カードファイト!ヴァンガードG!! 未来への坂道④
翌日、剣斗の家に乃木坂学園から合否通知が届いた。
剣斗「開けてみるか。」
剣斗は内心ドキドキしながら、合否通知の封を開ける。
すると、その中の用紙には、こう書かれていた。
剣斗「神崎剣斗殿。あなたはこの度の乃木坂学園、編入試験において、優秀な成績を収められましたので、合格とさせて頂く事をここに証します。平成28年3月28日。乃木坂学園校長、秋元康。」
剣斗「よっしゃぁぁ!!」
合格の通知を見て、思わず剣斗はガッツポーズをしながら叫んでしまった。
すぐさま、剣斗は合格したことを海外出張に行っている両親に電話で報告した。
剣斗「もしもし、母さん?父さんと母さんに話したいことがあるんだけど、父さんもいる?」
母「あら剣斗、ちょうど父さんもいるわよ。それで、話したい事って何かしら?」
剣斗「オレ、乃木坂学園の編入試験に合格したよ。」
母「えええ!?ちょっとあなた!!聞いて!!剣斗が乃木坂学園の編入試験に合格したって!!!」
剣斗の母は剣斗が試験の合格の報告を受け、驚きながら、剣斗の父にそれを話した。
すると、母から父に電話の相手が変わった。
父「剣斗!!それは本当か!!?」
剣斗「ああ、本当だよ。」
父「あ〜よかったぁぁ!これで心配事が減る。お前を一人で家に置いておくのが不安で不安で。」
剣斗「大袈裟だよ。父さん。」
父「もし、お前に何かあったらと思うと、心配で夜も眠れない時があるんだぞ!?」
剣斗がなぜ乃木坂学園に編入することになった理由だが、単に両親が剣斗に対して過保護すぎるというのが理由だ。
剣斗の両親は自分達が海外出張に行く事になり、本当なら一緒に連れていきたかったのだが、剣斗自身の気持ちに答え、日本に残る事を許した。
だが、どうしても心配だったために、全寮制である乃木坂学園にわざわざ編入させたのだ。
それが決まったのはちょうど、高校一年の終わりだったので、ちょうどいい時期だったのも理由の一つである。
実は乃木坂学園の校長、秋元康と剣斗の父は幼馴染であり、剣斗の編入を特別に許してくれたのだ。
剣斗「だけど父さん、なんで普通科希望で言ったのに、芸能科希望に間違えるんだよ。」
父「それ関しては、本当にすまないと思っている。でもお前もそれでちょうどいいじゃないか。」
剣斗「いや、なんでだよ?」
父「プロファイター神村翔として、今まで頑張って来てるじゃないか。もはやもう芸能人だぞ?お前は。」
神村翔とは、今や世界中でその名前轟かせているプロのヴァンガードファイターの名前である。
その実力は本物でアジアサーキットなどの世界大会で優勝も果たしている。
剣斗「言っておくけど、オレはその事を言うつもりはないからな?まあ、校長先生と担任の先生には打ち明けるけどね。生徒たちとその他の先生には言わないようにしてもらうよ。」
剣斗のその言葉に、父は残念そうにため息を付いたが、最後は激励してくれた。
父「じゃあ、母さんに変わるぞ?」
剣斗「うん、父さんも身体に気を付けてね。」
そこで電話の相手が再び母に代わる。
母「剣斗?大丈夫?一人、家事洗濯できる?ちゃんと朝、一人で起きられる?」
剣斗「母さんさすがに心配しすぎだよ。大丈夫!ちゃんと一人で出来るよ。」
心配の言葉を次々に掛けてくる母に対し、剣斗はなんとかなだめようと、安心させる言葉を掛けた。
母「分かったわ。でも無理はしないようにね。何かあったら、」
剣斗「分かってるよ。じゃあそろそろ切るね。」
母「何かあったら、連絡しなさい。それじゃ、頑張ってね。」
剣斗「うん、じゃあね。」
母「またね。」
母のその言葉を聞くと、剣斗は電話を切った。
剣斗「そういや、オレの編入日はいつからだろ?」
剣斗は合否通知と同封されていた、これからの予定が書かれてる用紙で自分の登校する日時などを確認した。
剣斗「へぇ、同じ日に入学式もやるのか。」
予定表には剣斗の初登校日は、4月7日からと書かれていた。
その日は乃木坂学園の入学式にも出席するようにと、書かれていた。
4月7日の予定の流れはこうだ。
8時30分、ホームルーム
↓
9時、始業式
↓
9時50分、始業式閉式
↓
10時、入学式
↓
10時50分、入学式閉式
↓
11時10分、教科書や体操着などの配布
剣斗「なるほどね。あれ?もう一枚あるな。」
剣斗はもう1枚同封されている用紙を見てみた。
その用紙には、制服を受け取りに8時までに校長室にまで来るようにと書かれていた。
剣斗「あ、ちょうどいいな。この時にオレの正体を打ち明けよう。まあ神村翔の正体がオレ、神崎剣斗なんだけどね。」
剣斗は制服を受け取るタイミングで、自分の秘密を打ち明けようと決めた。
剣斗「おっと、そろそろ晩御飯の時間か。」
時計を見たら、既に19時20分を指していた。
外を見てみると、街灯が点灯しており、空も漆黒に染まっていた。
剣斗「さて、今日は海鮮丼にでもするか。」
剣斗はそう言って、冷凍庫に保存してあるマグロの切り身を電子レンジで解凍すると、綺麗に捌き、ご飯を丼に盛り付け、その上に、同じく冷蔵庫に保存していたイクラ、サーモン、イカ、そしてマグロを乗せた。
ちなみにこのマグロなどの魚介類は、ヴァンガードの大会での優勝賞品でもらったものである。
剣斗がプロファイターをやる理由としては、もちろんこういう賞品目当てでもあるが、なによりヴァンガード自体が大好きで、ライバル達とずっと楽しく戦い続けたいというのが最大の理由である。
剣斗「さて、それじゃいただきます!」
剣斗は海鮮丼を完成させると、すぐに食べ始めた。
口いっぱいにマグロなどの魚介の旨味が広がり、それを剣斗は堪能する。
剣斗はそれから、しばらくその海鮮丼の味を楽しんだ。
それから20分程度で、剣斗は海鮮丼を平らげた。
剣斗「ハァ、美味かった〜ご馳走様でした。」
海鮮丼を堪能した後、剣斗はすぐに入浴し、ヴァンガードのデッキを調整に時間を費やし、歯磨きを済ませてから眠りに付くのだった。
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