見出し画像

アイデンティティよりクオリティ バンバンバザール 『4』

(パイオニア/2400円)

「日本のロックにオリジナリティはない」と、来日時に英国のブルース歌手、アレクシス・コナーは言ったそうだ。

余計なお世話である。

じゃああんたは英国音楽をやってるのか?
黒人のブルースをコピーしてんだろ?
ビートルズはアイリッシュのくせしてR&Bコピーしてたんだぜ。

黒人だって、父ちゃんやじいさんの作ったもんコピーしてんだろ?
なんだよオリジナリティって?

むしろ逆よ。
日本人の徹底したアイデンティティの欠如(アイデンティティなんて概念がそもそも日本にはないのさ)は、音楽に限って言えば良い結果を産んでると信じてる。

黒人音楽好きの英国人さえ真似しなかったヒップホップを徹底して自分流に作っちゃうし、ジャズなんて米国以上に面白いことやってるし、レイハラカミみたいなすごいテクノミュージシャンが出るし、徹底した物まねが逆にオリジナリティになってるモーニング娘。みたいな音もある。

アイデンティティよりクオリティだろ。

ってことで、バンバンバザールさ。

要は米国音楽の焼き直しだ。
ただし、徹底してる。
古くはラヴィンスプーンフルが、最近ではダンヒックスがやってるようなグッドタイムミュージックの羅列だ。

レコード会社やロック雑誌が、ブルースだジャズだ、カントリーだフォークだ、なんて分類してなかったころのごった煮サウンド。
しかも、よーくできてる。

“FRIDAYエビフライ”のようなアップテンポナンバーでも、『遠い君の家』のようなバラードでも、すべてが最高。
米国人以上に米国音楽してるかも。

あとは好みの問題だ。俺は大好き!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?