わすれる

まじめで厳しい親のいる生徒が、職業調べの新聞で、中学校教員は寝たら忘れるくらいの人が向いていると、どこのページで調べたのか書いていた。たしかにそうだ。

忘れないでいる出来事が、何個かある。とても個人的な事で。

恋人と、ものごとの覚え方の話になった。
彼は、小学校の図書館をイメージして、例えばオスマン帝国のことが書かれた赤い本を持ってきてくれる人の顔を、覚えたい人物にしているようだ。

わたしは、むしろ忘れたいことを図書館の本にしてしまっているんだと思う。
人に優しくされなかった記憶こそ、深く、温かさの英気にできるように。
他人に期待しない性格はやさしくないのか、よく冷酷だと言われる。

忘れないことよりも、
思い出すことを大事にしたい。