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落とし物を「失せ物」と呼ぶ理由

一般的に「落とし物」と呼ばれるアイテムを、あえて「失せ物」と呼ぶのには、私なりのこだわりがあります。

誰かの「失くしてしまったもの」
おみくじに「失せ物」という項目があります。あとには「出る」とか「出でず」とか「人もて(人の手によって)」といったような言葉が続きます。

これはシンプルに「紛失物」や「探し物」といった物理的なものを指し示すほか、「家族」や「恋人」のような対人関係から「仕事」や「信頼」といったものまで、広い意味での「失くしてしまったもの」を表しています。

さて、そう考えると、街に落ちているあらゆるアイテムも、持ち主にとってはただの「落とし物」ではないのかもしれない――。そんなふうに思えてくるのです。

だから、私はそれらを「失せ物」と呼び、誰かの「失くしてしまったもの」を手元に戻す活動を続けていきたいと思っています。