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ダウンタウンすごい(伝説の一日)

01
吉本興業創業110周年記念公演「伝説の一日」、ダウンタウン見たさに千秋楽第三公演の配信チケットを買いましたが、全部めっちゃ良かったーー!
出演者が全員、精鋭中の精鋭なので毎秒芸達者でした。スタッフも精鋭だと思うので、転換も恐ろしく早い。本当にいろいろとすごかったです。

02
中田カウス師匠の口上よかったな〜!
「百花繚乱!」で始まって客の心をぐっとつかむのさすがだし、
「企業の寿命は約30年と聞いたことがありますが、110年も続くのは正に神業、神というのはお客様のことでございます」
みたいなことを淀みなくスラスラおっしゃってて、いきなり熟練のスーパー技術をくらって快感でした。配信を見る前は口上って言われても「とざいとうざーーい」みたいなのしか浮かばなくてピンと来なかったけど、なるほど口上…!!となりました。

03
そこから一気に飛ぶんですが、ダウンタウンの30分漫才とても良かったです!!

私は大阪出身ですが大学生くらいまでダウンタウンの番組をほぼ見たことがなく、初めて彼らのネタを見たのですが、いやーーすごかった。
すごい、というのは昔からずっと言われていたので「すごいんだろうな〜」とふんわり思ってはいたんですが、今回、何がどうすごいのかちゃんと分かったのがとても良かったです。

私は公演の数日後に配信を見たので、その頃にはすでに「ダウンタウンがアドリブで30分漫才をした!」という情報が世間に浸透していましたが、舞台にダウンタウンが立った時点では、観客にはアドリブかどうかは分からない状態でした。
それを中盤にさしかかった頃、松ちゃんに何度も「あがってんのか?」と言われた浜ちゃんがたまらずといった調子で

「お前が打ち合わせもなんもしてくれへんかったから!」

と叫ぶことで、今までの掛け合いが全て即興だったと分かるんですが、この種明かしのタイミングと過不足ない言葉選びが完璧すぎて痺れました。

この種明かしで、冒頭で浜ちゃんが松ちゃんの目をじっと見ながら言った
「ちゃんとやってや…?」
という言葉や、折々に見られた
「えっ俺が答えんの?」
「まだやんの?」
などの困惑っぷりが全てガチであり切実な訴えである、ということが判明するのも、叙述トリックめいた面白さがありました。
いやーーこれは、前情報なしで見たかったな!!

そして松ちゃんはずっと「分かりづらいことを言う人」をやっているんですが、その「分かりづらい言動」を分かりやすく観客に伝える(しかも即興で!!)という圧倒的な話術に、アッッこの人まじで天才なんだ、って初めて理解しました。
アドリブなのでところどころ言葉を探しながらだったり、言い間違えたりはありましたが、全ての話に起承転結があるし本当にとんでもない。

2人の掛け合いがすごく自然で軽妙なのでフリートークかと思われがちのようですが、松ちゃんの提示する「クイズをしよう」というテーマに乗っかりルールを守ろうとする浜ちゃん、既存のルールを壊し、独自の世界観を展開する松ちゃん、それに困惑する浜ちゃん、という構図は完全に漫才でした。

浜ちゃんは「ちゃんとクイズをやりたい人」をやっているので、早押しボタンを構える芝居をしているんですが、それがクイズ番組などでよく見る台に固定されてるタイプの早押しボタンではなく、ハンディタイプのを目の高さで構えてるマイムだったのがまた良かった。後ろのお客さんにも見えるように工夫されてる…!
観客の前で漫才するの30年ぶり?と聞きましたが、こういうのを自然にパッとやるところに、劇場に立つ人だ〜〜!と、またテンションが上がりました。

ネタの中で、2人の芸歴や関係性を思わせるやりとりがあったり、2人の素の人間性が見える(声を合わせて笑っちゃったり)シーンがあったり、

松「私の父が他界したとき、仏壇の前で号泣した芸人は誰でしょう」
浜「俺!!」

なんて人情話も盛り込まれてたり、本当ーーーにいい舞台でした。
個人的に1番好きなくだりは、

松「お前、週刊誌になんか書かれるんか?」
浜「それやったらこんなとこおらんわ」(ウロ)
松「何で悪いこと書かれるって決めつけんねん!」

で、浜ちゃんがのけぞって大笑いするところです。めちゃくちゃ楽しそうだったし、浜ちゃんの「完敗」みたいな無邪気な笑いがすーーごく良かった。

〆の、浜ちゃんの「もうええわぁ!!」も決まってたな〜。本当にいい舞台でした。
ダウンタウンはすごい。
そのことを頭でなく心で理解しました。いやはや、貴重な体験をしました。配信買って良かった!!

複数の吉本芸人が公演後に「吉本に入って良かった」ってツイートしてたのもよかったな〜!
良かったずくめだった!!

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