カードファイト!ヴァンガードG!! 未来への坂道②
第2話、ささやかな昼食。
食堂に到着した剣斗は、とりあえず食堂のおばちゃんらしき人に、どうすれば注文できるか聞いてみた。
剣斗「すいません、注文お願いしたいのですが、どうすればいいですか?」
おばちゃん「おや、あんた見ない顔だね。転校生かい?」
剣斗「今日は編入試験に来ていて、合格出来れば、転校して来ます。」
おばちゃん「ああ、そうかい。そういや、注文だね。お前さんから見て、左手に券売機があるから、そこで食券を買って、私の所に持って来ておくれ。」
剣斗「わかりました。ありがとうございます。」
剣斗はさっそく、券売機に向かい、言われた通りに、食券を買った。
ちなみに剣斗が買ったのは唐揚げ定食だった。
そしてそれを食堂のおばちゃんに手渡した。
剣斗「それじゃ、これお願いします。」
おばちゃん「唐揚げ定食だね。まいどあり。」
剣斗から食券を受け取ったおばちゃんは、厨房の奥に行き、調理を始めた。
その間、剣斗は近くの席に座り、唐揚げ定食が出来るのを待つ事にした。
それから待つ事5分、料理が出来上がり、おばちゃんから声が掛かった。
おばちゃん「はい、お待ち。」
剣斗「ありがとうございます。」
おばちゃん「試験、頑張るんだよ。」
剣斗「はい!!」
剣斗は出来た唐揚げ定食を持って、元いた席まで運ぶとさっそく唐揚げ定食を食べ始めた。
剣斗「美味い!これから先試験に合格したら、卒業までずっと食べれるのか。」
唐揚げ定食の唐揚げは外はカリカリで中はジューシーな味わいで、剣斗すぐにこの唐揚げ定食にハマってしまった。
また、それに付いているご飯もホカホカで甘みもあり、剣斗は夢中になって食べた。
それからものの数分で、食べ終わり、剣斗は自販機でジュースを買い、それを飲みながら、試験勉強用のノートの見直しを始めた。
剣斗「次は理科か。苦手って訳では無いけど、そこまで得意って訳でもないからな。これこそ本当に油断出来ない。」
剣斗はそう言いながら、真剣な表情で見直して行く。
見直しをしていると、なにやら隣から視線を感じた。
剣斗「ん?なんだ?」
視線の方に顔を向けると、おそらく乃木坂学園の女子生徒であろう女の子が二人、こっちを見ていた。
剣斗「えっと、オレに何か用ですか?」
?「え、いや別になんでもないねんけど·····」
?「うん、なんでもないよ。でも·····」
その女の子二人は、なにやらモジモジしていて何か言いたそうだった。
その時、だった。
グゥゥゥ〜〜〜
おそらく二人の女の子のお腹からであろう場所から、そんな音が聞こえた。
剣斗「もしかしてまだお昼まだなんですか?」
二人にそう訊くと、観念したかのように同時に頷いた。
?「実は、財布をどこかに落としてきてしまってみたいで。」
剣斗「え!?まさかとは思うけど二人とも落としちゃったの!?」
?「実は、そうやねん。」
剣斗は少し愕然としたが、なんとか助けてあげたいと思い、立ち上がり、券売機で、剣斗が先程まで食べていた唐揚げ定食の食券を二枚買い、その二人に渡した。
剣斗「はい。仕方ないからご馳走しますよ。」
?「え?そんな悪いよ!」
?「流石に申し訳ないわー!」
剣斗「困った時はお互い様ですよ。遠慮しないで下さい。」
少し強引めに言うと、二人は遠慮がちに食券を受け取った。
そしてその二人は物凄いスピードで、おばちゃんに唐揚げ定食をもらいに行った。
剣斗「すごいスピードで取りに行ったな(笑)」
そんな二人を苦笑しながら見ていると、予鈴のチャイムが鳴った。
剣斗「さて、そろそろ時間だから戻るか。」
剣斗(それにしてもこの学園、可愛い女の子が多いな。)
さっきの二人の顔を思い出し、思わずニヤけそうになっしまいそうになるのを堪えて、剣斗は試験会場である先程の教室に戻くのだった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?