もう1つのエピソード

○中さんには2人のお子さんがあって、越して来たときは上の男の子が4年生、下の女の子が幼稚園の年長さんだった。その頃はご両親と我が家の関係を知っていたかたかどうかは分からないが、お子さんと我が家はお付き合いがあった。
特に下のお子さんは我が家に馴染んでいたが、歳を重ねるごとに遠のいて行って、挨拶もなくなった。
ところが、上の子が(Y君)高校3年生の頃家の近くの道路で向こうから友だちと3〜4人で歩いて来ていた、いつも挨拶はしないので、私も気づかぬ振りをしていた(本当にこんな事は大っ嫌いなのに)すると、ほんのすれ違いざまにチョコンと頭を下げられたように感じた、けれども、一瞬の事だったので、そのまますれ違ってしまった。「あー!折角挨拶してくれたのにー…」と残念でたまらなかった。小学生の頃は、パンを焼いたり、ケーキを焼いたりした時に彼らが外に居れば上げたり、我が家の大型犬と遊んだりした事をきっと覚えていてくれるはず、なので親御さんの影響ではなく、ただのお年頃で挨拶をしなかっただけだったのかもしれないと思ったりしていた。また会えたらいいなー?!と思っていたが、私はその2日後ストックホルムへ行く予定だった。結局会えないまま出発し、1ヶ月後帰り着いたその日、車から荷物を下ろしているところへ彼が帰って来た。私は直ぐに「Y君こんにちはー!もう1ヶ月にもなるけど、私出かけてたのねー、それで行く前にY君に会えないかなー?と思ってたけど、結局会えないまま行ってしまったのー、それでいつかヨーカドーの通りですれ違った時にY君がチョコんと頭を下げてくれたのを後で気づいたの、すっごく嬉しかったー!だからこれからもよろしくねっ、ありがとう!」と言うと少し照れながら、それでもとても嬉しそうに「はい!」と、なんて可愛いんだろう、年寄りの私の方が先にしたかったなー?!と思った。それから彼とはズッと挨拶をするようになった。高校を卒業して暫くは就職活動なんだなー、と思うような様子が…。ある時はスーツで出かけたり、家に居たりが1年くらい続いていて、その内女の子が多分同居しているように見えていた。そうする内仕事が決まったらしく毎日決まった時間に出て行く姿を見るようになり、それからまた1〜2年経って、どうも引っ越しかな?と思う様子で、荷物を持ち出している彼に「一人暮らし?」と聞くと「はい!」「わー、凄いわねー、独立おめでとうございます!」と言うと、とても嬉しそうだった。私も彼の成長を見せてもらって何だか嬉しかった。
そして家に入り〈独立祝〉にと僅かばかりを封筒に入れ「何かの足しになるかも知れないから」と渡した。
私にとっては、唯一の○中家との繋がりだった。そんなこんなを通って今の関係が出来て来た。
昨日の記事のようなことや、このY君とのことは、その都度我が家の家族に話し協力を頼んで来た。
このような歴史を重ねて出来たものはきっとこれから先も壊れることはないと思っている。

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