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ロジカルとはこういうことか

お読みいただき、ありがとうございます。

1か月くらい前に防水機能のついた小さなスピーカーを購入。
Bluetoothでスマホにつなげて、お風呂に入りながらラジオを聴くのがこの頃のお気に入りです。

いつも風呂に入る時間に流れているのがTBSラジオ「荻上チキ session-22」。実はこの番組、5年くらい前に京都から東京に単身で移り住み、テレビがなくラジオばかり聴いていた頃、毎晩よく聴いていました。

そして最近買ったスピーカーのおかげで、再びこの番組が聴ける生活が戻ってきました。(スピーカー買わなくても、いつでも聴けるのに・・・)

番組紹介は割愛させていただき、本題に。
いつもこの番組で関心させられるのが、荻上チキさんの「質問」の鋭さです。

最近は新型コロナウィルスに対する政策や、社会的な影響などを、専門家を交え掘り下げるセッションが続きました。そんな中、印象に残ったのが、2週間くらい前だったかと思いますが、立憲民主党の枝野代表を(オンラインで)ゲストに招き、自民党の政策に対する立憲民主党としての見解を述べてもらう、というコーナーの中でのやり取りです。

ちょうどその頃、党内の議員が風俗関連店でサービスを受けていたことが発覚し、この緊急事態宣言の中でのスキャンダルを重くみて、党としても「除名」という厳しい処分を下した、という報道がされていました。

チキさんはそのことにも番組で触れ「なぜ除名という重い処分を下したのですか」という質問を枝野代表にぶつけたのです。

これに対し枝野氏は「このようなあるまじき行動は党として、決して ○
○△△~」と、代表としての公式見解で回答していたように思います。(細かい表現はさておき)

ハッとさせられたのが、それを受けてのチキさんの質問:
「これがもし、本屋さんや○○屋さんなど、他の業種でも同じ処分を下されたのでしょうか?」

枝野代表:
「党としてはあってはならない△△××~」(先ほどのくり返し)

チキさん:
「つまり、これは風俗関連業だったから、というのが処分の理由かどうかを聞きたかったわけです。というのも、最近報道されているとおり、風俗関連業種に勤められている方は補助の対象から外すか否か、が焦点になっており、つまり、特定業種に対する差別的な意図の有無が論点になっていたわけですが、今回の立憲民主党の処分の背景に、こうした「風俗業」ということが理由にあるかどうか、そこがポイントだと考えたわけです」(筆者注:こんな主旨だったと記憶していますが正確な発言ではありません)

ロジックの重要性

なるほど~。
私は風呂で湯舟につかりながら、このやり取りを聞き、「論点のあぶり出し」すなわち「ロジカル」とはこういうことか、と痛く関心させられました。

まあ、例の報道を見る限り、国民の多くが「国会議員がこんな時にあんなことやっちゃいけないよね~」と感情で判断したのは当然のことでしょう。私もそうでした。

ところが、チキさんの枝野代表に対する質問は、そうした世の中に流れる感情は置いといて、あくまで論理的に理解するための切込みの一手だったのです。

つまり、
 世の中一般  = 感情 「当然だよね~」 → 思考停止
 一歩切り込む = 理由 「なぜですか」  → 深堀り
という違いとなって表れてきます。

ビジネススキルとしてとらえると

これをビジネススキルとしてとらえると「質問力」ということになるでしょう。「なぜ」を5回繰り返すスキルなど、相手に対してだけでなく、深く掘り下げる場合には自分に対する質問も有効です。

実は私の職業であるコンサルタントにも、インタビューという質問スキルの試される業務があります。

これまで数多くのインタビューを実施してきましたが、私の場合、ついつい相手の気持ちがわかったつもりになって
 相手:「上司からこんなこと言われてイヤになったんですよ」
 自分:「そうですよね~」「わかります」
と、同調モードで、そこからの切込みが足りない反省インタビューも少なくありません。

私の上司は、こうしたインタビューにおいては、「質問してみると矛盾が浮き彫りになるポイントがある。その矛盾と感じるところから掘り下げていくと、課題の本質が見えてくる」とよく言います。上の例はわかりやすいシンプルなやり取りですが、実際にはもっと複雑なコミュニケーションとなり、事の本質に迫る、という意味では、上司の言葉は本当にその通りだと思います。

私もこれからのインタビューの場面では、チキさんのように、感情に流されることなく、ロジカルでシャープな質問ができ、冒頭の写真にあるように、奥に分け入っていけるよう、まだまだ修行を積まねばと思った次第です。

《荻上チキ session-22》オススメです。→https://www.tbsradio.jp/ss954/ 

★今日も1mmの飛躍

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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