見出し画像

肝芽腫と診断されてから〜③生存率〜

入院2日目、病状と治療の説明があった。


・肝芽腫は10万人に1人の割合で原因不明に発症する

・娘さんの場合、転移が見当たらないため生存率は70%
 (40年ほど前は発症=生存率0%だった)

・抗がん剤が効きずらい場合は生存率が低くなる

・娘さんは門脈(太い血管)に腫瘍が浸潤しているため移植が必要になる。

・一般的には父母どちらかがドナーになり生体肝移植が行われる。

・体型から考えると、小柄のお母さんの方がドナーとして適当。娘さんのお腹に収まる肝臓の大きさであった方がいい。

・3〜4週スパンで抗がん剤治療を行い、5回ほど行ったところで移植術が行われる。

・抗がん剤の副作用で聴覚が低下する。程度によっては補聴器が必要になる。

・治験に協力してほしい。

・治験参加のメリットは、抗がん剤による聴覚障害などの副作用を少なくできる可能性がある。

・デメリットは、治療開始が2週間ほど遅くなる。
(治験に参加するには様々な検査を受けるため)


ざっとこういった内容だった。


私は怖くて耳を塞ぎたい気持ちになった。

しかし(娘は助かる)と信じることができた時間でもあった。

生存率は70%。

肝芽腫発症という10万分の1をひいたんだ。

残りの30%をひくはずない!!!

そしてドナーは私。喫煙歴もなく飲酒も付き合い程度。加えてやや健康オタク気味な私の肝臓の状態は良いはずだ。


夫は“生存率70%“にショックを受けていた。

夫は最悪の状態を考える癖がある。

私たちの考え方はまるで違った。

楽観的な私と心配性の夫

足して2で割るとちょうどいい

(と、妻は思っている)

治験は参加しないことに決めた。

一日でも早く治療を開始して欲しかった。

その時の私は、転移がなによりも怖かったからだ。

入院3日目から、抗がん剤治療が始まった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?