ループ
わかってる。
アナタがアノヒトのことが好きだってこと。
邪魔してごめんね。
だけど、わざとじゃないのよ。
ワタシがアノヒトを占領したり
アナタとの間に入ったりしたけど
偶然よ。本当よ。
アノヒトとの方が喋りやすいし楽しいもの。
アナタとは、緊張しちゃって、余計なことを言うのが怖くて、話が噛み合わないのが嫌で、価値観が合わないことに気付きたくなくて、上手く話せない。
アナタがなんだか不機嫌そうに話すから
ワタシの口調もつい強くなってしまう。
アノヒトと別れてワタシとフタリっきりになった途端、残念そうな顔をしないでよ。
ワタシはアノヒトみたいになれない。
ワタシはアノヒトみたいにアナタから好かれない。
帰り道は、もうどうでもいいやってヤケになる。
明日になればまた好きになってしまうのに。
知ってるのに。
悔しいなあ。
アノヒトには敵わないし
アナタには振り向いてもらえないし
我慢してるのに
アナタのために我慢してるのに
優しさの無駄遣いだ
ワタシの無駄遣いだ
でもきっと紐は緩みっぱなし。
わかってるのに。
また明日が始まる。
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