木原事件 官房機密費
馳石川県知事がオリンピック招致に絡んで、安倍元総理から官房機密費はいくらでもあるので必ず招致しろと激励されたことを自慢気に話していました。この発言はその後、本人自身が全面撤回しましたが、一人20万円の写真集がIOC理事に贈られたと言う話は国民の誰もが「さもありなん」と納得したままでしょう。倫理的には勿論問題だし、オリンピック憲章にも違反することなのでしょうが、官房機密費の使い方としてはそれほど悪手ではない気もします。
最近週刊ポストにこの官房機密費の話が出ていました。歴代官房長官で一番官房機密費を使ったのは菅氏だそうで、この官房機密費が安倍総理を影でしっかり支えていたようです。この記事で面白かったのは2010年のインタビューで野中元自民党幹事長が官房機密費の使い方を暴露していた部分です。野党議員への国会対策費の他、新聞記者、政治評論家、ジャーナリストにもメディア対策費が配られていて、この時お金を受け取らなかったのは田原総一朗氏ただ一人だったと話しています。今回その田原総一朗氏が官房機密費に関する生々しい実態を話されています。現金は反物の箱に入っていると言う噂もありますが、実際は普通に紙袋にお札が入っていて官房長官や自民党の政調会長が持って来るようです。ただ断るのが大変なそうで固辞すると「では今後取材は出来なくなるぞ」と脅しをかけて来るそうです。「私は田中角栄の時から断っている」と言うとさすがにその封筒を引っ込めて帰って行くそうです。
な〜るほど!ここで乙武洋匡氏がXにポストした意味が分かりました。彼は木原事件は事件性なしと言う報道が出たとたんに「文春はどう責任を取るつもりなんだろう。PVで相当儲けたんだろうな。親がさも犯罪者のように扱われたお子さんの気持を考えると胸が押し潰されるようになる。」とつぶやいていました。一見まともなコメントにも読めますが、乙武氏は本当に文春の記事を読んだことがあるのだろうかと疑問を持ってしまいました。アベマの会談で週刊誌のゴシップを嫌う発言をしてはいましたが「文春だけはジャニーズ事務所の問題や政治的な不正も追求していて、ゴシップで稼いだ金をそこに注ぎ込んでいるのかな」と文春を擁護するような発言をしていました。それだけに何故こんな権力寄りのポストをするのかなと不思議でしたが、官房機密費が新聞記者やジャーナリストにも配られていると言うことを聞かされるとあらためて合点がいきました。
木原事件は事件性なしという今回の報道は読売新聞記者が警察のリークをそのまま記事にしただけだと思っていました。でもよく見ると読売新聞は「警察は再捜査の際も新証拠が見つからず事件性なしとした。」と言う大嘘を書いているのです。新証拠がなかったどころか、Y氏のX子に関する新証言があったからこそ、捜査陣は色めき立ち、裁判所の家宅捜索令状まで取ったわけです。もちろん再捜査で事件性なしだったとは誰一人言っていません。それなのに「捜査が異常な形で中止された」と言う事実は「事件性がなかったので捜査は終了した」と言う大嘘に変わってしまっているのです。新聞記者に官房機密費が配られているのなら、こんな嘘記事が書かれるのもあり得る話でしょう。やはり日本のマスコミは終わっているのですね。