劇団ひとりさんが3Dプリンターを導入し、やりたいこと、現状、そしてこれから必要なこと。

劇団ひとりさんがAdventurer3という3Dプリンターを導入されました。
これは初心者にもやさしい、そして精度も高く、とても使いやすい3Dプリンターでナイスチョイスです。

今、ひとりさんがやろうとしていることはスマホのスキャナーソフトで自分を撮影し、
3Dにしてプリントしたいと思われます。

3Dには多少詳しいですが、スマホでスキャンの経験はないです。
しかしSTLの画像を見た感じ、現状スマホのスキャナーの精度ではそこまで出ず、余計なゴミなども発生しています。
特に頭部がうまくスキャンできず凹んでいる状態です。

人をスキャンする専門業者だともっと精度やキレイな状態で出力してくれるとは思います。

3Dプリンターで印刷するとき穴が空いているとエラーなど起きますが、
この場合はエラーが起きる穴ではなく、形状として凹んで穴として見えている状態です。

(エラーが起きる穴の空いた状態)

画像1



(今回の頭部の状態)

画像2


これを修正するには手作業での作業が必要になってくると思います。

ひとりさんは現在シェーパー3DというCADソフトをお使いのようです。
3DCGは大別して2種類あります。
CADと、造形を主眼に置いた一般的な3DCGです。

CADとは設計や精度、カチッとした形のものが得意です。
しかし今回のようなスキャンした形状を修正するのには不向きと思われます。

修正を行うには一般的な造形のための3DCGソフトが必要になってきます。
こちらも大別すれば2種類に分けられ、BlenderやMAYAといわれるオールインワンでなんでもできるDCCツール。、
そして彫刻を行うように造形していくスカルプトソフトです。


今回の修正で向いているソフトは彫刻を行うように造形していくスカルプトソフトです。

ipad用のSculpturaをお使いのようですが、ファイルが読み込めないとのこと。
ファイル形式を変更しても読み込めないのでしょうか。
ファイル形式を変えて読み込めたらそれは出先で使えるという用途ですごく有用だと思います。
ちょっと調べたところ、Sculptura重なったメッシュは自動的に一つになるようで、頭部の凹みであったりスキャンミスの部分を埋めたりするのに使えそうです。
こちらでファイルを読み込めるようになることに越したことはないですが。


しかしながらもし今後本気で3Dプリンターをやられていくのであれば、
PCアプリのスカルプトソフトのディファクトスタンダードといってもいいZbrushが向いていると思われます。

たしかに初心者の方にZbrushをオススメするのは酷な話にも聞こえますが、
メッシュミキサーもPCアプリですし、結局はPCを経由してやることになるので、PCアプリでもよいかと思いました。

お使いのシェーパー3DやSculpturaとは恐らく比べ物にならないほど高機能で複雑で習得は難しいです。
しかし修正だけを行う作業であればアドバイスを受ければ短期間でも習得は可能かと思われます。

詳細を述べると、Zbrushにて頭部の凹みに対して球体を入れ込み、メッシュを一体化させ、
後に頭部の形状に造形修正という形になります。
余計なついてきたゴミも数段階で削除もできます。

また3Dプリンター印刷向けに形状を保ったまま、メッシュ数を削減する機能もあり、
STL出力もできます。

そのモデルをメッシュミキサーでエラーチェックし、スライサーに掛け、プリントという手順でしょうか。


まとめますと、完全なる私見ですが、現在ひとりさんに必要なのはZbrushとZbrushの使い方を教えてくれる人だと思いました。
Zbrushは初見で独学では恐らく短期間でモデル修正にたどり着けることはかなり難しいと思います。
Zbrushはマック、ウィンドウズ版と出ていてフル機能使える無料の体験版もあります。

3Dを長く続けていくのであれば、このソフトは使いこなせば必ずや強力な力になります。また3Dプリンターを極めんとすれば必ず必要になってくるとも思われます。

導入をご検討してみてはいかがでしょうか。

ちなみに最近私はネット上で3DCGを色んな人に教えていたりします。

アドバイスの求めがあればいくらでも勉強のお手伝いはできます。


追記


無事メッシュミキサーだけで形状をうまく調整できたいみたいですね。

でしたら現状複雑で習得の難しいZbrushはまだいらないかもしれません。

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