盤上遊戯の学園支配(アカデミーストライク)①
第1話、始まり。
??「ここが、乃木坂遊戯学園か。」
豪華な校門を前にして、少年がそう呟く。
彼は白石〇〇。
見た目が中性的なことである事以外は、至って普通の高校一年生だ。
〇〇は入学試験に合格し、今日からこの学園の生徒となる。
〇〇「さて、オレのクラスはっと。」
〇〇はそう言って、他の入学生と共にクラス表の発表場所に向かった。
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〇〇「オレのクラスは、1年S組か。」
〇〇は自分のクラスを確認すると、その教室に向かおうとした。
??「キャッ!」
〇〇「ん?」
だが、一人の女の子とぶつかってしまった。
〇〇「あ、すいません!大丈夫ですか?」
女の子「は、はい。大丈夫です。」
〇〇「なら、良かったです。」
〇〇はそう言って、女の子に手を差し伸べ、立たせてあげた。
女の子「ありがとうございます。」
女の子はそう言うと、クラス表を見に行った。
〇〇もそれを見送ると、自分のクラスへと向かった。
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〇〇「えっと、オレの席は…あそこか。」
〇〇はそう言って、自分の席を確認し座った。
それと同時に、女性教師が一人教室に入って来た。
教師「はいみんな、席に着いて。まだ入学式まで時間があるから、この乃木坂遊戯学園について少し説明をします。」
〇〇(お、それは楽しみだな。)
〇〇はそう言ってニヤリと笑みを浮かべた。
教師「ここ、乃木坂遊戯学園はほとんどの物事はゲームによって決まります。」
〇〇(まあ、乃木坂遊戯学園って言うだけあってだいたいの事はそれで決まるよな。)
教師「校則然り、成績然り、増してや生徒会もゲームによって決まります。これがどういう事か分かりますね?」
〇〇(なるほどな、面白い…)
教師「詳しい事は、入学式後の最初のホームルームで説明します。それでは入学式が始まりますので、廊下に並んでください。」
女性教師の指示でS組の生徒達は、廊下に並ぶ。
そうして、女性教師の先導の下、〇〇を含めたS組の生徒達は入学式に向かった。
-体育館ー
司会「これより、第20回乃木坂遊戯学園高等学校、入学式を執り行います。」
司会の開式の言葉により、入学式が始まる。
司会「まず、一ノ瀬由美奈学園長より、お祝いのお言葉があります。」
司会がそう言うと学園長が壇上に上がって来た。
由美奈「新入生諸君、入学おめでとう。さて、君達は今日から、この学園の生徒となった訳だが、この学園では物事のほとんどがゲームによって決まる。」
学園長は言葉に少し怒気を乗せを話を続ける。
由美奈「成績、内申点、その他学園に関する事。」
由美奈が言うように、乃木坂遊戯学園はゲームのによって、物事が決まる。
しかし、どんな事に関しても限度というものがある。
増してや犯罪スレスレものはゲームに勝っても要求は出来ない。
当然だ。
そんなものがまかり通っては、乃木坂遊戯学園は学園の体裁を保っていられなくなる。
しかし、この学園にも法律の隙をすり抜けるように、その裏をかいくぐって来るヤツらがいる。
由美奈「そして重要なのは、諸君らの持つデバイスに表示されているダイヤだ。」
乃木坂遊戯学園では、入学時にダイヤが与えられる。
ダイヤは試験の合格した時に渡されるデバイスに表示される。
ダイヤが与えられる数は入学試験の時の成績によって異なる。
首席が5個、次席が4個、三席が3個、それ以外が1個となっている。
由美奈「ダイヤを多く所持していれば、その者はこの学園では成績優秀者として認定され、進路の時に有利に事を進められる。」
由美奈「また、ダイヤはゲームで他の生徒から奪う事が出来る。つまり諸君らは自分の成績を上げるためには、ダイヤを賭けたゲームで奪い合ってもらうことになる。」
学園長はそう言って、ニヤリと笑みを浮かべた。
〇〇(面白い、やっぱりこの学園に来て正解だったな。)
〇〇も学園長の言葉を聞いて、笑みを浮かべていた。
その笑みは、まさにゲーマーのそれだった。
由美奈「最後になるが、スキルと称号とエクストラダイヤについて説明して置こう。」
スキルはゲーム時に使える言わば能力の事だ。
使えるスキルは、所持ダイヤの数で変わる。
例えば、認識阻害のスキルを使うとしよう。
認識阻害のスキルはダイヤ3個以上で使用可能となるスキルだ。
つまり、ダイヤの所持数が2個以下の者はこのスキルが使えないというわけだ。
由美奈「次にエクストラダイヤだが、色の異なるダイヤの事だ。赤、オレンジ、黄色、緑、青、藍、紫の七色ある。これらは色により、それぞれ能力がある。」
七色のエクストラダイヤ。
これらにはそれぞれ特殊な能力がある。
由美奈「次に称号だ。諸君らは所持しているダイヤの数によって、それぞれ称号が与えられる。」
与えられる称号は、ダイヤ1個の場合、ソロ。
ダイヤ2個の場合は、デュオ。
ダイヤ3個の場合は、トリオ
ダイヤ4個の場合は、カルテット
そしてダイヤ5個の場合は、クインテットの称号が与えられる。
由美奈「今現在、クインテットの称号を持つものは二人しかいない。一人は生徒会長。そしてもう一人は、諸君ら新入生の中にいる入学試験の首席だ。」
〇〇(生徒会長が今の所、学園最強か。)
由美奈「私からの挨拶を以上だ。では諸君、せいぜい頑張ってくれよ?」
学園長はそう言って、壇上を降りた。
司会「学園長、ありがとうございました。では続きまして、新入生代表挨拶に移ります。本年度、首席、白石〇〇くん。お願いします。」
〇〇(よし、行くか。)
〇〇「はい!」
もう一人のダイヤ5個の持ち主、クインテットは〇〇だったのであった。
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