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【パルデアダブル】一足先にDLCの碧の仮面を遊んだ気になれる!?パルデア流桃太郎構築

はじめに

皆さんは「桃太郎」という昔ばなしをご存じでしょうか。
ご存じない方のためにあらすじを書きますと、

昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山に柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
すると川上からどんぶらこどんぶらこと大きな桃が流れてきました。
おばあさんはその桃を持ち帰り食べようとしたところ、桃から男の子が誕生。
男の子はすくすく育ち、人々を苦しめる鬼を退治しに鬼ヶ島へ行くと宣言します。
おじいさんは桃太郎のために装束や刀を用意し、おばあさんはきび団子を作作り、それらを受け取った桃太郎はいざ鬼ヶ島へ向かいます。
その道中できび団子を分けることで、イヌ、サル、キジを仲間にして鬼ヶ島へと渡ります。
鬼ヶ島に着いた桃太郎一行は襲い来る鬼たちをこらしめ、戦利品として金銀財宝を村へと持ち帰り、おじいさんおばあさんと幸せに暮らしたということです。

昔ばなし 桃太郎 あらすじ

とまあこんなあらすじ。
念のため調べ直すまでは「この話、おじいさんは柴刈りで桃回収みたいなシナリオ上のアド取れてないしきび団子も作ってないしなんもしてなくないか?」と思ってましたが、実際は桃太郎の装備に貢献していたみたいです。知らんかった。
まあ地域によって細部に違いがあるみたいなので、本当におじいさんが何もしていないパターンもあるかもしれない。

ところで、9月13日に控えているDLC「碧の仮面」。
この追加コンテンツでは桃太郎のお供として知られるイヌ、サル、キジをモチーフにしたと思われるポケモン、イイネイヌ、マシマシラ、キチキギスが登場します。

公式サイトより引用した3匹のポケモンの画像

もうすでに半年以上前の2月末にこの紹介ムービーを見たとき、すでにトリプルバトルで桃太郎構築が作成されていてめちゃくちゃ面白かったのを思い出し、それをパルデアダブルに持ち込めたら誰よりも最速でDLC「碧の仮面」を遊んだと言い張れるし、なかなか面白そうだなと感じました。
ただ、やりたいとは思ったものの、桃太郎要素を持つポケモンやきび団子要素、その他もろもろが噛み合わないまま。
そうこうしているとどんどん時間は過ぎていき、剣盾やアルセウスからのポケモン輸送が解禁、環境が激変しパルデア固有のポケモンを使った桃太郎構築を考える気力が追いやられ、気づけばDLCまであと少し。
この発想を腐らせて終わりにしたくないぞ!!という意地でいろいろ試してなんとか形にできました。
少ない時間ではありましたが必死に頑張ったので、それなりに面白い内容になったと思います。

構築の経緯

※過去作からポケモンを輸送できない3月ごろから構築を考えています。
※コンセプトとして、パルデア図鑑に元からいるポケモンだけを採用することとしています。

DLC「碧の仮面」に桃太郎の家来であるところのイヌ、サル、キジをモチーフとしたポケモンが登場するということで、「すでにパルデアにいるポケモンを使って桃太郎構築を作れば、一足先にDLCで遊んだことになるのでは?」と思い立ちました。
幸いにもパルデアにはイヌモチーフのポケモンが多くいて、強いサル、強い鳥(キジ)もいるので、ウインディ、コノヨザル、ファイアローを採用して取り巻きを固めていこうと考えました。
ちなみに岡山県倉敷市のポケモンのイラストが描かれたご当地マンホール、通称ポケふたにはルカリオ、ポチエナ、サルノリ、ケンホロウが描かれています。
以下のリンク先は岡山県のポケふた一覧に飛びます。

次に考えたのは桃太郎、きび団子、鬼の枠。
これはもともとトリプルバトルにおいてなぜかすでに桃太郎構築が存在したので、それに倣って同じ枠でいこうかなと考えたためです。
どうせやるなら先駆者をリスペクトした形で組むのがよさそうだなと思っていろいろとよさそうなポケモンを考えていきました。
以下に参考動画を貼っておきます。

本家構築では福島県の桃とコラボした縁から、桃太郎枠としてラッキーを採用しています。
桃太郎は男なのにメスしかいないラッキーを採用するのはどうなの?という考えもあるかもしれませんが、時代はジェンダーの壁を取り払う方向ですので、昔話にその波がやってきても問題ありません(一部の地域では桃から女の子が出てきたとする話があるとか)。
以下はラッキーと福島の桃のコラボの参考リンク

本家のきび団子枠は丸いのがいっぱいなのでタマタマを採用してあります。
ただ、タマタマはパルデアにはいないため、これは別のポケモンを採用する必要に迫られました。
そういうわけで挙がったのが玉要素を持っていて単体性能が高く、構築構想当時対戦に解禁されていたパルデア準伝説ポケモンの1匹、イーユイを採用しようと思い立ちます。
邪な鬼に対抗するべくおばあさんが作った食品のわりに禍々しすぎる。

鬼枠はオニゴーリ、オニスズメ、オニドリル、ニャ「オニ」クスといった具合で、そもそもオニゴーリ以外のポケモンはパルデアにいないという問題がありました。
なので自動的にオニゴーリを採用することに。

総括すると下記のような構築案ができました。

素案1

ですがこれではパーティパワーが全く足りていません。
なのでコンボを組み込みつつ桃太郎を維持する方向で考えるとこうなりました。

素案2 パルデアにはラッキーパンチは存在しない!

ピントレンズラッキーのおうふくビンタもしくはオニゴーリのこおりのいぶきで味方殴りをして急所に当ててオコリザルのいかりのツボを発動させ、高火力で相手を各個撃破する構築。
オコリザルが水テラスなのはこおりのいぶきを半減しつつ構築全体で重い水打点を低減させるためです。
ここまで考えてラッキーのおうふくビンタが没収されていることを知ります。
しかもラッキーに殴られてからじゃないとパワーが出ないオコリザルでは、S調整するとさすがに展開も素早さも遅すぎて戦いづらい。
これらを総合すると、ラッキーはパルデアの桃太郎ではないんじゃないかとあきらめのような気持ちが強くなっていきました。

ラッキーを超える桃太郎枠として最適な存在を日々考察していたところに天啓が舞い降りました。
イッカネズミの採用です。
イッカネズミは通常4匹家族のポケモンですが、1/100の確率で3匹家族になるポケモンです。

4匹家族のイッカネズミ(公式イラスト)
1/100の確率で登場する3匹家族のイッカネズミ

3匹家族といえばどういうことでしょうか。

そうですね。

3匹家族のイッカネズミは実質おじいさん、おばあさん、桃太郎なのです。

桃太郎を採用しつつおじいさんとおばあさんを構築に組み込むことで、より桃太郎の物語の解像度を上げることに成功したのです。
桃太郎だけで育ってきたわけじゃないんです。おじいさんおばあさんあっての桃太郎なんです。

イッカネズミを採用するとなると軸にするコンボは変わってきます。
イッカネズミのふくろだたきとコノヨザルのふんどのこぶしを組み合わせたお手軽高火力コンボ、通称イッカコノヨが自然に構築に組み込めます。
イッカコノヨにはそのほかにもイッカネズミをアタッカーとして採用するパターン、コノヨザルをスカーフいのちがけで突っ込ませ重いポケモンを葬り去る(サルだけに)パターンと、構築に幅を持たせることが可能になり、ネタ構築でありながら強い組み合わせです。

こうして構築は仮完成。
実際にこの形で何戦かやってみて、構築の課題を抽出しました。

仮完成した桃太郎構築

欠点として、
・イッカコノヨが通らない相手に負ける
・ファイアローの特性「はやてのつばさ」の弱体化を知らなかった
・相手の水や雨が重い
・トリックルームパーティへの対抗策が弱い
・オニゴーリが弱すぎる

イッカコノヨは強力ですが、そのぶん対策がいろいろとあります。
お手軽なのはこのゆびとまれやいかりのこなでふくろだたきを吸うパターン。
これに関しては立ち回りが下手なのもあって、イッカネズミのちょうはつを使うべきタイミングを理解すれば、ある程度のケアが可能でした。
忘れてはいけないのは火力をふくろだたきからのふんどのこぶしに依存しているというところで、コンボが決まらなければたかが威力50の技です。
コンボを成立させるための最善手を選ぶことが肝要です。
あとはイッカネズミを超高速集中でコノヨザルを放置されて負けるパターンはなかなか厳しかった。
これの解決方法は分かりませんでした。
イッカコノヨ以外の解決が必要なのかも? とおぼろげながら感じました。

ほかにしんどかったのは上から全体を殴られるパターン。
この2匹だけではS操作ができないので苦しい。
全体技で雑に削られるだけでもイッカネズミが腐りやすい。
意外にもカミイーユイはファイアローを重く見た相手が選出を控えたのか、わりと戦えることも判明。

とはいえファイアローがトリプルバトルのようにブレイブバード連打してスイーパーは出来ないと知ったのはショックだった。
剣盾の頃にファイアローを使わなかったうえに全然対戦していなかったので、この変更にはさすがに型変更を迫られた。
当時はトリプルバトル伝家の宝刀と伝わるHAベースのつるぎのまいはねやすめファイアローを採用していましたが、この型は過去の遺物だったようです。

構築に炎タイプが3体もいると最低1体は炎タイプを選出することになるので、雨パーティや水打点、水テラスがかなり厳しかった。
とくに水ウーラオスはふかしのこぶしという知らない特性でまもるを貫通してきたのが重かった。剣盾は本当に全然対戦やってない。
相手の水打点に強く出られる何かが必要だと痛感しました。

トリックルームを妨害する手段も薄いのが気になりました。
ふんどのこぶしパターンが決まってトリックルーム起動役を倒すことが出来るのであればいいですが、いかりのこなやこのゆびとまれで自然にコンボが対策されている起動パターンのトリックルームが無理で、とくにアルマイエッサンに対してはイエッサンにふんどのこぶしが通らず、当たったら負けが決まったようなものでした。

何より致命的なのはオニゴーリが弱すぎる点。
とくに特性のムラっけが弱体化を受けて回避率の上昇を受けられなくなったところがワンチャンさえつかめず本当に弱い。

マジで無理

さらには先述のウーラオスに対してはまもるを使用できず、一方的に倒されてしまいます。
これらの欠点は思ったより壊滅的な結果をもたらしていて、実質的に5匹から4匹を選ぶという立ち回りを強いられてしまいました。
メインの勝ち筋以外の選出、いわゆる裏選出が困難を極めます。
裏選出が弱いならイッカコノヨを使わざるを得ず、イッカコノヨはふくろだたきを前提にしているならば先発以外あり得ない。
先発が事実上固定なら後発に至っては3匹の中からどれを取るかという、かなり窮屈なパーティになってしまいます。
オニゴーリが弱すぎるせいで選出の柔軟性を著しく欠くという状況には、「同じ構築にいようがやはり敵は敵」といった感想を持ってしまいます。

課題をまとめると、
・裏選出が弱い
・イッカコノヨ以外の戦い方を作りたい

という要求が出てきます。
これを満足させるには裏選出で使えそうなイーユイとシナジーするポケモンが望ましいです。
このゆびとまれを使っていると相手の全体技が厳しいという学びを得たので、それを応用して、オニゴーリのムラっけはおまけと割り切ってイーユイとともに選出してスカーフふぶきやねっぷうを連打するという方向性を考えたりもしましたが、素のふぶきという命中不安技を押したくない。

桃太郎の敵枠が弱すぎるという意味不明なベクトルから課題を突き付けられたので、鬼の首役のオニゴーリをクビにするという展開に。
来世は鬼のように強くあってほしいぞオニゴーリ。
鬼をクビにして桃太郎の物語を思い返すと、そこにはすでに答えがありました。

そうです、桃太郎が手に入れたものは鬼の首なんかじゃないんです。
鬼が持っていた金銀財宝なんです。
桃太郎が持ち帰った金銀財宝こそがこの構築の最後のピースでした。

そういうわけで、サーフゴーを鬼の財宝枠として採用しました。

サーフゴーであればイーユイの特性「わざわいのたま」とシナジーして特殊打点で相手を攻撃でき、疑似的なカミイーユイの形を取ることができます。
ほかにもこだわりアイテムをトリックすることで相手の補助ポケモンを黙らせることができます。
このゆびとまれでごまかしてくるトリックルーム展開であっても、イーユイのねっぷうとサーフゴーのゴールドラッシュを重ねればかなりの割り合いで相手を殲滅できると見込みました(正直ダメ計がめんどくさいのでここは適当ともいう)。

こうして裏選出の勝ち筋が見えたところで細部を調整しました。
ファイアローはHAベースをやめてASベースに変更、ねこだましやしんそく、アクアジェットがつらかったためファストガードを搭載。
雨や水への重さはウインディとイーユイを草テラスにすることで耐性を選べるようにし、イーユイに草の高火力技としてテラバーストが自然と採用できるようになりました。

これで対戦を繰り返し、細部を調整して完成です。
個別解説で説明していきます。

個別解説

桃太郎構築を使ってキミも碧の仮面を体感しよう!!


イッカネズミ
特性:フレンドガード
持ち物:きあいのタスキ
性格:おくびょう
実数値(努力値):150(4)-*(0)-122(252)-*(0)-95(0)-179(252)
技:ふくろだたき・このゆびとまれ・ちょうはつ・まもる
テラスタイプ:ゴースト
備考:おじいさん、おばあさん、桃太郎枠 叩き役

一枠に対して「おじいさん」「おばあさん」「桃太郎」3人の役割を圧縮した、まさに奇跡の枠。
さらにコノヨザルとのシナジーまで生み出せたあたり、昔ばなしの主人公に相応しいポケモン。
やることはといえば、ふくろだたきを味方のコノヨザルに撃って被弾回数を稼ぎ、ふんどのこぶしを1ターンで威力250の技に仕立て上げること。
自分では敵に触れずに、味方につけたサルに集団で暴行を加えてサルの憤怒の力を相手に向けさせて敵を破壊するという陰湿行動に長けたポケモンになってしまった。
もしかしたら鬼ヶ島の戦いでも、桃太郎がサルをしばいていて虐待行為にブチギレたサルが鬼に対してキレ散らかして勝利を収めていたのかもしれません。

ほかの技はコノヨザルというエースを守るためにこのゆびとまれを採用。
この技のおかげでコノヨザルを守って勝ったこともあります。
味方に集団で暴行を振るったかと思いきや次の瞬間にはかばうという不可解な行動に明け暮れるポケモンでもあります。なんだこいつ。

ちょうはつはコンボ妨害や壁展開の阻止、おいかぜの妨害、トリックルームパーティにも使えてとにかく便利。
コノヨザルにふくろだたきをしたくなる場面であっても、ちょうはつを使わないといけない場面ではコノヨザルのまもると組み合わせて確実な盤面を整えていくのが肝要です。
最後の枠はまもるを採用。
アンコールでも強かったかもしれませんが、まもるを挟んでから行動することで安全に立ち回れた場面が多かったので、汎用性という考えから言えばまもるのほうが手堅く戦えると思います。
防御に厚く振ることで連続攻撃に強くなり、ついでにイカサマや混乱自傷のダメージも低減できるようにしました。

テラスタイプはねこだましやしんそくに強くなるゴーストを採用。
ねこだましでコンボを崩されてしまいそうなときは積極的に選択して、コンボを確実に決めていきます。

ゴーストテラスになった爺婆&桃太郎

とくにねこだましとトリックルームを使ってくる初手に対しては切らないと苦しくなるので、とにかく是が非でもふんどのこぶしに繋げてトリックルームを使うポケモンを粉砕しにいきます。

ボールは桃っぽいからヒールボールを採用。
本当はラブラブボールにしたかったのですが、3匹家族になる1/100を狙いつつ進化後の姿を何匹も確認する作業が無理すぎたので妥協。
また、ニックネームにどうしてもおじいさん、おばあさん、桃太郎の要素を詰め込みたかったので、このためだけに中国語ロムでゲームを開始したデータを作成して個体を用意しました。
「爺婆&桃太郎」という完璧なニックネームを付けることに成功しました。満足しています。


イーユイ
特性:わざわいのたま
持ち物:いのちのたま
性格:ひかえめ
実数値(努力値):131(4)-*(0)-100(0)-205(252)-140(0)-152(252)
技:ねっぷう・テラバースト・あくのはどう・まもる
テラスタイプ:草
備考:きび団子枠、裏エースその1

団子の丸みを再現できるポケモンという、おそらく前例のない理由で採用された勾玉。
特性にもたま、持ち物にもたまを採用することで団子度を底上げして、「これはきび団子だ」と強く言い張っていきます。

特性のおかげで場のポケモンの特防が下がって火力がものすごいことが特徴。
雑にねっぷうを撃つだけで強いところがありがたい。

テラスタイプは草を選択。
弱点が多いテラスタイプですが、粉技を無効にし、水、地面打点を半減し水や地面タイプに対してはテラバーストで返り討ちにできるという大きなアドバンテージがあります。
サーフゴーのゴールドラッシュやイーユイの炎打点を警戒して水テラスを使用したポケモンに対しても効果てきめんなところがとにかく偉かったです。

きびだんごから放たれる草テラバースト

持ち物はタスキを持てなくて、まもるも使いたいという要求があったので、もくたんやたつじんのおびなども候補でしたが、やはりきび団子度を高めるいのちのたまに勝るアイテムはないだろうと判断しました。

ウインディ
特性:いかく
持ち物:とつげきチョッキ
性格:おくびょう
実数値(努力値):197(252)-117(0)-100(0)-121(4)-100(0)-161(252)
技:かえんほうしゃ・バークアウト・ねっぷう・しんそく
テラスタイプ:草
備考:お供のイヌ枠、威嚇枠

お供のイヌとして採用されたポケモン。
同じイヌ枠としてはバウッツェルやマフィティフ、ハカドッグがいましたが、いかくができること、種族値が高いこと、しんそくという優先度が高い攻撃技を扱えることを重視してウインディを選択しました。
副次的なことにはなりますが、イッカコノヨと見せかけてウインディを叩くせいぎのこころコンボのパーティにも見える点も見せ合いで強そうと感じます。

イッカコノヨ選出をすると特殊打点が不足する恐れを持ったので特殊打点で戦う型にしました。
完成形ではサーフゴーやイーユイを組み込んでいるので、このポケモンは物理型でもいいかもしれません。
全体攻撃技のねっぷうと単体攻撃技のかえんほうしゃを両方搭載していますが、かえんほうしゃをテラバーストにするのもよかったかも。

火力よりも耐久を重視し、相手より先にバークアウトが出来れば味方のポケモンを長持ちさせられるということでHS配分としました。
耐久面はよかったのですが、とにかく火力に難があるのであんまりあてにしてはいけないポケモンでした。
たぶんまだまだ検討の余地がある枠なんだと感じます。
まあ最初に手に入るお供だったというのもあり、もしかしたら原作の桃太郎でもぼちぼちな評価なのかもしれません。

コノヨザル
特性:まけんき
持ち物:オボンのみ
性格:いじっぱり
実数値(努力値):188(20)-165(116)-115(116)-*(0)-115(36)-138(220)
技:ふんどのこぶし・ドレインパンチ・ビルドアップ・まもる
テラスタイプ:水
備考:お供のサル枠、イッカコノヨ軸選出のエース

桃太郎構築の表エースです。
このポケモンに桃太郎一家で暴行を加えることで相手のポケモンを毎ターン1体倒し、3ターン後にはゲームが決まっている状態を目指すのが理想です。

桃太郎一家がサルに暴行を加える決定的瞬間
桃太郎一家から袋叩きに遭ったサルの憤怒が敵に向けられる様子

個体としてはcona5757さんの配分をそのまま採用。
サーフゴー抜き抜きのASベースで耐久に回した形です。
コノヨザルより遅いポケモンは1ターンに1体ワンパンするぞ!ということを意識して立ち回るだけで強いです。
裏を返せば早いポケモンから全体攻撃を受けると削れてきて後手に回るので苦しい、といったところです。

特性まけんきは相手からのいかくやこごえるかぜ、その他技の追加効果でデバフを受けると攻撃が2段階上昇というアドバンテージが得られる特性。
意外と発動機会が多く、勝手に強くなって毎ターン誰かを倒していました。
きっと鬼ヶ島の戦いでも毎ターン鬼を1体ずつ、ブチギレながら殴り倒すことで勝利に貢献していたのでしょう。


ファイアロー
特性:はやてのつばさ
持ち物:するどいくちばし
性格:ようき
実数値(努力値):153(0)-133(252)-92(4)-*(0)-89(0)-195(252)
技:ブレイブバード・おいかぜ・おにび・ファストガード
テラスタイプ:飛行
備考:お供のキジ枠、S操作要員、スイーパー、便利枠

お供のキジ枠として採用されながら、S操作要員として唯一無二の活躍をすることになったポケモン。
たぶん原作の桃太郎もそろそろS操作要員がいないと鬼との戦闘で不利を取ると予感していたんだと思います。
パルデアにいないはずだったトルネロスに対して先制したかったので、ようき最速としました。
ついでに準速パオジアンや準速ハバタクカミよりも早く動けるところがよかったです。

技はブレイブバードにするか持ち物なしのアクロバットにするかで悩みましたが、先手を取って火力で破壊すればヨシの発想でブレイブバードを選択しました。
すばやさを操作できるのはこのポケモンのおいかぜのみということでほぼ確実に選出して、大切に扱う必要があります。
そのわりにブレイブバードでガリガリ削れていくわけですが……
物理ポケモンをごまかすための鬼火は炎テラスに注意しないといけません。
地味ながらファストガードが強力で、しんそくを無効、ねこだましを無効、アクアジェットを無効と、こちらのイーユイやコノヨザルをなんとしてでも削りたい相手に強烈に刺さっていました。

持ち物は小回りが利いてバレにくいするどいくちばしを選択しました。
原作でもするどいくちばしを使って鬼をつっつきまくっていたので、ある種のリスペクト要素を兼ねていると言えます。
ファイアローの耐久を重要視してブレイブバードを使いたくない場合は、持ち物なしアクロバットにして性格をいじっぱりにするほうが望ましいです。
これは性格補正がない場合、確定で130-76ハバタクカミに耐えられてしまうためです。
代わりに最近よく見る気がする最速オオニューラのねこだましをファストガードで防げなくなります。
どちらを取るかは最後は好みです。

どんな相手であろうとS操作やスイーパー、相手の先制技への保険といったさまざまな場面で活躍してくれた優秀な仲間でした。
はやてのつばさの弱体化を知ったときは思わず「ざっっこ!!」と声が出てしまったものですが、元が強すぎただけだと思えば許せます。
何よりこのあとサイコフィールドを貼ってきたイエッサン♀をブレイブバードで倒して勝ちを収めたのは新しい仕様だからこそでした。
許します。

あと本当にどうでもいいですが、お供の3匹はきび団子を食べて人に慣れたということを表現するためにときどきみるあかし(ひとになれてる○○)を搭載しました。

サーフゴー
特性:おうごんのからだ
持ち物:こだわりスカーフ
性格:ひかえめ
実数値(努力値):163(4)-*(0)-111(0)-203(252)-115(0)-136(252)
技:パワージェム・ゴールドラッシュ・シャドーボール・トリック
テラスタイプ:鋼
備考:鬼ヶ島から持ち帰った宝物枠、裏エースその2、A0個体

討ち取った鬼の首を不法投棄して、物語を通して本当に得られた宝物は何だったのか原点回帰した瞬間、真の仲間となった財宝。
パルデアを巡る自分だけの宝物を見つける大冒険、強大な敵を撃ち倒して財宝を得る冒険譚、実質同じなのでやはりポケモンSVは桃太郎だといえますね。

このゆびとまれやいかりのこなで展開するトリックルームパーティに対して強く出たいという要求に対して、イーユイと組んで特殊打点の全体攻撃を上から打ち込んで破壊することでとりあえずの回答としました。
様々な困難が起きても、結局は暴力が強いということを示しているのかもしれません。

持ち物はとにかく上から攻撃をして倒すことを意識してこだわりスカーフとしました。
ゴールドラッシュを連打しても威力を保てるこだわりメガネと迷いましたが、ファイアローにS操作を一任しているので、あまり行動保証を捨てると厳しいと考えてスカーフを選びました。
これによってサーフゴーミラーでも先手を取って倒しやすくなり、135-155ハバタクカミまでなら一発の水準は保てました。
ここに隣にイーユイを置くことで、さらに多くのポケモンを一発で沈めてしまう火力と速度を手に入れることができます。
とはいっても最速ハバタクカミの場合は相手に先制されてしまうのでアレですが……

技構成は採用理由のゴールドラッシュは絶対で、シャドーボールも必須。
あとの2枠にはトリックをまず採用。
多くの搦め手をこだわりトリックの一手だけで抑制してしまえるのはなかなかおいしいので正解でした。
最後の枠は水への打点としての10まんボルトかウルガモスなどへの打点としてのパワージェムかで迷いましたが、正直撃つことはほぼないはずなのでどっちでもいいと考え、鬼から分捕った金銀財宝枠という採用理由を強化すべくパワージェムとしました。

欠点はこだわりメガネと違ってゴールドラッシュの連打は威力が出ない点です。
ゴールドラッシュは押して強い技ではありますが、水テラスや炎テラスをはじめ半減する方法があり、考えなしに押すのはおすすめできません。
とくに炎テラスはやけど無効、鋼、炎、草打点を半減されてしまうため、桃太郎構築の裏選出ではかなり重いテラスタイプだということは忘れずに。

テラスタイプはゴールドラッシュの火力を底上げする鋼を選択。
前述の炎テラス対策で水テラスもいいなと思ったのですが、全体攻撃で圧力をかけるという採用理由を考慮すると、一番使いたい技のゴールドラッシュの威力を増強する鋼テラスが一番強いと考えました。
副次的な効果としてゴーストが消えることにより相手のゴースト技や悪技を等倍で受けることができますが、イーユイの特性わざわいのたまは場に効果があるうえ、サーフゴーの特性おうごんのからだは変化技が対象で特性には効果が及んでいないので、サーフゴーにも特防の弱体化が適用されていることを忘れずに。

どうでもいいけど見れば見るほどにサーフゴーがお腰に付けたきび団子を持ってるように見えてしょうがない。

サーフゴーの公式イラスト

サーフゴーが桃太郎役の桃太郎はお腰に付けた宝箱からコインを恵んで仲間を増やす感じになりそうだから、めちゃくちゃ資本主義に毒されてそう。
仲間になるの、資本主義のイヌ、猿回しのサル、キジはけんもほろろなだけにそもそも「金の亡者には屈せぬ!!」とか言って拒絶してきて仲間になってくれなさそうだな……嫌すぎる……

立ち回り・選出

◆イッカコノヨ軸
先発:イッカコノヨ
後発:ファイアロー、何か

何が何でもふくろだたきをコノヨザルに撃ちます。
相手の初手にねこだまし持ちがいる場合はまもるを使用して、次のターンにふくろだたきを成功させます。
ウーラオスがいるなどの理由でそれも難しい場合はイッカネズミにゴーストテラスを使用してでもふくろだたきを通します。
あとはこのゆびとまれでコノヨザルを守ってふんどのこぶしで一体ずつ相手を倒していきましょう。
後続のファイアローで残ったポケモンを刈り取ったり、裏からウインディのいかくを使ってコノヨザルの耐久が減りにくくしたりして勝ちを狙います。
とにかくコノヨザルを大切にして相手を2体以上倒しましょう。

◆イーユイサーフゴー軸
先発:イーユイ、サーフゴー
後発:ファイアロー、ウインディ

イッカネズミのちょうはつで相手のこのゆびとまれが防げない場合、イッカコノヨではねこだましトリックルーム展開が厳しい場合、たんにイッカコノヨよりも刺さってそうな場合はこちら。
イーユイの特性で相手の特防を下げたところに特殊打点を振りかざして勝ちに行きます。
裏はファイアローが確定でもう一枠はウインディがいいと思います。
この構築のイッカコノヨはコンボ抜きだとほかのポケモンと組み合わせにくいからです。
こちらの選出の場合はいつサーフゴーを引くか、イーユイを適宜守らせられるかが大事でした。
テラスタルは基本的にサーフゴーに切りたいですが、相手の水タイプや地面タイプがすこぶる重いので草テラスを忘れずに。

この2つの選出を軸にいい感じにやっていたら、まあそれなりに桃太郎を楽しめると思います。

改善案としては
・ウインディの型を物理型にする
・サーフゴーのテラスタイプを水にしてテラバースト採用する
・サーフゴーの配分を耐久に回す
・イーユイの配分を耐久に回す
・ファイアローの性格をいじっぱりにしてブレイブバードをアクロバットにし、持ち物をなしにする
あたりでしょうか。
前のめりな構築なので、努力値配分についてはあまりごちゃごちゃ調整するよりはぶっぱのほうがよさそうに感じています。

DLC「碧の仮面」まであと少しの短い期間ですが、それまでの間にDLCコンテンツを先行体験したい人はぜひこの構築で遊んでみてください。
自分だけの桃太郎を楽しもう!!

パルデア北東(鬼門の方角)にある鬼ヶ島と思しき島で桃太郎構築とピクニック


謝辞

本構築を考えるにあたり、出発点となったトリプルバトルのバトルビデオを投稿する企画を続けてくださっている和澤ざわ(@zalwa13)さんに感謝申し上げます。
この企画が続いていなければポケモン対戦の面白い部分を忘れてしまっていたかもしれません。
また、桃太郎構築を考案し上記企画に投稿してくださいましたTNかげよしさんにも深く感謝申し上げます。
対戦に昔ばなしエンタメを持ち込んで、愉快な展開の対戦を見せてもらえたことが本構築をやってみようという原動力になりました。ありがとうございます。

最後に、この長文を最後まで見てくださってありがとうございました。
少しでも楽しんでいただけたのであれば幸いです。
DLC後の世界でも何か面白い構築が作りたいので、またお付き合いください。

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