージが大きくて泣けて来た。

座ったままひとしきり悪態つき終わると、また布団に倒れ込んで寝た。

次の日に「夜中お父さん、私の事たたいたの、覚えてる?」と聞いたら、
「そんな事してへん」「ごめん」と言った。


そんな事もあったりしたので、ケアマネージャーさんが、
「ショートステイ(施設への短期入所)も含めたケアプランを考えましょうか」と言ってくれた時にはすぐにお願いした。
今デイケアで通っている施設は、お泊まりはやっていないので、また別の施設と契約からしないといけない。
それにデイケアに比べて家を出る時間も遅く、帰って来るのは早いので、仕事を遅刻したり早退けしたりしないといけないけど、夜ゆっくり眠れる。

ただ、ショートステイは定員があるので、そうそう都合よくは取れないし、やはり値段もそこそこかかる。
それでも、何とか週に一回ショートステイ、週末以外の残りの日をデイケアに通うプランを、ケアマネージャーさんが作ってくれる事になった。


この頃は本当に忙しくて、いろんな人に会って、常にバタバタしてたので、ものすごく長い時間だったような気がしてたけど、後で思い返すと、介護サービスにお世話になった時間は、結局2ヶ月弱だった。


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