5人の子育てのリアル① 私立高校の実質無償化について 

最近、出生率が減って「子育て支援」が色々と議論されていますが、5人の子育て中の者から、色々考えることを発信させてもらいたいなと思いました。

第一回目は、2020年から導入されている私立高校の実質無償化についてです。

うちの長男は、現在、私立高校の2年生です。

私立高校に通うことになった理由は、「都立高校を落ちたから」です。
高校受験のとき、長男はこのあたりでは一番難しいと言われている高校を受験したいと強く願っていたので、それはチャレンジするだけしたらいい、と思って受験させました。

中学には行ったり行かなかったりをしていた時期があったので、内申点がよくありませんでした。
やっぱりそんな高校はオール5とかの子たちがたくさん受験しているので、当日のテストいくらがんばっても太刀打ちできず・・・

ということで、不本意ながらに私立高校に通うこととなったのです。

自営業の夫と自営業の私の所得は高くないので、
私立高校の授業料の補助を受けることができます。

そういう制度ができて、よかった~~と胸をなでおろしましたが、
蓋をあけてみると色々この制度にもまだまだ改善する点があるのではないかと思われます。

まず、高校から請求される額は、最初に自分で支払わなければいけない。という点。

長男の高校は授業料を年3回に分けて引き落とされるシステムです。
その年3回の引き落としは、とりあえず自分でなんとかしなければならないのです。

4月に34万円
8月に20万円
12月に20万円

そして、12月の終わり頃に、授業料の返還が行われる、というシステム。

貯金がたくさんある人には、何の問題もないことですよね。
そこから一旦払っておいたら、後から返ってくるのですから。

でも、所得がそんなに高くない家庭に向けて補助金を出すシステムのはずなのに、
所得がそんなに高くない家庭が、とりあえず払っておくだけの、そんな貯金があると思いますか??

とりあえず、払っておく数十万円が出ない。
という点がとても問題だと思います。

私も、いつも引き落としの時期が来ると、どうやって工面すべきかとても悩みます。

1年目は、その通りかもしれないが、2年目以降は、その返ってきた分を貯めておいて、授業料の支払いにあてればいいじゃないか、
と言われるかもしれません。

でも、やりくりをしている側から言うと、
そのときに戻ってきたお金は、そのときに必要なものに使ってしまうものなのです。
日々の生活費や住宅ローン、毎月の支払いに決して余裕があるわけではありません。振り込まれたお金は、先に支払わなければいけないものに充当してしまう、という実情があるのです。

2つ目は、補助されるのは、授業料だけ、という点

年間に支払うべき約80万円のうち、授業料は約半分の44万円。
その他は、施設設備費とか冷暖房費とか副教材費となっています。
この部分はどうして補助されないのでしょう??
高校で学ぶために必要な経費だと思われます。その部分はなぜ除外されているのでしょう?

公立高校では、どうなっているのでしょうか?
施設設備費、冷暖房費などは別に支払っているのでしょうか?

私立と公立の格差是正、と言っても、授業料が補助されても
年間あと40万円ほどは負担しなくてはいけない、という実情があります。

3つ目は、補助金を受けられる人に制限がある、という点

所得制限については一概に言えないためここでは説明を省きますが、
所得に応じて、補助金を受けられる人とそうでない人がいる、
またはその額にも違いがある、ということです。

うちは補助金を受けられる対象となっていますが、
お友達のおうちでは、この枠からはみ出てしまう、と言っている方がいます。

所得が高いのだから、自分で出せばいいのだから問題ないじゃないか、と言いたいところなのですが、

この制限の枠がちょっと厳しすぎるのではないかなぁと思うのです。

今、児童手当の所得制限の撤廃だとかっていうのも議論になっていますが、
私は、この制限の「額」に問題があるのではないかと思っています。

額面で見ると、結構もらっているように思えるのですが、
夫が昔公務員をやっていたのでわかるのですが、
額面が大きくても、色々と引かれるものが多すぎて、手元に残る金額が結構少なくなっているのです。
だから年収は1000万円くらいあるけど、子どもを3人育てるには全然余裕じゃない、という家庭があるのです。
そういう家庭では、私立高校に行かせるとなると、余裕はないし、補助金もでないし・・・ということになってしまいますよね。

児童手当にしても、この私立高校の無償化にしても、所得制限の枠をもう少し引き上げればいいんじゃないかな??
1500万くらいとか。
年収数億円とかある人は、さすがに児童手当とか無償化とか、必要ないじゃないですか。
今、問題なのはその隙間にいる人じゃないですかね。
複数の子供を育てるには、やはりそれなりのお金がいるわけで、
その子育てしている子どもの数も換算したうえで、ちょっと余裕あるくらいのところで、制限をかければ、何の問題もないと思います。

このように、私立高校の無償化について、改善すべき点はたくさんあるなと思いますが、マイナス面にばかりフォーカスしているわけではなく、
2020年導入の制度ですから、長男の高校入学に間に合ってラッキー、と考えるようにしています。

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