性(続)

3番目の子(娘M)の事にも触れておきたくなった。
TもJも男の子、と言ってももう既に40代後半。MはJの5つ歳下。

彼女は兄二人に憧れが強く自分が兄たちとは違うことを知った時ショックを受けたことを今でも思い出す。
ある日のお風呂で「Mちゃんねー、おおちくなったら(大きく)こーんなにおおちいおチンチンが生えてくるんだー…」と言った。私は彼女の中の理解がそうなっていることを全く気づかず、その理解は【男・女】という括りではなく【大人・子供】という括りになっていることに気づいた。その間違いを正すかどうか一瞬迷った自然に任せよう…と。
でもその期待の大きさを思うと伝えたいと思い
私「んー…Mちゃんね〜え?、あなたはTちゃんやJちゃんやお父さんとは違って、私と同じ女の子なの。だからおチンチンは生えてこないのよー」と。
M 「エーッ?嫌だー!」
私 「そうかー…でもねー、TちゃんやJちゃんは男の子で、男の子は赤ちゃんを生むことができないのよー。でも、女の子はできるの」
M 「そうかー!私はお母さんになるのかー!🤩」
私 「そう!男の子はお父さんね!」
M 「そうか!知らなかったー!」とこんなことがあった。これは3歳になったばかりの頃だったと思う。
その後自分の体を自分で洗う練習のとき「赤ちゃんが生まれてくる大事な所だからいつも丁寧にキレイにしとかなきゃねっ!」と当たり前のように伝えた。どう伝わったかは分からないが、私が教えた通りに言いながら当たり前のように丁寧に洗っていた。
それが彼女の性の入り口だったと思う。
それからたったの6年しか経っていない9歳と3ヶ月で初潮を迎えることとなった。
予想以上の早さに少し可愛そうな気がした。でも、高校生に間違えられる程の立派な容姿だった。
あのときの自分の迎え方から私はその時のための準備は万全だったと思っていた。
体の仕組みと、それは月に1度訪れることと、その始末の仕方、学校で、自宅で、外出先で、彼女が困ることのないように詳しく丁寧に教えた。
そして身体が大人になったことを伝えた。
やはり 流石に嬉しそうではなかった。
それから中学1年…この時は私も伝えるのに相当の覚悟と気合いが必要だった。深呼吸…。
3月卒業式の前日。
M 「お母さん明日卒業式なんだけと、卒業生のS君を家に連れてきてもい〜い?」と言った。当時私は仕事を持っていたので「私がいないときに という意味?」と聞くとそうだと言う。
私 「いつも誰かを連れてくるのにいちいち聞くことないじゃない?それは男の子だから?そして特別な人だから?」と聞くとそうだと言う。
私 「いいけど、じゃあ一つ大切な話がある」と言うと「そうだと思って…」と言った。
私 「Mちゃんがわざわざ聞くということは、これから私が話そうとしていることを分かってるということよね。でもこれまで、このことについて伝えるチャンスがなくて、もう既に知っているかもしれないけど、聞いてね」と言って、兄達に話した通りのことを話した。
彼女はそこまでちゃんとは知らなかったと言った。
私 「それでね、一般的にその年齢の健康な男の子は、残念ながらそのことばかり考えていて憧れもあるのね。だからと言って彼もそうだとは限らないけど、卒業式の日に
お友達と過ごすのではなく、あなたと過ごすのに何かを感じずにはいられない」と言うと
M 「違うよー、悪い友達に誘われていてお酒を飲んだりするらしいから、行きたくないんだって」と言った。
私 「そうなんだ、分かった。じゃあ、そういう事もあるかもしれない事を忘れないでね。そしてこの機会に言っておきたいけれど、Sexは何歳になったらしても良いとか親が決めるものではなく、あなた自身が決めることなのね、そのためには気持ちの準備もいるし、知識も必要。それから、よくある悲しい話は、なんの準備もなくその雰囲気に流されてしてしまった。とか妊娠してしまったとかいうことがないように。でもあなたが望むことなら、それがいつなのか、誰となのかは全部あなたが決めることなのよ。でも、もしあなたが困るようなことになったとしても、私はあなたを全力でサポートするからね。よく世間では男の人に責任があるような言い方をする人がいるけど、妊娠は全て女性の責任だと私は思ってる。だって排卵日かどうかは、他の人には分からないからね。このことをちゃんと話したかった」と伝えて、彼女を抱きしめた。なぜだか自分でも分からなかったが、あなたのことを大切にに思ってるからね、と思ったのだと後で思った。でもこれが中学1年生だと思うととても重かったかもしれない。
そして 次の日彼女が自分の部屋から「お母さん ちょっと来てー!」と呼んだ。行くと首筋を見せた。
M  「やっぱりお母さんの言う通りだった…」と泣きそうな顔で。
私「あー、やっぱりそうだったのねー…!よしよし、それ以上はなかったの?」と聞いた。
M 「全力ではねのけた!ねー、お父さんには言わないでー!」
私 「いや、それは無理だよー、お父さんと私であなたの両親なんだから。成長は全部伝えたい。辛いことも、嬉しいこともね」

それ以降は一切聞くことがなかった。
この出来事は母親である私にとっても大きな大きな出来事だった。

私は結婚していながらも、自分の女性としての体のことも管理できていなかったことを後悔したので(結果的には私に必要な出来事だったが)娘にはちゃんと伝えたかった。
母がそうしてくれれば良かった…と思うことを。



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